時代の先端を行く映像制作を――ポリゴン・ピクチュアズが「Lenovo NeXtScale System」を採用した理由レンダリング工程を支える高性能サーバ

世界でも有数の歴史と実績を誇るデジタルアニメーションスタジオ、ポリゴン・ピクチュアズ。同社はレンダリング・サーバとして高密度コンピューティング向けの最新プラットフォーム『Lenovo NeXtScale System』を導入。最近ではVR(仮想現実)などの用途でワークステーションを社外に持ち出す必要も出ていることから、モバイル・ワークステーションの導入も検討しているという。

» 2016年08月12日 10時00分 公開
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※本記事は、レノボ・ジャパンのWebページに掲載している導入事例を転載したものです。


3DCG技術の進化と足並みをそろえながらレンダリング・サーバも定期的に更新

 ポリゴン・ピクチュアズは、1983年に創立された世界でも有数の歴史と実績を誇るデジタルアニメーションスタジオです。同社は、創業時から一貫して「誰もやっていないことを 圧倒的なクオリティで 世界に向けて発信していく」ことをミッションとして掲げ、TVシリーズ、映画、ゲーム、展示会、Web、スマートデバイスなど、さまざまなメディアに対応したコンテンツの制作に取り組んでいます。

 同社が手掛けた代表的な作品としては、テレビ界のアカデミー賞とも称されるデイタイム・エミー賞を獲得した『トランスフォーマー プライム』、『スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ』のほか、自社で企画からプロデュース、アニメーション制作までを手掛けた『シドニアの騎士』(静野孔文監督)、そして劇場版三部作に加え2016年1月15日からはアニメイズム枠でのTV放送も開始している最新作『亜人』(瀬下寛之総監督、安藤裕章監督)などがあります。

 同社は、製造業のノウハウを生かした高度な分業体制によって業務の効率化を推し進めており、最大時は30以上の制作プロジェクトが同時に進行します。そして、こうした数多くの映像制作を支えるインフラとして、約400台に及ぶCGワークステーションのほか、レンダリングを専門的に担う130台以上のサーバが稼働しています。

photo ポリゴン・ピクチュアズ 技術部門 執行役員 山森徹氏

 映像の制作工程は多岐にわたりますが、特に強力な演算能力を必要とするのが、モデリングデータから最終的なCG画像へと仕上げていくレンダリング工程です。レンダリングでは、光や影の状態、物体表面の質感などを美しく表現するために膨大な計算処理が行われ、同社ではレンダリング・サーバによる並列処理に加え、クリエイターが帰宅した夜間には、スタジオ内のワークステーションもレンダリングの処理に加わります。

 技術部門 執行役員の山森徹氏は「3DCGの世界は日進月歩ともいえる進化を続けており、映像制作に関わる計算量やデータ量は増加の一途をたどっています。このため、当社は、こうした3DCGの進化と足並みをそろえる形でレンダリング・サーバやワークステーションの定期更新を実施しています。特にレンダリング・サーバに関しては、最新テクノロジーが登場するタイミングを狙いながら、ほぼ毎年の間隔で老朽化したサーバ群を約20〜30台ずつ入れ替えるようにしています。耐用年数はおおむね4年を想定していますので、2〜3年目で制作環境の要求に見合ったスペックを目指し、初年度には少しオーバースペックと感じられるような仕様でサーバを導入しています」と説明しています。

高密度設計のNeXtScale Systemでサーバルームが抱える課題を解消

 ポリゴン・ピクチュアズは、面積や電源環境に制約を持つ社内のサーバルーム内に多数のレンダリング・サーバを設置する関係から、サーバラックへの収容効率に優れたサーバ製品を求めていました。

 このような中で、2013年度に採用したサーバが、高密度コンピューティング向けの最新プラットフォーム『Lenovo NeXtScale System』(導入当時の名称はIBM NeXtScale System)でした。同社は、NeXtScale Systemの採用理由として、1Uラック・サーバの2倍という優れた集積密度のほか、100ボルト電源への対応、徹底した省電力設計、充実したサーバ管理機能、GPU(Graphics Processing Unit)ボードへの対応などを挙げています。

