基幹ストレージを完全無停止でリプレース 日立独自のフラッシュモジュールで処理性能も大幅に向上

民放キー局大手のフジテレビでは、放送に関わるサービスを原則無停止で運用しなくてはならないという。基幹業務システムの刷新に際し、日立製作所の「無停止データ移行ソリューション」を活用してストレージ移行を成功に導いた。

» 2014年02月06日 10時00分 公開
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 開局55周年をむかえたフジテレビジョン(以下、フジテレビ)は、テレビ放送を核に、映画、イベントなどの良質なコンテンツで人々に「夢」を届ける事業を展開しています。同社は、基幹業務システムが稼働するストレージ移行に際し、システムを止めることのない日立の「無停止データ移行ソリューション」を選択。日立独自開発の高速フラッシュモジュールも採用し、システム基盤の信頼性とビジネススピードの加速を両立させました。

導入前の課題:業務サービスを止めずにデータ移行がしたい

大瀧雅彦氏 フジテレビジョン システム業務部長 大瀧雅彦氏

 番組やCMの放送情報を管理する編成営業放送システムは、フジテレビ放送事業の心臓部といえるもの。その統合ストレージ基盤では長年にわたり日立のシステムが採用されてきました。「今回のリプレースでも、その効果について十分な調査と検討を行いました。日立さんのストレージはこれまで故障したことがないなど信頼性を評価し、ハイエンドモデルのHitachi Virtual Storage Platform(以下、VSP)を選びました」と語るのは、システム業務部長の大瀧雅彦氏。

 しかしハードウェア更改にともなうデータ移行については、従来と異なる要件が加わっていました。「放送に関わるサービスは基本的に無停止で運用しています。特にここ数年で業務サーバの統合・仮想化が進んだことで、サービスを停止するための調整作業が非常に困難になってきました。ストレージリプレースにともなうサーバ側でのデバイス構成変更にかかる膨大な手間を考えても、ごく短時間もしくは完全無停止での新たなデータ移行方式が必要だったのです」(大瀧氏)

選定した理由:VSPの機能で完全無停止のデータ移行を実現

小原敏尚氏 フジミック インフラサービスセンター ネットワーク技術部 サブマネージャー 小原敏尚氏

 そこで日立が提案したのが、VSPのID引継ぎ機能によって実現される無停止データ移行ソリューション「Hitachi Nondisruptive Data Migration(以下、NDM)」でした。同機能はサーバがストレージやデバイスを認識するためのID情報を仮想化し、サーバに対して移行元と移行先のストレージを同一に見せかけながら物理的なストレージを切り換えることで、業務システムを停止することなく円滑なデータ移行を実現する仕組みです。

 「最初に日立さんから提案をいただいたときは“本当にそんなことができるのか”と半信半疑でした」と語るのはフジテレビの情報システム開発・運用を担う株式会社フジミックの小原敏尚氏。従来型の移行方式なら、サーバ停止にともなう作業時間が「半日程度はかかっていた」とのこと。しかしNDMの適用でサーバへの事前作業やデバイス再認識作業にかかる時間がゼロになり、作業負担が極小化。業務サービスを停止する必要もなくなりました。

 「万全を期すため、まずは開発系システムを先行移行しました。そこで確認できたいくつかの課題をフィードバックできたことで、本番系ではトラブルなく完全無停止データ移行が完了しました。SEさんはもとより日立のストレージ開発者の方々にも協力していただけたことで、安心して作業を進めることができました」(小原氏)

導入後の効果:高速・大容量のHitachi Accelerated Flashを採用。運用負担軽減と高速処理を両立

海老原亮氏 フジミック インフラサービスセンター ネットワーク技術部 海老原亮氏

 従来ストレージのHitachi Universal Storage Platform Vでも、ストレージ容量の仮想化機能で効率的なディスク運用が行われていました。しかし「ストレージ設計において、HDD搭載数を増やすことでアクセス性能を確保する方法では、性能・容量バランスに課題があり、次期システムは、よりシンプルに運用したいと考えていました」とフジミックの海老原亮氏は振り返ります。

 そこで新ストレージのVSPでは、SAS/NL-SAS※1に加えて日立独自開発の高速・大容量フラッシュモジュール

「Hitachi Accelerated Flash(以下、HAF)」を採用。VSPのストレージ階層仮想化機能「Hitachi Dynamic Tiering(以下、HDT)」を利用することで、アクセス頻度に応じてSAS/NL-SAS/HAFを自動で使い分けることが可能になり、ストレージの性能向上と利用効率向上を実現。これにより、これまで業務システムを構築・追加するたびに必要だった詳細なストレージ性能・容量設計が簡素化でき、システム運用の負担軽減に成功しました。

 「大容量のHAFを採用したことで、統合・仮想化もさらに進み、これまで4筐体あったストレージを1筐体に圧縮できました。また、SAN※2スイッチも3セットを1セットに削減できたことで運用がシンプルになりました」と海老原氏は高く評価。小原氏も「HAFとHDTの連携で処理スピードも速くなり、夜間のデータベース再編成処理が従来の半分の時間に短縮しました」と語ります。「VSPは名実ともに当社の基幹ストレージです。これからも継続的な安定運用を実現していただけると信じています」と語る大瀧氏。その期待に応えるため、今後も日立グループは高信頼・高性能のストレージソリューションによって、フジテレビの基幹業務を力強く支えていきます。

※1 Serial Attached SCSI/Nearline SAS

※2 Storage Area Network

フジテレビが実現したシステム構成

※本記事は、日立製作所より提供された記事を許諾を得て再構成したものです。



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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2014年3月5日