次世代のクライアント環境として熟成したシンクライアントシステムCitrix Presentation Serverが実現する“アプリケーションの仮想化”とは

企業を悩ませるセキュリティ対策や内部統制対策、これらに効果的に作用しつつ、運用コストの低減も図る。それが「アプリケーションの仮想化」を提供するシトリックス・システムズの「Citrix Presentation Server」である。

» 2007年12月27日 00時00分 公開
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 かつてはMetaframe、現在ではCitrix Presentation Server(CPS)を軸に、シンクライアントシステムの根幹を担うソフトウェアを提供してきたCitrix Systems(Citrix)。シンクライアント環境の構築を検討する企業の中には、Citrixに対して間違った認識を持ってしまっているケースが見られる。

 例えば、「Windows Server 2003などに実装されているターミナルサービスで同様のものが構築できる」といったようなことだ。もちろん、これらの声の中にも幾分の事実は含まれている。事実、ターミナルサービスでも環境は構築できるからだ。しかし、通信プロトコルとして、OSに標準装備されているRDP(Remote Desktop Protocol)を使うか、Citrixのコア技術と言えるICA(Independent Computing Architecture)を使うかで、現実のシステム性能では大きな差が生じることは覚えておく必要がある。

 シンクライアントシステムや言い換えれば仮想システムを比較検討する際に、利用している通信プロトコルは心強い判断材料となる。例えば、VMWareが提供しているVMware仮想デスクトップ インフラストラクチャ(VDI)も、データセンター側に仮想マシン環境を用意し、その上で稼働する個々のデスクトップをホスティングするという点では仮想化システムといえる。しかし、RDPで通信しているとすれば、帯域制御、ロードバランスなどの機能が運用上必ず求められる。そして何より仮想的に割り当てた領域に対してアプリケーションの個別インストールなどの管理作業が発生するのだ。それらを含めて考えた場合、「実はCitrixの方が安価だった」ということも珍しくない。

今野尚昭氏 「シンクライアントシステムを進化させた“アプリケーションの仮想化”こそが今後の仮想化市場のトレンドに」と話す今野尚昭氏

 シトリックス・システムズ・ジャパン マーケティング本部プロダクトマーケティング担当部長の今野尚昭氏は、「現在、どの企業もセキュリティ対策に敏感です。そういう意味でのCPS採用も非常に多い状況ですが、管理コストまで含めて検討した場合、さらにCPSが有利になります。また、仮想化という言葉がトレンドとなっているが、実のところ重要なのは、やはりアプリケーションの仮想化であり、それを実現するCPSに注目が集まるのは必然の流れ」と話す。

 では、CPSを用いた場合、セキュリティ対策、管理コストの削減が本当に可能なのか。その将来的な有望性も含めて検討してみよう。

アプリケーションの集約によるコスト削減

 まず、コストの観点からCPSを見てみよう。CPSが実現するアプリケーションの仮想化は、アプリケーションの実行環境と利用環境を分離させることにほかならない。つまりアプリケーションを集約することで管理効率を上げTCOを削減できる。

 一般的なクライアント環境では、従業員分のPCおよびOSやアプリケーションなどが必要となる。これらを用意する初期コストに加え、運用管理まで含めると、その額は初期コストをはるかにしのぐ。そのほかにも、最新のアプリケーションを入れる場合には個別対応が必要となることから「コストの増加」もばかにならない。

 クレディスイスの調査によるとデスクトップPCの管理コストは5年間のTCOで考えた場合、運用コストは初期コストの10倍以上といわれている。分かりやすく例を挙げれば、1台20万円のノートPCを500台購入しているような企業であれば、管理コストは5年間で10億円、1年で1台当たり40万円の管理コストが掛かっていることになる。

 「初期コストや部分的に切り取ったようなコストだけを見ると見誤りがちですが、しっかりと精査してみると、CPSのコストメリットがはっきりと見えてきます。サーバ側にアプリケーションの実行環境を集約、それを一元管理すれば、一般的ユーザー用のPCであれば、10分の1程度にまで管理コストが削減されるのです」(今野氏)

 また、これもよくある誤解だが、シンクライアントシステムでユーザーの利便性が下がるわけではない。CPSの最新バージョンとなる4.5では、ユーザー体験を最高なものにする数多くの機能が実装されている。

 例えば、あらゆるアプリケーションへの自動ログオンを可能にした「エンタープライズシングルサインオン機能」、アプリケーションをオフラインでも利用できるストリーミング機能、さらに、グラフィックを多用するCADやGIS(地理情報システム)などといったアプリケーションで、転送する画面情報の圧縮率を高め、ストレスのないアプリケーション配信を可能にする「SpeedScreenプログレッシブ表示」などだ。

 「最新版でのICAは、これまで以上に機能強化されています。人間の目に見えない部分は徹底的に排除し表示するように最適化されています。これにより比類ないパフォーマンスを実現できるのです。これらの機能は圧倒的な差別化要素となるでしょう」(今野氏)

 つまり、CPSを用い、ユーザーの利便性を下げることなく、コスト削減を図るというのは夢物語でも何でもないことが分かる。

監査証跡の最善手はユーザーセッションの“録画”

