「魅力的な人材を集める」ならば、魅力的なコラボレーション環境を用意せよ企業ソーシャルが変える“環境”とは何なのか

これまで“あ・うん”の呼吸で成り立っていたことが、できなくなる。企業のモバイル化、クラウド化が進み、従業員のワークスタイルが「急激に変化」している。この「新しいワークスタイル」が、なぜ企業にとって重要な意味を持つのか。そして、それを支える企業コラボレーション手段には「どんな要素が必要」なのだろうか。識者二人の対談から「今とこれから」を洗い出し、一緒に考えていこう。

» 2014年12月08日 10時00分 公開
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 朝9時から夕方5時──?。特定のオフィスに出勤して仕事を進める、これまで当たり前だったワークスタイルが「今、急激に変化」しつつある。

 モバイルやクラウドといった新たな企業IT技術の普及、企業と従業員の関係性の変化など、さまざまな要因が後押しとなって、時間や場所を問わず、スマートフォンも含めた多様なデバイスで必要な情報にアクセスし、業務を進めるという新たな働き方が広がり始めているのだ。

photo アイ・ティ・アール(ITR) シニア・アナリストの舘野真人氏(写真=左)と、日本アイ・ビー・エム ソフトウェア事業本部 コラボレーションソリューションズ事業部 第一テクニカルセールス部長の松浦光氏(写真=右)

 この「新しいワークスタイル」が、なぜ企業にとって重要な意味を持つのか。そして、それを支える企業コラボレーション手段にはどんな要素が必要なのか──。長年IT技術と企業の関わり方を分析してきたアイ・ティ・アール(ITR)のシニア・アナリスト 舘野真人氏(以下、舘野氏)と、日本アイ・ビー・エム ソフトウェア事業本部コラボレーションソリューションズ事業部 第一テクニカルセールス部長の松浦光氏(以下、松浦氏)が「これからのワークスタイルのあり方」について掘り下げた。今後、“攻め”の姿勢で事業を成長させるには、どんな考え方が必要か。企業の情報システム担当者へ、さらには自身から経営層へ提言するため、識者二人の対談から「これから」を洗い出し、一緒に考えていこう。

「ワークスタイルの変化」を後押しする要因とは?

舘野 JIPDECとITRが共同で行った『企業IT利活用動向調査2014』では、「社内コミュニケーションの強化を経営課題」としてとらえる経営者が年々増えています(※図1参照)。

 モバイルやソーシャル、クラウドといった技術的変化も大きな要因ですが、もう1つ、企業と社員の関係に大きな変化が起こっていることも重要な要因です。その中で、社員の力、パフォーマンスを最大限に発揮させるために、ITの力で補わなければならないと考える企業が増えています。

photo 図1:重要度が高まる「社内コミュニケーションの強化」(出典:JIPDEC/ITR「企業IT利活用動向調査2014」)

松浦氏 私自身、コラボレーションツールを提唱しつつ、1ユーザーとしても活用しています。朝起きたら自宅でメールや社内SNSをチェックし、緊急のものには返信する。9時出社にはこだわらず、お風呂を掃除したりクリーニングに服を出したりしてから、予定にあわせて駅まで行って電車に乗る……。それぞれのスキマ時間でモバイルを活用し、時にはTwitterなどのソーシャルメディアにもアクセスしながら仕事を進めています。時間換算での労働ではなく、まず「モバイルやソーシャルを使って、どれだけの価値を出せるか」というところがポイントです。

photo 「コラボレーションツールが極めて便利なのは間違いない。ただ、組織として“情報を共有することは是であり、不可欠である”という認識が本当に根付いているかが問われるのではないだろうか」(ITRの舘野氏)

舘野氏 この時に大切なのは、情報共有のためのツールの機能そのものはもちろんですが、それ以上に「企業として、企業コラボレーションこそが重要だ」ととらえる文化を作ることではないでしょうか。

