SOHO/小規模事業所向け高信頼性オールインワンルーター「MIP-3010」オルタナブロガーが斬る!

ITmedia オルタナティブ・ブログ主催のイベント「オルタナブロガー MIP-3010 モニター体験」の一環で開催された、ブラザー工業とオルタナブロガーによる意見交換会。参加者たちが作った「ルーター川柳」とともに、ダイジェストで紹介しよう。

» 2011年03月29日 10時00分 公開
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 ブラザー工業の無線LAN VoIPルーター「MIP-3010」は、高度なセキュリティを確保した小規模・多拠点企業ネットーワークを低コストで構築できるオールインワンルーターだ。ITmedia オルタナティブ・ブログ主催のイベント「オルタナブロガー MIP-3010 モニター体験」では、オールインワンルーターが活躍するシーンや今後の可能性について、ブラザー工業とオルタナブロガーによる積極的な意見交換が行われた。

参加ブロガー 略歴・執筆ブログ
新倉茂彦氏 有限会社ティーシーニック代表。M.B.A(経営情報学修士)。
執筆ブログ:新倉茂彦の情報セキュリティAtoZ
小俣光之氏 日本シー・エー・ディー株式会社社長・プログラマー・ライター。
執筆ブログ:プログラマー社長のブログ
加藤和幸氏 株式会社テクネコ 代表取締役。
執筆ブログ:てくてくテクネコ
左から新倉氏、小俣氏、加藤氏。ITmedia オルタナティブ・ブログの人気ブロガーだ。

信頼性を重視する伝統と、ネットワーク関連事業への取り組み

 1908年にミシン修理業として始まり、1世紀を超える歴史を持つブラザーグループ。1932年に国産のミシン製造を実現し、2年後日本ミシン製造(現:ブラザー工業)を設立した。

 当時海外からの輸入製品に独占されていた国内ミシン市場に対し、国産のミシン製造を立ち上げるにあたり、苦労もあったようだ。「製品の耐久性や信頼性を高める焼入れ技術を自分たちの手で確立させるために苦心したと聞いています」と説明するのは、ブラザー工業 N&C事業推進部 メジャー・アカウント営業担当リーダーの水島範恭氏。

 「1960年代からは、ミシンに加えて輸出向けにタイプライターを手掛け、1984年のロサンゼルスオリンピックではオフィシャルサプライヤーにもなりました。これは製品の信頼性が認められたものと思います」

 このタイプライターから発展したプリンターや複合機などの情報機器関連は、今や同社の売上高の7割以上を占める中核事業だ。そして、それに次ぐ規模となっているのが、通信カラオケ事業を核に音楽データを活用したコンテンツサービスやコンテンツ配信システムなどを提供する「ネットワーク&コンテンツ(N&C)事業」である。この事業のもとになっているのが、1985年に「ソフト自販機TAKERU」、1992年にサービスを開始した通信カラオケ「JOYSOUND」である。その後もネットワークを通じたコンテンツ配信事業の数々を手掛けている。

 そのN&C事業推進部が、2010年に満を持して投入した初の「ネットワーク機器製品」が、無線LAN VoIPルーター「MIP-3010」だ。ブラザー工業が、初のネットワーク機器であるMIP-3010で目指したのは、「オールインワン」だったという。ブラザー工業 N&C事業推進部 プリンシパルの廣野正彦氏は、その意気込みをこのような「ルーター川柳」で表している。

 初めての ネットワーク機器も 複合機

 ブラザー工業 廣野正彦氏


 同社が得意とするのは、ファクス、コピー、プリンター、スキャナーなどの複合機(MFP)、特にSOHOや小規模事業所をターゲットとした製品が主流だ。ルーターでも同様に、SOHO/小規模事業所向けのオールインワン製品を目指したというわけである。

便利でコスト削減に役立つオールインワン、それを実現するための苦労

 MIP-3010には、一般的なルーター機能に加えて、IPsec※1によるセキュア通信、VoIP※2によるネットワーク経由の音声通話、そして無線LANといった機能を搭載している。
無線LAN VoIPルーター「MIP-3010」。小規模・多拠点企業ネットーワークを低コストで構築できる。
※1IPsec:VPN(Virtual Private Network)の一種で、一般的なブロードバンド回線でも拠点間のセキュアな通信環境を可能にする機能。例えば本社と出先拠点との間でやり取りされる顧客情報などの保護に役立つ。

※2VoIP(Voice over IP):IPネットワーク、つまり一般的なネットワークで音声通話を可能にする技術。MIP-3010では、SIP(Session Initiation Protocol)対応サーバーや端末と接続し、ブロードバンド回線などを通じて拠点間の通話を実現できる。スマートフォンなど汎用の端末の多くはVoIPに対応しており、無線LAN経由での音声通話も可能。

 仕様の詳細についてはブラザーのWebサイトを見ていただくとして、ここでは主にMIP-3010の特長である「オールインワンルーターのメリット」に着目しよう。3つの主要機能を活用すれば、MIP-3010だけで拠点間セキュア通信、VoIPを使った電話/ファクスの拠点間内線通話、スマートフォンなどの内線端末化、を簡単に実現できることになる。