 2013年度のサーバ更新時には、2台の専用シャーシ『NeXtScale System n1200 エンクロージャー』と、これらのシャーシに収納される合計20台のコンピュート・ノード『NeXtScale System nx360 M4』を導入し、Microsoft Windows 7ベースのシステム環境でレンダリング・アプリケーションを稼働させています。

photo 社内サーバルームでは130台以上のサーバがレンダリングを専門に担う
photo ポリゴン・ピクチュアズ テクノロジー部 インフラグループ リーダー 横山義則氏

 システム部 インフラグループ リーダーの横山義則氏は、「当社のビルは一般的なオフィスビルですので、データセンターのように200ボルト電源を潤沢には用意できません。インテル®Xeon®プロセッサーを搭載可能な高密度型サーバで、100ボルト電源への対応、Windows 7に代表されるクライアントOSの動作サポート、将来的なGPUボードの増設といった条件で絞り込んでいくと、最終的にはNeXtScale Systemしか候補が残りませんでした。

 また、社内では制作プロジェクトを管理するWebシステムやデータベース・システム、各種アプリケーションのライセンス・サーバなどが稼働していますが、これらの土台となるサーバ仮想化基盤でもSystem xラック・サーバが採用されています。こうした過去の導入実績もまたレノボ製品の採用を後押ししました」と説明しています。

 同社は、2013年度に導入したNeXtScale Systemの優れた処理能力や信頼性を高く評価し、2014年度のサーバ更新時にもNeXtScale Systemを継続して採用しています。

 山森氏は、その理由を「2013年度にNeXtScale Systemを導入した後に、レノボがIBMのx86サーバ事業を引き継ぐという発表を行いました。当初はこうした事業継承に対して少なからず不安を抱いていましたが、レノボからはIBM時代とまったく変わらない品質と手厚いサポート体制を約束してくれるという話を聞き、レノボへと移行した2014年度にもNeXtScale Systemを採用する決断を下せたのです」と語ります。

 2014年度に導入されたNeXtScale Systemは、2台のNeXtScale System n1200 エンクロージャーと、これらのシャーシに収納される合計20台のコンピュート・ノード『NeXtScale System nx360 M5』から構成されています。NeXtScale System nx360 M5には、心臓部として最新のインテル®Xeon®プロセッサー E5-2600 v3 製品ファミリーが搭載されています。

 インテル®Xeon®プロセッサー E5-2600 v3 製品ファミリーは、最先端の半導体製造技術と独自のマイクロアーキテクチャによって、さらに高い次元で高い処理能力と優れた電力効率を両立した新世代のサーバ向けプロセッサーです。これにより、多数のサーバを組み合わせて強力な演算性能を実現しながらも、徹底した省電力化が同時に求められるレンダリング・サーバにとって最適なプロセッサー製品となります。

『亜人』のリアルなキャラクター表現にも貢献しているNeXtScale System

 ポリゴン・ピクチュアズは、従来型のサーバをNeXtScale Systemへと更新したことで、サーバルームの限られたスペースにレンダリング・サーバを効率よく収容できているほか、サーバ単体のレンダリング性能も従来の2倍以上に向上しています。

 山森氏は、NeXtScale Systemの導入効果について「例えば、最近作の『亜人』では黒い幽霊(IBM:Invisible Black Matter)が登場しますが、当社独自の3DCG技術によって圧巻の迫力と相反する浮遊感を表現し、リアルなキャラクターとして印象づけています。しかし、このIBMには複雑なパーティクル表現が用いられていることから、CG処理の負荷が格段に高まっているのです。このように、ハイクオリティな映像表現を達成する上でもNeXtScale Systemが大きく貢献しています。また、これほどの卓越した処理能力を提供しながら、サーバ本体の待機電力は従来と比べて半分程度にまで抑えられています。当社ほどのサーバ台数になりますと、待機電力が小さいだけでも電力コストの大きな削減につながるのです」と述べています。

photo 約400台のデスクトップ型ワークステーションが日々フル稼働

 次世代のインテル®Xeon®プロセッサーを搭載したサーバ製品は、2016年の前半に登場することが見込まれていますが、同社はそのタイミングにあわせて、老朽化した約20台のレンダリング・サーバを次世代のNeXtScale Systemへと更新することを計画しています。

