成長に舵を切るニッポン企業、求められる新たなIT基盤とは?

長くて暗いトンネルを抜けたニッポン企業の多くは、売り上げの拡大を伴う力強い成長に向け、いよいよアクセルを踏み込み始めた。情報システム部門には、経営陣の意思決定を迅速に実現する柔軟なIT基盤の構築が求められており、なおかつ、消費電力や排熱の問題も解決しなければならない。成長企業に求められる新たなIT基盤とは?

» 2007年10月25日 10時00分 公開
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 「失われた10年」とも「失われた15年」とも呼ばれる長くて暗いトンネルを抜けた日本企業の多くは、売り上げの拡大を伴う力強い成長に向け、いよいよアクセルを踏み込み始めた。生き残りを賭けた事業の見直しやコスト削減を担ってきた情報システム部門も、事業の成長に向けた貢献が求められようとしている。

 調査会社のガートナーが今春に発表した「Garnter EXP 2007 CIO Agenda」でも、日本のCIOらの回答に大きな変化が見られた。最も際立ったのは、ビジネス面において「収益の増加の必要性」や「企業競争力(純利益)の改善」を重視するという回答だった。前者は前年の9位から1位と大きく優先度を上げており、後者も5位から2位となっている。

 ガートナージャパンでは「潮目が変わった」とみており、「新商品の開発」「新たなチャネルの活用」「新たな顧客セグメントや市場への参入」といった、経営陣が推し進める成長戦略に対して情報システム部門は直接貢献すべきだと説く。

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データセンターは課題が山積

 大きく成長するには、競合他社を買収する選択肢もタブーではなくなっている。業界再編が活発な家電量販店業界では、最大手のヤマダ電機が売り上げ拡大路線をひた走る。5月にマツヤデンキを傘下に収めたかと思えば、業界7位でビックカメラとの提携を発表したベスト電器にも食指を動かす。

 ある大手家電量販店の情報システム部門長に話を聞く機会があったが、「サイジングの読みはいつも外れてばかり」と嘆いていた。うれしい誤算だが、彼にとっては大きな課題だった。

 かつてのホストコンピュータは、その処理容量を超えると上位のマシンにリプレースしなければならなかった。これが頻繁になると、テストなども含めて、情報システム部門は年中更新作業に追われる。オープンシステムに移行しても、ピーク時や不測の事態に備えてシステムごとに潤沢なプロセッサやメモリ、ストレージといったリソースをそろえるのはコスト的にもたいへんだ。企業のデータセンターを預かる情報システム部門長の頭痛の種は解消されないままだ。

 もちろん、データセンターの課題はそれだけではない。シリコン技術の進化でコンピュータの性能は飛躍的に高まっているが、必要とされる消費電力もうなぎ登りだ。技術革新によって省スペースを実現してきたサーバだが、データセンターの電力容量が足りなくなっては増強のしようもない。

 データの爆発的な増加もまた共通の大きな課題だ。米国の大規模なデータウェアハウスの容量を見ると、その深刻さが分かる。2003年から2005年のわずか2年で約2.5倍に膨れ上がっているのだ。最新の調査データはないものの、幾何級数的に増え続けていることは間違いない。

 ストレージが厄介なのは、初期コストだけでない。成長につれてデータが増えてくると、構成変更に伴うメンテナンスコストも大きな負担となってくる。さらにストレージの消費電力や排熱も見落としがちだ。

 それでも成長のためには、新たなチャネルの開拓や新しい市場への参入は避けては通れない。情報システム部門のデータセンターには、経営陣の意思決定を迅速に実現する柔軟なIT基盤の構築が求められている。

 1974年に1号店を出店して以来、30年以上もコンビニエンスストア業界をリードし、今や国内最大の小売業となったセブン-イレブン・ジャパンも、その成長を支えてきたのは、店舗ごとに売れる商品を確実に売るための「仮説-発注-検証」プロセスと、それを支える情報ネットワークだ。

 同社が4年以上の歳月をかけてIT基盤の再構築に取り組んだ第6次総合情報システム(2006年10月稼働)は、HP Integrity SuperdomeとOracle Database 10gを導入し、さらに膨大な情報分析に耐え得る性能向上を図った。それまでの店舗ごとの販売データだけでなく、その立地特性に応じた、きめの細かいデータ分析を行うためだ。 少子高齢化という逆風が吹き始める中、セブン-イレブン・ジャパンの情報システム部門には、さらなる成長のため、変化の的確な把握と、迅速な対応が求められている。

「仮想化」に最も効果的なのは省電力?