 「事務所や店舗、倉庫、工場といった拠点を数カ所に持つような企業は少なくありません。こうした企業では、拠点間の電話やファクスなどの連絡が頻繁に行われており、VoIP通話を活用することで電話料金の大幅な削減が期待できるのです」と語る水島氏。そのメリットをオルタナブロガー新倉氏は、こんな川柳で表現した。

ボイプ(VoIP)なら 内線電話で 経費削減

 新倉茂彦の情報セキュリティAtoZ 新倉茂彦氏


 ネットワーク機器を製品として初めて開発・製造・販売することになったブラザーでは、自社の伝統である信頼性の確保に注力したという。ルーターは複数の機能が並行して使われるので、1つの機能が他の機能を阻害することがないよう、ソフトウェアの綿密なチューニングが行われた。また、通信相手との相性もあるため、業務用に使われる主要他社製品とのIPsec相互接続試験なども実施しているという。

 一方、ハードウェア設計の上ではアナログ回路に苦心したという。アナログ部分はVoIP Gatewayに欠かせないが、アナログ回線からのノイズに影響されやすいのが課題だった。しかし、その作り込みを丁寧に行った結果、アナログ電話による内線も問題なく可能になったとのことだ。

 「ネットワーク機器は初めてだったので、評価も大変でした。外来ノイズ対策については、実際に電波塔の下に行き、そこで問題なく動作することを確認する必要があったのですが、現地は山の中。持参した発電機のトラブルもあって、ずいぶん苦労していたようです」(廣野氏)

設定例など情報提供を通じて、どんどん使いやすさを高めていく

 今回のミーティングでは、MIP-3010の各種機能を実際に使えるデモ環境が用意された。また、参加した3名のブロガーは、あらかじめ提供されていたMIP-3010を使って別のデモ環境に接続し、各種機能を試している。この事前のモニター時に各ブロガーがネットワーク設定を正しく行うと、ブラザー社内のファイルサーバーに置かれた「指令」文書を手にできるという仕掛けがなされていた。指令の内容は、「ルーターをテーマにした川柳を作る」というもの。モニター開始から意見交換会まで限られた時間ではあったが、3名とも指令に応えるべく発奮して事前の接続に成功、本記事内で紹介する川柳は、その成果として当日発表されたものだ。それぞれの意見とともに紹介しよう。

 「IPsecの設定などについては、一般の方には難しいと思いますが、インターネット回線につなぐことは普通にできました。マニュアルの用語解説などを、もっと充実させると良いのではないでしょうか」(「てくてくテクネコ」の加藤和幸氏)

 「SIPの設定などでは分かりにくいところがあり、ちょっと大変でしたが、マニュアルを読むこともなく、いきなりつなぐことができました」(「新倉茂彦の情報セキュリティAtoZ」の新倉茂彦氏)

 「WebブラウザからGUI画面で設定できるところが良かったです。自宅と会社のVPN接続をしようとしてつまずきましたので、接続に失敗している状況を調べることができると良いと思いました。他社の業務用ルーターは、設定例などの情報が豊富に提供されているので、それに匹敵する情報提供を期待したいです」(「プログラマー社長のブログ」の小俣光之氏)

 これらの要望に対して、ブラザーではFAQや設定例などを載せたWebページを制作中だという。

 「他社が豊富な設定例を紹介していることは、MIP-3010を販売している協力会社からも聞いています。そこに近付こうと、さまざまな機器との接続設定例や、チューニングなどの情報を、どんどんWebで紹介していくところです」(水島氏)

 また、ブロガーからは、こんな意見もあった。

 ルーターの 苦労を知るのは マニアだけ

 プログラマー社長のブログ 小俣光之氏


 ルーターは一見すると大したことのない箱にしか見えないが、その中ではすごいことをやっていて苦労しているということを一般のユーザーは気づいていないということである。

 設置だけ 今のネットで セキュア通信

 新倉茂彦の情報セキュリティAtoZ 新倉茂彦氏


 「セキュリティが大事とは言うけれど、ユーザーはセキュリティがどれ位のものなのかを意識していないし、実際に知ろうとしても難しい。だから、簡単に設定ができることや、サポート体制が大切でしょう」(新倉氏)

 おそろいの 黒いルーター るーたー兄弟(字余り)

 てくてくテクネコ 加藤和幸氏


 「プリンターと違い、ルーターはトラブルが見えにくいので、信頼性は大事です。そして、『売れるから多くのユーザーが情報を発信し、情報があるから売れる』というサイクルがあります。せっかくいい製品なのですから、ブラザーには、信頼性、耐久性をきちんとアピールしていってほしいですね。その意味では、情報発信に積極的なパワーユーザーなどに使ってもらう機会を増やすのも一案だと思います」(加藤氏)

 これらの提案に、ブラザーは前向きに反応している。水島氏は、こう語った。

 「今回のイベントがまさにその試行といえるでしょうね。今回の成果を踏まえて、もっと新しいことに挑戦していき、ゆくゆくはルーター分野でも『SOHOといえばブラザー』と言われるようにしていきたいと考えています」

 オルタナブロガーが異口同音に提案したのが、MIP-3010の魅力を情報発信することの大切さだった。IPsecが搭載されたのが今年の1月とまだまだスタートしたばかりでもある同製品。これからの動向に注目である。

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提供:ブラザー工業株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2011年4月28日