 率直に言ってしまうと、ファイルサーバやメールなどによるこれまでの情報共有と比べて「コラボレーションツールの機能が極めて有用」なのは間違いありません。ただ、組織として「情報を共有することは是であり、不可欠である」という認識が本当に根付いているかが問われるのではないでしょうか。伝統的な「ほう・れん・そう」にとどまらず、同僚同士、時には部署の壁を越えてちょっとした相談ごとを大事にするという認識ということですね。コラボレーションツールにもそれを支える仕組みが必要になるでしょう。

松浦氏 そうですね。しかも、企業が市場の変化のスピードについていこうとするならば、コラボレーションの変化は必然です。例えば、営業力を強化するために外回りを増やすならば、社外からスマートフォンを介してちょっとした報告や内容の確認、コメント追加などの作業くらいはできないと、困ってしまいますよね。また、M&Aや海外拠点への展開、バックオフィス業務の外部委託など、組織としての変化が起こるとどうでしょう。「今まで顔を付き合わせてきた人以外ともやり取りする必要」が生じてきます。

「多様な働き方、新しい働き方を支える仕組み」が求められる

舘野氏 企業がコラボレーションツールを導入する1つのきっかけになった好例があります。フリーアドレス制を導入して、場所の制約を取り払ったケースです。「自席」という概念がなくなることにより、社員同士の関係がシャッフルされる。これによってプレゼンスを押さえ、ちょっとしたコミュニケーションを取れる場をシステム的に用意する必要性が生じたわけです。

松浦氏 東日本大震災も大きなきっかけだったと言えます。計画停電で交通機関も止まった中で、どうすれば業務を継続できるかを考えたはずです。何らかの形でコミュニケーション、コラボレーションできる手段が「必須」になりました。震災前から、我々はリモート環境で働くためのインフラやサービスは提供してきましたが、在宅勤務やノマドワークなど、ビジネスパーソンの働き方がさらに多様化してきつつある現在、「時間に縛られない働き方を支える仕組み」がますます重要になります。

舘野氏 それから「若い人たちの考え方」も考慮しなければなりません。学生の頃からソーシャルメディアやモバイルを使いこなしてきた若い人たちのマインドは、今、30〜40歳代以上の人たちとはちょっと違います。

 若い人たちにとって、ソーシャルでつながることは当たり前です(※図2参照)。彼らは、なぜ会社で密に話さなければならない人とのコミュニケーション手段がないのか、と考えるでしょう。最近の会社は社員寮もなければ、運動会や社員旅行なども少なくなっていると言います。だとすると、会社の中で誰がノウハウを持っているかといった情報がない状態で働くことになります。会社と社員の関係が変化する中、昔ながらの「飲み会」などに代わる手段を会社は提供できているでしょうか。

photo 図2:ソーシャル・テクノロジに対する世代間ギャップ(出典:ITR「ソーシャル・テクノロジに関する意識調査」(2014年5月))

松浦氏 実際に私も、部下が資料を外向けに出すときなどの事前レビューに、ソーシャルツールを役立てています。こちらは「何をやっているのかが見える」。部下側も、私はもちろん「全く違う部署の人からアイデアをもらう」ことができる体制です。今まで“徒弟制度のようなものを通じて行ってきたノウハウの継承”を、今までよりも濃密に、濃厚に、オンラインで行うにはどうすればよいかということですね。

情報共有を越えて、「雰囲気や悩みに気付ける」環境へ

photo 「コラボレーションツールのポイントは何か、それは“やり取りする相手が増える中での生産性向上を支援できる”こと」(日本IBMの松浦氏)