 また、GPUによるアクセラレーションに対応したレンダリング・アプリケーションも増えていることから、現在稼働中のNeXtScale Systemを含め、エンクロージャー内にGPUボードを増設することも視野に入れています。これからは4Kクラスの高精細な映像を制作する機会も増えてくると予想され、同社はこうした将来のニーズにも柔軟に応えられる制作環境を構築していきます。

 横山氏は、「制作環境のパフォーマンスを改善する方法として、現在注目しているのがLinux版アプリケーションの導入です。当社が利用しているCG関連のアプリケーションにはWindows版とLinux版が用意されていますが、実はLinux版のほうが高いパフォーマンスが得られます。4Kによる映像制作が増えてくると、当社のシステム基盤にも大きなワークロードがかかりますので、少しでも性能面でメリットのあるLinux環境のほうが有利なのです。当社では、既にLinux版の動作検証を進めている段階にあり、2016年に導入を予定しているNeXtScale Systemには、CentOSとLinux版のレンダリング・アプリケーションを搭載することも検討しています」と説明する。

VR用途で外出先に持ち出せるレノボのモバイル・ワークステーションを検討中

 ポリゴン・ピクチュアズでは、最先端の3DCG技術を取り入れた高度な映像制作にも追従していけるように、クリエイターが日々利用しているワークステーションも定期的に更新しています。同社では、約400台のデスクトップ型ワークステーションが稼働していますが、最近では仮想現実(VR)などの用途で外出先でもワークステーションを必要としていることから、今後は外出先にも持ち出しやすいモバイル・ワークステーションの導入を視野に入れています。

 現在、レノボのモバイル・ワークステーション『ThinkPad Pシリーズ』が候補に挙がっており、同社では15.6型の4K液晶ディスプレイ(3840x2160ドット、IPS液晶)であるワークステーション・クラスのモバイルGPUを搭載した『ThinkPad P50』の動作検証を進めているところです。

photo モバイルワークステーション ThinkPad P50を検証中

 横山氏は、「当社では、これまで他社のワークステーションを採用し続けてきましたが、海外のCGスタジオではレノボ製品を採用しているところも多く、当社も次第に興味を抱くようになりました。IBMのPC部門を受け継いだ歴史を考えれば、レノボ製品はIBM IntelliStation M Proシリーズの伝統を受け継いだ高品質モデルとなりますし、レノボならではのスケールメリットを生かしたコスト・パフォーマンスにも期待できます。

 このため、モバイル・ワークステーションという新しい領域でレノボ製品の導入を前向きに検討しているところです。その運用実績によっては、将来的にデスクトップ型モデルでもレノボ製品を取り入れていくという道筋が生まれます。こうしてサーバとワークステーションの双方でレノボ製品が採用されれば、サポート保守の窓口を一本化したり、導入時のコストメリットをさらに高めることも可能になるでしょう」と説明します。

 長期的には、社内のワークステーションを仮想デスクトップ環境(VDI)へと移行する将来像も描いています。

 山森氏は、「制作業務全般でのワークスタイル改革を目指すなら、社内とまったく同じ操作環境でいつでもどこでも業務をこなせるワークステーションのVDI化が理想といえます。CG業界は、社内に置かれた強力なハードウェア基盤を利用しなければ業務そのものが成り立ちませんので、社員のライフスタイルがどうしても会社に束縛されがちです。これに対し、当社は朝に出社して夕方には帰社できるような『働きやすい職場』を目指し、分業体制をとって業務の効率化を進めてきました。

 今後、より良い就労環境をさらに追い求めていく上で、ワークステーションのVDI化が貢献してくれるでしょう。VDI環境を導入すれば、社内と在宅を使い分けて柔軟に働けるようになるほか、妊娠や育児などの理由で時短勤務をしなければならない女性スタッフが、出社をしなくても在宅で業務が行えるようになります。レノボには、当社のワークスタイル改革に向けて、サーバとクライアントの両面でさまざまな支援を引き続きお願いできたらと考えています」と、将来の展望を語ります。

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提供:レノボ・ジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2016年8月30日

NeXtScale System M5

ThinkPad P50