ユーザー満足の飽くなき追求――常に進化するカシオのページプリンタ込められた匠の技

カラー毎分33枚(A4時)の高速印刷や150万枚の本体耐久性に加えて、セキュアな認証プリント機能などが企業ユーザーに支持されているカシオのカラーページプリンタ「SPEEDIA N6100」。発売当初からの充実した機能に加え、カシオのWebサイト経由でバージョンアップするだけで、モデルチェンジと称しても過言ではないほどの機能強化が図られるようだ。その詳細を開発者自らに聞いた。

» 2009年03月30日 10時00分 公開
[PR/ITmedia]
PR

 業種を問わず、オフィス業務にページプリンタが欠かせないことはいうまでもない。速さや画質といった印刷の基本性能はもちろんのこと、日常的に使うものだからこそ、耐久性やメンテナンスのしやすさといった点を重視した製品開発が続けられている。カシオの「SPEEDIA N6100」も、ユーザーが求めるトレンドを備えるよう開発されたカラーページプリンタとして2007年に発売し、市場に受け入れられてきた。またカードリーダーに社員証などのICカードをかざすことで印刷が実行される「認証プリント機能」は、印刷物の取り忘れを抑止し、企業情報の漏えいを防ぐということで、内部統制への対応を図る企業/団体などへの導入も進んでいる。

 とはいえ一般的に、プリンタというものは購入時にその製品が備えていた機能のみで使用されるものだ。例えばPCのように、周辺機器を買い足したり、アプリケーションをインストールしたりして機能が拡張されることはあまりない。新製品にのみ実装されている機能に魅力を感じた場合には、必然的に「買い替え」を強いられることになる。「まだ使えるのに……」という思いを抱きつつも、やむを得ず機種変更を図った経験のある企業ユーザーも多いことだろう。例えば2008年に発売された「SPEEDIA N3600」は、印刷速度などの点ではN6100に及ばないが、環境やコストを意識した多彩な機能を装備しており、官公庁からSOHOまで幅広いユーザーに好評を博している。

   N6100(左)と、N3600(右)

 既存ユーザーにも長く満足して製品を利用してもらうために、カシオは無償で大幅なSPEEDIA N6100の機能バージョンアップを行うという英断を下した。すでにSPEEDIA N6100を利用しているユーザーであれば、カシオのWebサイトからバージョンアップ用ソフトウェアをダウンロードし適用することで、N3600と同等の新機能を活用できる。「購入いただいたあとでも、可能な限りユーザーのニーズを取り入れてアップデートしていきたいと考えています。そのためにプリンタの開発当初から、将来的な成長の余地を見越した形で製品化しました」とカシオの新井正通氏は話す。

紙と電力を消費するプリンタは「オフィス内環境対策」の要

カシオ計算機 八王子技術センター 開発本部 システム統轄部
第四開発室 42開発室
新井正通 室長

 バージョンアップを適用すると、「新トナーセーブモード」「エコレベル印刷」「エコログ集計」「一発エコモード」の各機能が利用可能になり、さらに「認証プリント」の機能も強化される。なかでもバージョンアップの目玉となるのは、「エコレベル印刷」などの環境対応機能である。

 エコレベル印刷は、「どれだけエコな印刷をしたか?」を印刷物に分かりやすく表示できるモード。文字・グラフィック・イメージそれぞれのトナーのセーブ量を設定できる「新トナーセーブモード」をはじめ、両面印刷やマルチページ印刷がなされているかといった要素を指標に、3段階で評価される。その結果は、1枚から3枚の「木の葉」で表され、印刷物のフッタ部分に木の葉がプリントされる。業績報告書など、経営幹部へ提出する書類にトナーセーブを適用した場合、「なぜ印刷が薄いのか」といった指摘を受ける可能性もあるだろうが、木の葉で明確にエコレベルが示されていれば、環境対策の一環ということで、受け入れられやすくなるだろう。

 エコログ集計は、エコ関連機能の使用状況に加え、プリンタ全体の消費電力量や、それにともなうCO2換算量といったデータを集計・表示してくれる機能。月次や年次といった期間を指定し、数値を可視化することで、用紙やトナー、電力の削減目標に対する達成度を計れる。消費電力の可視化というと簡単に聞こえるが、実際には細かなデバイスの通電時間までカウントするなど、実装は簡単ではなかった。「開発要件を知らされたときは、“既存モデルでの対応はさすがに無理ではないか”と思いました。しかしソフトウェアからデバイスまで、カシオの開発各部署が連携することで、最終的には実現しました」(新井氏)

