「ビジネスのデジタル化」を推進するフラッシュストレージ、その進化とは?ITmedia エンタープライズ ソリューションセミナー レポート(2/2 ページ)

» 2016年05月31日 10時00分 公開
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 5月13日に行われたITmedia エンタープライズ ソリューションセミナー「先進企業に学ぶ、個客に寄り添うデジタル化の第一歩はデータ活用基盤の再構築から」では、実際にフラッシュストレージを導入した企業の事例も紹介された。

 登壇したのは資生堂、インテック、ヤフーといずれも有名な大企業だ。彼らは何を考えてフラッシュストレージを導入し、導入によってどのような効果が得られたのか。それぞれの事例を見ていこう。

「全員マーケター」の資生堂を支える“思考を途切れさせない”ITインフラ

photo 資生堂ジャパン ビジネスシステム部担当 石田尚嗣氏

 資生堂ジャパンは、2020年に向けた中長期戦略「VISION 2020」を掲げて事業基盤の再構築に取り組み、その中で全社員が積極的にデータを活用する“全員マーケター”を目標に掲げている。この取り組みを支援するデータ分析の基盤として「IBM Power Systems」と「IBM FlashSystem」を採用した同社ビジネスシステム部の石田尚嗣氏が、その背景や導入効果を説明した。

 旧システムでは、増え続けるデータを処理するのに時間がかかり、それに伴う待ち時間の増加で社員の生産性が低下したり、データが社内の各システムに散在したり、システムが老朽化したりとさまざまな課題を抱えていた。

 その課題を解決するためには、大量のデータを高速に分析し、快適に利用できる環境への切り替えが必要だったと石田氏は話す。「特にトライ&エラーを繰り返しながらも、利用者の思考を途切れさせない環境作りが重要だった」(石田氏)という。

 分析ツールとデータベースは、コストとの兼ね合いから操作に慣れている現行システムを継続利用し、サーバとストレージの更新を検討。そしてデータ処理、並列処理の性能、OLTP処理などをポイントに4社の製品を比較検討し、「IBM Power Systems」と「IBM FlashSystem」の採用を決めた。データ移行のしやすさや、追加開発に柔軟に対応できる拡張性、そして指標を視覚的に見せ、直感的な分析をサポートするダッシュボード機能なども導入の決め手となったという。

 導入の結果、従来比で「数十倍〜数百倍」という高速処理を実現し、これまで抱えていた多くの課題が解決した。「思考を途切らせない環境を構築でき、短時間での深い分析、時間の効率化で次のアクションに向けた思考に集中できるようになった点は大きな効果。今後も資生堂のビジネス変革に貢献するIT基盤を追求していく」と石田氏は結んだ。

社内基幹システムをFlashSystemで構築、バッチ処理時間が12分に

photo インテック 情報システム部 金平剛氏

 システムインテグレーター大手のインテックは、社内情報システムの基盤として、2013年11月に「FlashSystem」と「Storwize V7000」を導入した。同社情報システム部の金平剛氏は、システム設計や導入効果について解説した。

 同社の社内情報システムは、海外拠点を含むグループ会社の計15社、約1万3000人が利用している。基幹系システム、情報系システム、電子メールを一体化したオールインワンのシステムを保有し、現在は「FlashSystem」と「IBM Storwize V7000」で全サーバに対するストレージサービスを提供している。

 システム導入前は、事業拡大や利用者増によってネットワーク負荷は高まる一方で、恒常的なレスポンス悪化により頭を悩ませていたという。さらに、経営ニーズに対して迅速な対応が困難な状態で、同時に、全社事業継続計画(BCP)への対応も要請されていた。

 FlashSystemの導入を決めたのは、実機の確認で効果を検証したとき。「最初は“機械が壊れているんじゃないか?” と思うくらいのスピードを実感できた」と金平氏は当時を振り返る。

 導入後は、平均レスポンスが88%短縮し、利用率が向上して情報活用が活発化したほか、夜間バッチ処理の時間が94分から12分へと短縮したことで、サービス時間を17時間から20時間へと拡大できるなどの効果が認められているという。また、利用者の待ち時間が60%から80%ほど削減され、開発コスト、ハウジングコストが低減したことによるコスト削減効果も大きかったそうだ。

100以上のWebサイトを展開、「Yahoo! JAPAN」を支えるデータベース基盤

photo ヤフー データ&サイエンスソリューション統括本部 データプラットフォーム本部 開発3部 DBMS技術 山本秀平氏

 「Yahoo! JAPAN」として、100を超える多種多様なサービスを運営するヤフーは、継続的なサービス向上を目指してシステムの増強を重ねている。しかし、新サービスの投入やデータ量の急増などによる負荷でI/O処理にボトルネックが生じるなど、ITインフラに課題が出てきており、高速で耐障害性の高いシステムを求めていたという。

 現在、セキュアデータを扱うミッションクリティカルなサービスの基盤として、214のOracleデータベースを運営している同社が、I/O処理のボトルネックやシステムが抱えるストレージ容量の削減といった課題の解決に選んだのは「FlashSystem」だった。

 「新しい基盤に求めた要件は、まず容量が多いこと。そして「PCIe+SSD」構成に引けをとらないスピード、最後にオンラインでのデバイス切り離しに対応できる柔軟性だった」(同社 データ&サイエンスソリューション統括本部 データプラットフォーム本部 開発3部 DBMS技術の山本秀平氏)

 そして、既存の「PCIe+SSD」にNVMe(Non-Volatile Memory Express)とSDSを追加した「PCIe-SSD+NVMe+SDS」構成と、オールフラッシュストレージという2つの方式を検討し、IOPSやSQLの性能、データベース待機イベントなど性能面の比較を行った。ストレージやデータベース、10GbEスイッチに対する障害テストなど、運用面の検証も重ねたそうだ。

 その結果、外付けのFlashSystemは、性能面ではサーバ内部搭載のSSDとほぼ同等の性能を発揮しつつ、耐障害性・運用面では優れた結果を残し、採用を決めたという。特に注目したのは、独自のフラッシュモジュールで縦横に構成されたRAIDによる高耐障害性と「PCIe-SSD+NVMe+SDS」で7台と予測したサーバ台数が2台で済むという集約性だ。また、CTCとIBMによる、24時間365日のサポート体制も決め手となったと山本氏は強調した。


 このように、さまざまな事例を見ていくと、ビジネスのスピードや効率性を追求した先に、ストレージが“ボトルネック”になるケースがあることが分かるだろう。先進的な企業であるほど、その課題と答えに気付き始めている。これからのビジネスを作り出すのに必要なITインフラはどのようなものか。読者の皆さまも、いま一度自社のシステムを見直してみてはいかがだろうか。

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提供:日本アイ・ビー・エム株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2016年6月30日

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