「uCosminexus Navigation Platform」でコールセンター業務の現場力向上と業務改革を推進オープンミドルウェア・ケーススタディ

uCosminexus Navigation Platformで構築したコールセンターは、自社の業務改善だけでなく新たなビジネスも創出しつつあるという。シンクライアントのパイオニアとして知られるミントウェーブに話を聞いた。

» 2012年03月16日 10時00分 公開
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顧客対応から案件入力までを標準化したい

ミントウェーブ 営業部 副部長 川瀬伸一氏

 シンクライアントシステムのパイオニアとして知られる株式会社 ミントウェーブ(以下、ミントウェーブ)は、株式会社 高岳製作所(以下、高岳製作所)の100%出資子会社として、同社が展開する電力監視制御システムの設計・保守や、電気自動車(EV)向け急速充電器の保守サポートなど幅広い事業を手がけている。EVの本格的な普及に向けて高岳製作所の急速充電器は、全国のサービスエリアや道の駅、ショッピングモールなどを対象に、既に約300台が設置されている。このため保守サポートを担うミントウェーブは、一般利用者向けのサポートセンターを2011年に立ち上げ、全国からの問い合わせに対応する体制を整備。しかし、フロントラインのオペレーターと二次対応を行う保守担当者との情報伝達をより強化しなければならないという課題に直面し、その解決策として注目したのが、株式会社 日立製作所(以下、日立)の「uCosminexus Navigation Platform」(以下、Navigation Platform)であった。

 「コールセンターでは当初、お客さまからの問い合わせに紙のマニュアルで対応していましたが、問い合わせ履歴が十分に残らないため、同じインシデントへの対応スピードや品質にばらつきが出てきました。また、日々機能がブラッシュアップされる急速充電器の対応マニュアルを改編のたびに紙で配布していては運用が重くなってしまいます。さらに、複雑な案件に関してはオペレーターが情報をExcelに入力し、メールで保守担当者にエスカレーションする方法をとっていましたが、バックエンドの案件管理システムに手作業で転記する手間がかかるだけでなく、オペレーターの入力方法も標準化されていなかったため、必要な情報が十分に蓄積・共有できず、サービスへのフィードバックが思うように進まないという課題も出てきました。そこにタイミングよく、日立が提案してくれたのがNavigation Platformでした」と営業部 副部長の川瀬伸一氏はその経緯を振り返りる。

 問い合わせ対応から案件入力までを容易に標準化でき、コンテンツも一斉更新できるシステムを“いち早く低コストに導入したい”という条件に「Navigation Platformはまさにピッタリのソリューションでした」と川瀬氏は話す。

高岳製作所の電気自動車用「急速充電器」

関連システムをJavaで容易に連携

ミントウェーブ 電力システム事業部 PCS東日本グループ 荒井俊成氏

 日立が提供するNavigation Platformは、業務の流れを視覚的にフローチャート化し、操作手順をガイダンスでナビゲートすることで「何をどの順番で行えばいいのか」を見える化するソリューションだ。GUI(Graphical User Interface)操作で作成できる画面エディタを活用し、専用のパレットから部品を選択してキャンパス上に貼り付けるだけで、容易にフローチャート画面を作成できる。ノンプログラミングで画面を作成・編集できるので、業務システム稼働後も業務要件をすばやく、効率よく取り込めるという。また、Javaプログラムを開発することで、既存のツールやシステムと連携することも可能だ。

 Navigation Platformへの手順移行を担当した電力システム事業部 PCS東日本グループの荒井俊成氏は、「最初は紙ベースの手順書をそのまま移行しようと考えていました。しかし、これまでのフローをさらに細分化すれば、お客さまからのイレギュラーな問い合わせやエスカレーション用の案件入力にも、よりきめ細かな対応や指示が行えるのではないかと気づきました。そこで手順のフローを表示させるとともに、これまでのコール対応結果を容易に参照できるような仕組みをつくることで、より効果的に情報を活用することができるようなりました」と話す。