 情報システム部門の頭痛の種を数え上げればきりがないが、データセンターの年間運営コストの25%から40%を電源や空調が占めるというデータもある。こうした消費電力を抑える最も効果的な手段として「仮想化」が脚光を浴びている。このところ、企業内に散在したサーバをデータセンターに集約するサーバ統合のひとつの手法として注目された仮想化だが、台数自体を減らすことで、消費電力や排熱も大きく削減できる。

 UNIXサーバの平均的な使用率は良くても15%程度といわれているが、仮想化のノウハウがユーザーにも浸透しているメインフレームでは、その使用率は80%を超えているという。ピーク時の負荷に合わせてシステムごとに大きなサーバを購入していけば、大半のリソースが遊んでしまう。これが使用効率の悪さを生んでいるのだ。

 これまで仮想化技術というと、複数のプロセッサが搭載された1つの大きなサーバを物理的(電気的)に分割したり、論理的に分割する手法が主流だったが、安価なIAサーバを並列につなぎ、1つの大きなサーバを仮想的に構築する「グリッド」技術も新たに登場している。

 日本オラクルは、業界で他社に先駆けてこのグリッド技術を企業のデータセンターに持ち込んだ。2003年にgridの「g」を製品名に冠したOracle Database 10gを市場に投入して以来、既に4年が過ぎ、今すぐ使える技術として浸透している。かつては、拡張性や信頼性を確保するため、データベースやアプリケーションサーバを稼働させるハードウェアプラットフォームとしては高価な大きなサーバが採用されたが、新たに登場しているブレード型サーバなどを並列的につなぎ、負荷に応じて追加していける、いわゆる「スケールアウト」のアプローチも有力な選択肢となっている。

 日本ヒューレット・パッカードでいえば、デュアルコア インテル® Itanium® プロセッサを最大で64基搭載する「HP Integrity Superdome」を128の論理区画に分割できる「HP Virtual Partitions」も、Integrityファミリーのブレード製品である「HP Integrity BL860c」を並列的に束ねていけるOracle Databaseのグリッド技術も、決してマジックのような話ではない。複数のシステムが、それぞれのピークに応じて動的にプロセッサのリソースを使い回すことができる技術であり、本来コンピュータが持っている能力をフルに引き出しているわけだ。

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システム変更のリスクも最小限に抑えるOracle Database 11g

 成長する企業の生身(なまみ)のデータを扱う情報システム部門は、ビジネスの要求を受け、「開発」「検証」「運用」のサイクルを絶えず効率良く運営していく必要に迫られている。彼らが求めているのは、もはやIT製品の単なる性能や機能の多彩さではなく、システムのライフサイクル全般に渡って、迅速さとコストの削減、そして高い信頼性をもたらす新しいIT基盤だ。

 日本市場に投入されたばかりの「Oracle Database 11g」は、「Real Customer Release」を掲げ、グリッド技術をさらに熟成させるとともに、成長企業を支える真のIT基盤ソリューションを提供する。

 成長企業を牽引するシステムは、絶えず変化が求められる。そして、その迅速化はもちろんのこと、アプリケーションの変更や構成の変更に伴うリスク、つまり不具合やシステム停止も最小に抑えなければならない。

 しかし、情報システムの複雑性を背景とし、定常費用にIT支出の85%を充てなければならない日本の企業(フォレスターリサーチ調べ)にとって、運用フェーズに入ってからのバージョンアップや構成変更に伴うテストまで、きちんと行うスキルや予算の余力がないのが実情だろう。

 Oracle Database 11gの目玉ともいえる「Real Application Testing」は、データベースに対するワークロードをキャプチャーし、新しい環境で再現できる機能だ。専門スキルが必要とされるテストシナリオの作成が不要となり、本番環境から自動的にワークロードを生成することでテストの工数を約90%も削減できるという。「Data Guard」と組み合わせれば、ディザスタリカバリサイトの環境を容易にテスト環境に転用することもできるという。