エコプリント機能の徹底活用をサポートする「一発エコモード」

 そして一発エコモードは、SPEEDIA N6100の環境対応機能をプリンタユーザー全員に活用させるための機能。バージョンアップによる追加機能のなかでも、特に有用性の高いものだといえる。もともとSPEEDIA N6100にはスタンバイモードへ移行する「節電キー」が備わっているが、そのボタンを「長押し」することで、一発エコモードへと切り替わる。

 一般的なプリンタにおいて、エコな印刷を行うには、各クライアントPCのプロパティから印刷設定を変更する必要がある。これではいくら管理者が節約を呼びかけても、設定変更を忘れたり、面倒くさがったり、あるいはプロパティからの変更方法がよく分からないというユーザーもいるだろう。だからといって管理者が、すべてのクライアントPCのプロパティを変更してまわるわけにもいかない。結果として、せっかくプリンタに備わっているエコ機能が、活用されないということになる。

 しかし一発エコモードに切り替えられたSPEEDIA N6100なら、接続されたクライアントPCの印刷設定を強制的に変更できる。どのようなエコプリント設定にするかは、管理者が自由に設定可能だ。たとえクライアントPCがオフラインであったとしても、次回接続された際、自動的に印刷設定が変更される。事前に印刷ポリシーを設定しておくだけで、管理者やユーザーが毎回プロパティを変更する必要はない。どんなにエコ印刷を推奨しても、実践されなければ意味はないが、一発エコモードを利用すればコスト削減や環境対策を徹底できるだろう。

一発エコモードの管理画面。ブラウザ上のインタフェースで、どのようなエコプリント設定にするかを、管理者が制御できる

 「バージョンアップで追加したエコ機能や認証プリント機能など、使ってみることで必ず“カシオのプリンタの良さ”を分かってもらえると自負しています」と新井氏は自信を込める。

特殊紙にも安心のサポート――「紙種インストーラ」

カシオ計算機 八王子技術センター 開発本部 システム統轄部
品質保証部 第二品質保証室
浅海清次氏

 こうしたバージョンアップと並行して、カシオではSPEEDIAの製品サイトに「紙種インストーラ」を用意し、各製紙会社から続々と開発・発売される特殊紙への対応拡大を図っているという。

 「ページプリンタの利用シーンは、オフィス内だけではありません。量販店や飲食店などでPOPやポスター、またはメニューなどの印刷に使われることも多いのです」と紹介するのは、カシオの浅海清次氏である。競合との価格比較をしながら売価を設定したり、時間や曜日に応じたキャンペーンを展開したり、また「本日のオススメ」といった飲食メニューを提供するといった対応が必要な店頭では、必要に応じて随時印刷できるページプリンタが適しているのは道理であろう。使われる用紙も、普通のコピー紙などではなく、耐水、耐油、光沢処理といった加工が施された特殊紙も多いのだという。

 「しかし、一般的なプリンタ製品が備える用紙プロファイルは、“特殊紙1〜3”といったもので、大まかなパラメータ設定が多いのです。これでは使いたい紙に最適な印刷が行えない場合がある。そこでわれわれは、製紙会社から発売される新しい特殊紙について、細かく最適化された印刷プロファイルを開発し、Webサイトを通じ随時提供しています。“実際の用紙の名前で印刷できる”という意味でも、ユーザーの方々にわかりやすくお使いいただけます」と浅海氏は話す。

カシオのWebサイトから用紙プロファイルを入手することで、最適な用紙設定を選択できる
カシオのプリンタには開発者による“匠の技”が込められているようだ

 耐水、耐油といった特性を持つ用紙は、素材の質感としてプラスチックやビニールに近いものもあり、トナーを定着させる(印刷する)にもノウハウが必要だ。SPEEDIAをはじめとする一般的なページプリンタは、ドラムを印刷パターンどおりに帯電させ(“目に見えない電気の絵”が描かれた状態)、その帯電によってドラムにトナーを導き用紙に押し当て、引き剥がし(つまり、転写する)、熱や圧力を加えてトナーを溶かして紙に定着させる、という印刷工程をたどる。この際の転写や定着の設定を特殊紙ごとに最適化するなど、開発陣としてもこだわりを込めた部分であるという。またカスタム紙種の追加に当たっては、各製紙会社と事前に情報を共有しているとのことだ。

 「年々、新しい印刷媒体が登場します。地道なことかもしれませんが、開発者として一歩一歩、新しい紙種に対応していきたい。その結果ユーザーに“使って満足”してもらい、カシオファンが増えればうれしく思います」と浅海氏は話す。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:カシオ計算機株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2009年4月12日