海外進出企業のビジネスを支える「日本品質」のICTインフラグローバルキャリアに求められる資質――その全容を読み解く

先端ICTソリューションの基盤となる「ネットワークの重要性」が改めて問われている。顧客企業のビジネスが世界のさまざまな国・地域へ急拡大しているからだ。グローバルキャリアとして高品質のワンストップソリューションを提供しているNTTコミュニケーションズを例に、先端ICTソリューション時代に求められるネットワーク品質について考察してみる。

» 2009年11月02日 10時00分 公開
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ICTシステムへの戦略的投資を進めるグローバル企業

 グローバルにビジネス展開を行っている企業はいま、不況の中でコスト最適化に配慮しつつも、将来のビジネス展開を見据えた次世代のICTシステムに対し、戦略的な投資を進めている。

 事業の選択と集中を図る投資として、TCO(総所有コスト)削減や社内リソースの効率的な利用などを目的とするネットワークマネジメントのアウトソーシングが進展している一方で、クラウドコンピューティングも急速に浸透しつつある。今後、顧客企業のICTへのニーズはますます高度化・複雑化していくことだろう。

 例えば、コスト低減と効率化を進める「ユニファイドコミュニケーション」はその典型である。ユニファイドコミュニケーションとは「統合化されたコミュニケーション」の意味。具体的には、IPネットワーク上で利用される多様なコミュニケーションツールを統合することによって、企業における情報受発信や意志決定などを効率化し、コストダウンや業務のスピードアップを実現することを指す。

 こうした高度なニーズに対して、グローバルキャリアとしてICTソリューションを提供しているのがNTTコミュニケーションズ(NTT Com)である。同社のグローバル事業では、日系企業のみならず欧米系の多国籍企業が取引企業の約半数を占める。これらのグローバル企業に対して、NTT Comは22の国・地域と52都市に拠点を置きサービスを展開している(2009年9月現在)。

NTTコミュニケーションズのグローバルIPネットワーク(クリックで拡大)

 NTT Comは、グローバルキャリアとして高品質のネットワークを提供することはもちろん、いわゆる上位レイヤのサービスにも注力し、高い評価を受けている。その背景には、同社が「5種の神器」と呼ぶ、「システム構築」「データセンター」「ネットワーク」「保守力」、海外拠点やサービス提供エリアなどの「フットプリント」の拡充、拡張を強力に推進していることが挙げられるだろう。そして、それらの根底には「エンド・トゥ・エンド」「ワンストップ」「品質へのこだわり」という、いわば自らが掲げた高い理念を垣間見ることができる。

複雑化するニーズに対応できるのは限られたキャリアのみ

 NTT Comの顧客企業がいま、市場として重視しているのが中国やロシア、ブラジル、インド、ベトナムなどの新興国である。新興国をはじめとする発展途上国では、日本とは違った規制が存在するなど国・地域によって環境が違い、品質水準も大きく異なる。その状況下で24時間365日、ネットワークをつなぎ続けることはそう簡単ではない。NTT Comでは「品質管理のノウハウを展開しながら現地キャリアとの連携を深め、エンド・トゥ・エンドでマネジメントできる関係を日ごろから構築し、品質の維持・向上を図っている」と言う。

 当然のことながら、NTT Comは新興国でのサービス拡充を積極的に進めている。例えば、それらの国での顧客サポートを強化するため、2009年1月にはロシアに現地法人を設立、7月にはサンクトペテルブルクに拠点を開設した。また、2009年4月にはインドでニムラナ支店を開設(インド国内では5拠点目)している。

 その一方でNTT Comでは、従来から提供しているセキュリティソリューションの強化のため、ドイツのセキュリティサービス企業であるIntegralisに対するTOBを実施するなど(2009年10月)、情報セキュリティにも積極的に対応している。すべてがネットワーク上で提供される現在のトレンドではセキュリティがより重要性を増すからである。

 いま、世界中の多くの企業が厳しい経営環境にさらされている中で、ICTの効率化・最適化は大きな課題となっている。それらに対するNTT Comの回答は「ワンストップ」という言葉で整理できる。現在の世界では、企業の成長と戦略を支えるICTソリューションを、高品質にワンストップで提供できるかどうかが問われているのだ。

 つまり、複雑化するグローバル企業のニーズに応えるためには、グローバルネットワークなどのインフラから、ルータやサーバのマネジメント、セキュリティソリューションの提供、システムインテグレーション、それらトータルの保守・運用まで、まとめて幅広く顧客企業に提案できることが、いまや必須条件なのである。NTT Comは「Fortune 500」にランキングされているようなグローバル企業にも提供実績があるという。このようにパッケージでまとめて提案できるのは、世界でもごく限られたキャリアしかいない。

経験とノウハウを継承する“つなぐ文化”

 2006年12月に発生した台湾南部沖地震を覚えているだろうか。台湾南西沖に敷設されているほとんどの国際海底ケーブルが損傷し、NTT Comが提供している通信サービスにも大きな影響を及ぼした。復旧までに1週間程度を要したキャリアもあったほどの事故だった。しかしNTT Comでは、地震発生から2日後には損傷した企業向けデータ通信サービスのうち、約9割を復旧させている。具体的には、ほかのルートを用意して迂回させ、各国の通信事業者と連携しながら救済回線の新設と収容替えを行うなど、「考え得る方策を総動員した」(NTT Com)という。

 その経験と準備が最大限に生かされたのが、2009年8月に再度発生した台湾沖の国際海底ケーブル故障への対応だ。この時は前回の教訓を生かしてさまざまなバックアッププランを使うことにより、顧客に提供するサービスを2日間で完全に回復させた。NTT Comが持つ「切れてもつなぐ、つなぎ続ける」という、「つなぐ文化」が具現化された一例と言える。

 こういった、つなぎ続けるために必要なネットワーク信頼性の向上と増え続けるネットワークトラフィック量に対応するため、NTT Comはグローバル規模のネットワーク提供には欠かせない海底ケーブルへの投資も積極的に行っている。日露間の海底ケーブルの運用開始(2008年7月)を皮切りに、アジア域内(Trans-Pacific Express, Asia-Pacific Gateway)、アジア〜太平洋間(PC1)のケーブルにも投資し、ネットワークの冗長化・大容量化への対応を進めている。

“日本品質”の持つ意味が相対的にクローズアップ

 ICTソリューションの基盤として注目されているクラウドコンピューティング。ネットワーク上の各種コミュニケーションツールを統合して効率的に運用するユニファイドコミュニケーション。いずれにも共通しているのは、確実で高品質なネットワークがなければ成立しない点である。

 そのネットワークの品質をNTT Comでは「日本品質」と呼び、同社最大の強みと自負している。例えば、世界のどんな国・地域でも、同じ品質レベルのサービスを提供する。万が一の時にコンティニュイティ(継続)プラン準備をしておく、SLA(サービスレベル合意書)上で免責になっていることが起きた場合も何とか手を打つ、納期を守る――など。基本的なことにみえるかもしれないが、これらは「品質を犠牲にしてまでも利益を追求することはできない」というグローバルキャリアとしての責任の表れと考えることができる。

 グローバルに展開されている通信サービスは面白い世界である。世界のキャリアが厳しい競争を行っている一方で、お互いに協力しなければそれぞれの顧客企業のニーズに応えることができないからだ。競争と協力が共存しているグローバルネットワークの中で、切れてもつなぐ、つなぎ続けるという日本品質が持つ意味はより大きくなっている。ワンストップで、すべてのサービスを高品質で提供できるキャリアとしてNTT Comが世界で高い評価を受けているのもうなずける。

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