 日本においても災害対策サイトの必要性がようやく認められるようになってきたが、コストと天秤に掛けると、なかなか踏み切れない。災害対策サイトへの投資を別の用途にも生かせるのであれば、その敷居も下がるだろう。

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 日々増え続けるデータも成長する企業の情報システム部門にとっては頭痛の種だ。ストレージは、その購入コストばかりでなく、消費電力や、発熱、設置面積などもデータセンターの大きな課題となっているからだ。

 Oracle Database 11gに搭載された「Advanced Compression」機能は、DWHアプリケーションだけでなく、OLTPアプリケーションにおいても、データを1/2〜1/3に圧縮することができ、システムの運用に掛かるコストの節約に貢献する。使用頻度の少ないデータを安価なディスクへと段階的に移動させていく階層型ストレージの手法と組み合わせれば、さらに大きなコスト効果が期待できるだろう。

オープンなIT基盤を支え続けるインテル Itanium プロセッサ

 オープンなIT基盤の中核を担うプロセッサも成長企業を力強く後押しする。

 インテルとHPが共同開発したインテル Itanium プロセッサは2006年に発表されたデュアルコアプロセッサのMontecito * から同じく、デュアルコア プロセッサの「Montvale*」にバトンが渡され、さらに2008年後半には4コア以上の「Tukwila *」も控えている。

 Tukwilaは、大容量のオンダイキャッシュや統合メモリコントローラ、新開発の高速インターコネクトなどを実装するほか、メモリエラーを修復する機能を強化し、システムとしての信頼性をさらに高める計画だ。

 さらにインテルでは、Tukwilaの次の「Poulson *」では45ナノメートルのプロセス技術ではなく、一気に32ナノメートルのプロセス技術に移行する計画を立てている。また、コードネーム以外は明かされていないものの、その次に控える「Kittson *」の開発にも着手しているという。

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 ハイエンドのUNIXサーバやメインフレームをリプレースできる信頼性をプロセッサレベルで実現しようと開発が始まったItaniumプロセッサは、ライバルとなるRISCプロセッサを短期間で追い越し、これまで着実な進化を遂げてきた。新しい製造技術や新しいアーキテクチャーといった、日進月歩の技術革新が今後も期待されるが、アプリケーションや顧客から見たソリューションは一貫しており、その将来に渡るコミットメントも変わらない。

 なお、インテル、日本オラクル、および日本ヒューレット・パッカードは11月30日、「データベースから変革する戦略的なIT基盤」をテーマとしたカンファレンスを開催する。3社が考えるミッションクリティカルな次世代IT基盤を確かめるために、足を運んでみてはいかがだろうか。

(注)* は開発コード

『Intel×Oracle×HP Technology Forum 2007』 開催
テーマ データベースから変革する戦略的なIT基盤
注目
セッション1
●特別講演
「セブン-イレブンの第6次総合情報システム」

・佐藤 政行 氏
(株式会社セブン&アイ・ホールディングス 執行役員/システム企画部 CVSシステムシニアオフィサー)
注目
セッション2
●パネルディスカッション
「IT基盤再構築の処方箋」〜最小コストで最大価値を引き出すDB基盤の在り方とは?〜

【モデレータ】
・浅井 英二
(ITmedia エンタープライズ編集部 プロデューサー)

【パネラー】
・吉田 佐智男 氏
(株式会社NTTデータ 基盤システム事業本部 システム方式技術ビジネスユニット 第二技術統括部 部長)
・小守 雅年 氏
(日本オラクル株式会社 テクノロジーコンサルティング本部 シニアプラクティスディレクター)
・宗像 義恵 氏
(インテル株式会社 事業開発本部 本部長)
・大沢 文行 氏
(日本ヒューレット・パッカード株式会社 テクニカルセールスサポート統括本部 シニアソリューションアーキテクト)
日時 2007年11月30日(金) 13:30〜17:30(受付開始13:00〜)
会場 ウェスティンホテル東京(恵比寿)B2F ギャラクシールーム
定員 300名(日本HP及び出展会社の競合となる企業様からのお申込はご遠慮ください)
参加費 無料 (事前登録制 : 定員となり次第、受付を終了させていただきます)
主催 インテル株式会社、日本ヒューレット・パッカード株式会社
協力 日本オラクル株式会社
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提供:インテル株式会社、日本ヒューレット・パッカード株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2007年11月24日