ミントウェーブ ビジネスシステム事業部 ERP推進チーム 中島健氏

 システム連携を担当したビジネスシステム事業部 ERP推進チームの中島健氏は「これまでメールで入手し、案件管理システムに再入力していたインシデント情報を、オペレーターがそのまま画面上からデータベース経由で入力・蓄積できるよう、コールセンターの対応内容を蓄積するデータベースと連携するプラグインを開発しました。入力手順をナビゲートしていく際、過去に受け付けた情報を忘れずに入力できるよう、画面が遷移しても受け付けた情報が常に並行表示できるように工夫しています。使い慣れたJavaで他の業務とも容易に連携できるのは、開発側にとっても非常にうれしい機能です」と、Navigation Platformの柔軟性と開発容易性を高く評価している。

 現在稼働中のフェーズ1では、エンドユーザーが電話をかけながら見ている急速充電器の操作パネルイメージをオペレーター側にも表示することで、直感的な状況理解と問題解決の迅速化を図る画面設計が行われているという。今後はオペレーター教育にも役立つよう、操作パネルのより詳細な表示理解に役立つコンテンツも作成しているとのこと。このように、稼働させながらさまざまな業務の流れや連携できるコンテンツを継続的に拡張・改善できるのもNavigation Platformの特徴だ。

社内の業務改革ツールにもなり得る

ミントウェーブ ビジネスシステム事業部 ERP推進チーム チームリーダー 青木浩氏

 「Navigation Platformを利用した開発過程で分かってきたのが、これはユーザーに対するシステム開発のアプローチをガラリと変える可能性を持っているのではないかということでした」と語るのは、今回の開発とりまとめ役のビジネスシステム事業部 ERP推進チーム チームリーダー 青木浩氏だ。「これまでのシステムは、1つの業務が完了するまでの手順を実装していないため、どうしても操作する際には横にマニュアルを置き、それを見ながらでないと使いこなせないケースがほとんどでした。しかしNavigation Platformをさまざまなシステムに適用すれば、関連システムとの連携も含め、誰でもベテランと同じように業務をスムーズにこなせるようになります。ある意味これは業務改革の基盤にもなり得ます。そこでわれわれは今回開発したコールセンター向けシステムの効果を社内で検証しながら、他のシステムへの展開も検討していきたいと考えています」と青木氏は話す。

コールセンター業務の支援画面例

 Navigation Platformの導入により、既に現場では着実に効果が現れていると荒井氏は評価している。「紙のマニュアルでは対応できなかった高度なオペレーションや回答が、エスカレーションすることなく容易に行えるようになったとオペレーターからの評価は上々です。インシデントの入力もバックエンドでの再入力がなくなるため、業務負担が大幅に軽減でき、本来の情報分析や管理業務に専念できるのではないかと期待しています」(荒井氏)

 今回のシステムを構築したことで、ミントウェーブには同様のコールセンター業務を請け負っている企業からもエンドユーザーからの問い合わせに対応できるコールセンター業務のオファーが来ていると川瀬氏は話す。

 「実際に受注するかどうかは今後の検討課題ですが、Navigation Platformの先行的な活用と開発ノウハウを蓄積できたことで、新たなビジネスチャンスが生まれそうな気配であることは確かです。今後も日立の支援を受けながら、現場力の底上げや新事業の創出などにつなげていきたいですね」と川瀬氏は抱負を話す。

 日立によると、エンドユーザーには使いやすく技術者には開発しやすいインタフェースを提供し幅広いビジネスの全体最適化に貢献するというのが、Navigation Platformのビジョンだという。今後も同社では、Navigation Platformの継続的な機能強化によってミントウェーブの競争力向上とイノベーションの促進をサポートする計画だ。

※本記事は、日立製作所より提供された記事を許諾を得て再構成したものです。



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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2012年4月17日