 では、運用管理面ではどうか。一般に、クライアント数が多くなればなるほど、通信は多様化するため、運用上での調整が難しくなる。CPSが提供するアプリケーション集約型のソリューションは、サーバ側で一元管理が可能になるため、ポリシーによるアクセスコントロールなどが容易に実現できるというメリットがある。

 「1台のサーバで複数のユーザーの処理をまかなうということは、そこにパフォーマンスの低下を招くユーザー側の処理が発生すると、当然ほかのユーザーにも影響が出てくることになります。ユーザーに不正な行為をさせない一方で、最高のユーザー体験を阻害しないようにするための機能が必要となるのです」(今野氏)

 これを両立するのが、CPS 4.5 Platinum Editionで実装された「アプリケーション・パフォーマンス・モニタリング機能」および「SmartAuditor」である。

 「アプリケーション・パフォーマンス・モニタリング機能」は、仮想化されたアプリケーションのパフォーマンスを可視化し、エンドユーザーの傾向やボトルネックをリアルタイムに把握するもの。各ユーザーのパフォーマンスを時系列にモニタリングできるため、各ユーザーレベルで迅速な問題解決を可能にする。

実際にアプリケーション・パフォーマンス・モニタリング機能を使用しているところ。さまざまな角度からパフォーマンスを把握できるが、ここではCPUの利用率に着目している。CPUの利用率が高くなっている時間帯の存在が確認されると(画面左)、その時間帯でユーザーごとのCPU利用率(画面中央、右)にドリルダウンして問題の把握が行える

 「アプリケーション・パフォーマンス・モニタリング機能を用いて、サーバのCPUリソースを多く消費していた原因をドリルダウンしていくと、あるユーザーが原因であることまでは判明できる。しかし、具体的にそのユーザーがどういった処理をしたためにその結果を招いたのかを把握できれなければ、トラブルシューティングとしては不十分」(今野氏)。これを可能にするのがSmartAuditorとなる。

 SmartAuditorは、CPS上のアプリケーションを利用しているユーザーセッション(操作画面)を自動的に録画し、必要に応じてそのセッションを再生できる。CPUの負荷が高まった時間、その原因とみられるユーザーが実際に何をしていたのかをプレイバックして確認できる。トラブルシューティングでこれほど力強いことはない。トラブルシューティングの用途意外でも、内部統制にかんする監査証跡として有効に機能する。また録画ファイルは、非常に微小なためディスク容量を圧迫することもないのだ。

アプリケーション・パフォーマンス・モニタリング機能で得られた情報を基に、ユーザーが実際に何をしていたのかをSmartAuditorで確認することで、トラブルシューティングの参考にする。ユーザーを検索し(画面左)、そのユーザーセッションを再生してみると(画面中央、右)、この例では動画共有サイトにアクセスしていることが問題の原因であることが分かる

アプリケーションの仮想化を後押しする社会情勢

 セキュリティ面だけでなくコスト面、運用管理面の有効性から勢いを増すCPS。昨今の社会情勢も追い風となっている。

 その1つが、テレワークの普及を推進するために総務省の主導で創設された「テレワーク環境整備税制」だ。テレワーク環境を構築するシンクライアントシステムやVPNネットワーク機器はこの税制の恩恵を受けることができ、対象設備取得後5年度分について固定資産税の課税標準が3分の2となる。無論、CPSもこの対象となる。

 Windows Server 2008の登場がいよいよ視野に入ってきたこともCitrixにとっては追い風となる。ターミナルサービスの部分でMicrosoftに技術供与しているCitrix。両社の関係はまさに蜜月といったところだ。Windows Server 2008が提供する予定の安定したOS環境下で、Windowsアプリケーションの仮想化環境を構築するのであれば、CPSという選択の安心感は揺るぎないものとなろう。

 さらに、CitrixがXenSourceを買収したことで、これまで述べてきたアプリケーションの仮想化を、サーバおよびデスクトップの仮想化にまで広げ、ICAで通信するエンドトゥエンドのソリューションとして完成させる下地が整いつつある点も注目したい。

 「結局のところ、従事している業務に応じて、必要となるデスクトップ環境は異なる。ターミナルサービスベースのデスクトップ環境でよいユーザーもいれば、1台のブレードPCのリソースを必要とするユーザーもいる。それらを束ねて提供していくのがCitrixであり、その次世代IT基盤の根幹はこれからもCitrix Presentation Serverがポイントとなる」(今野氏)

 シンクライアントシステムを進化させた“アプリケーションの仮想化”。すべてのユーザーに最適なデスクトップ環境を提供しつつ、セキュリティ対策、管理コストの削減を実現する。このことが企業にもたらすパワーは計り知れない。

疑問・質問解決セミナー 「シンクライアント編」

主催: シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社

日時: 2008年1月18日 14:00- 16:30 (13:30 受付開始)

会場: 霞が関コモンゲート西館 24F

参加費無料・事前登録制

定員: 40名

対象者: シンクライアント導入に興味がある企業のシステム担当者


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提供:シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2008年1月31日