松浦氏 企業ソーシャル──コラボレーションツールのポイントは何かと思いますか? 昔とは異なり、社員だけでなく、グループ会社やパートナー、顧客など、「やり取りする相手が増える中での生産性向上を支援できる」ことです。Eメールのやり取りだけでは、返事が来るまでの待ち時間がボトルネックになり、それが残業時間や効率に直結してしまいます。どうすれば時間をうまく節約できるかという課題に加え、アナリティクスの要素も導入し、仕事の優先順位や付加価値を持たせるIBM Verseという新製品も現在開発しています。

舘野氏 そもそも「Eメールは、ある程度知っている相手に送るもの」です。会社で誰がどういう動きをしているか、誰と誰がどういうやり取りをしているかが「すでに分かっている」ことが前提になるわけですね。そうした前提を整えるための手段として、次世代型のコラボレーション環境はより必要性が高まると思います。

松浦氏 ソーシャルを通じて人やものごとをフォローすることで、その人が何をやっているか、働く環境がどんな雰囲気なのかが浮かんでくる──そんなことをできる仕組みを提供できることになります。

舘野氏 これが進めば、「最近書き込みが減っている、何か困っているんじゃないか」と、何か悩んでいる人を「気付いてあげる」こともできますよね。

 もう1つ、今のコミュニケーション・システムの課題として私が感じていること。それは「他者をほめる仕掛けや仕組みが十分でない」ことです。

 若い人たちに対して、会社としてどういう行動をとるのが望ましいか、そうした規範を伝えることは、デジタルでもできると考えています。具体的には、企業ソーシャルを通じて「ああいう人になりたい」と思われる社内のヒーロー/ヒロインを評価できる仕組みが作り出せれば、より価値が高まるのではないでしょうか。人材育成や教育、評価などの仕組みとも接続するなど、いろいろなシステムや制度を巻き込んで、さらに価値を高めることも可能でしょう。

魅力的な人材を集めたいならば、まず「魅力的なコラボレーション環境」を導入せよ

舘野氏 すでに「週休3日制を導入」した企業があります。その企業は、人材不足が叫ばれる中で、「長時間勤務は難しいけれど、週4日ならば働ける」という優秀な人材を集めているそうです。つまり何を考えてほしいかというと「働き方の選択肢を提示できない組織は、いずれ優秀な人を採用できなくなる」ということです。それには、全ての業務の属人性をなくし、バックアップできるようにするなど、必然的にコラボレーションが求められます。これは、「企業コラボレーションが足を引っ張ると、経営者がやりたい経営ができなくなる」と考えてもらっても構いません。

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松浦氏 今の情報共有の仕組みは「9時から17時まで1カ所で働き、顔を合わせるという前提」に甘えています。魅力的な人材を集めて競争力や付加価値を高めるためには。ここに企業コラボレーション環境がつながってきます。

舘野氏 特に、30代半ばより下の若い人は、働き方についても、ソーシャルの使い方についても「意識に違いがある」のを知ってほしいですね。会社として優秀な若い人たちの力を使いたいならば「そうした人たちが働きやすくない会社は、その時点で競争に負ける」ということになります。その意味でも、コラボレーション環境をしっかり考える必要があると思います。新しい働き方から価値を作っていくということです。

松浦氏 具体的には、何から考えればよいでしょう。例えば情報システム部門は、出張費の削減や会議の効率化など「コスト削減を掲げてスモールスタートを図る」ことからはじめてみてはいかがでしょう。

舘野 現場というのは、今のやり方を大きく変えたがりません。そこで、情報システム部門から「“こんなことに困っていませんか?”と問題発見型の提案」をしてみてもいいはずです。システムだけでなく、フリーアドレスやペーパーレスといった、会社全体の変革にからむプロジェクトを1つのきっかけに、基盤の変革に取り組むのも1つのチャンスになるでしょう。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2015年4月15日

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IBMは部門主導の体系化された社内情報だけに依存せず、現場や個人による情報も積極的に活用することを意図してソーシャル機能を軸とした社内コミュニケーションの仕組みを導入。これによって、情報共有の課題が解決しただけでなく、副次的な効果も表れ始めている。