企業内エンドユーザーに必要とされるITリソースとは何か? IBMとレノボの戦略的アライアンスの今[パートナー対談:日本アイ・ビー・エム]今、求められるサービス・インテグレーションという考え方

企業がITに求めている価値とは何だろうか。さまざまなテクノロジー、ソリューションが日進月歩で市場投入され、企業はその情報収集・選定に時間を費やしている現状が否めない。一方で、先進ITによって競合優位性を格段に高められる時代になっていることも確かだ。テクノロジーやリソースの「組み合わせ」ソリューションではなく、顧客のビジネスにフィットしたITをサービスレベルで提供する、いわゆるシステム・インテグレーターからサービス・インテグレーターへの転換を目指すIBM、そして2年前IBMのx86サーバーを事業継承し、ITインフラポートフォリオをハイパーコンバージド・インフラ(HCI)やソフトウエア・ディファインド・ストレージ(SDS)へ急拡大しているLenovo。今回、同じDNAを持つ両社のトップから協業の理由とその可能性を探る。

» 2016年11月25日 10時00分 公開
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この記事は日経BP社の許諾を得て「ITpro Special」(2016年11月11日から掲載)の広告を抜粋したものです。無断転載を禁じます。©日経BP社


進化する「SIer」としての使命。顧客至上主義から生まれた発展形とは?

 今、時代は大きな転換期を迎えようとしている。クラウド、モバイル、ソーシャル、ビッグデータのいわゆる“第3のプラットフォーム”が、製造、流通・小売、金融、サービスなどあらゆる業界のビジネスモデルやバリューチェーンに変革を起こす「デジタルエコノミー」が劇的に進展している。

 これに伴ってコンピューティングの在り方も大きく変わりつつある。これまで企業のITシステムは、「SoR(Systems of Record:従来型の基幹業務システム)」と呼ばれる基幹システムを中心に構築されてきた。もちろん、その重要性は今後も変わることはないが、「企業にこれまでになかった新しい価値や競争優位性をもたらすSoE(Systems of Engagement:新しい個客接点のためのシステム)やSoI(Systems of Insight:新たな考えを創出・獲得するためのシステム)に注目しています」と、日本IBM執行役員の久利建樹氏は話す。

 SoEやSoIといった新しいタイプのシステムを活用していく上で、数年先の将来の拡張を見越した基盤設計や容量見積りなどは困難だ。スモールスタートとアジリティ(俊敏性)を重視しながら、その時々の最新テクノロジーを取り入れていくといった柔軟な対応がこれまで以上に企業およびIT担当部門に求められる。しかし一方で、日々開発される数多くのテクノロジーとソリューションの選択肢と自社の事業戦略を合致させ、ビジネス価値をいかに生み出すITを導入するかが課題となり、「何を基準に選定すべきか」に多くの時間を費やさざるを得ない現状もある。

 そこで求められるのは「顧客至上主義」の提案型ITとなるのは必然的な構図といえる。その課題をいち早く発見し、顧客目線のサービス提供を開始したのがIBM×レノボのアライアンスである。

Photo 日本アイ・ビー・エム株式会社 GTS事業本部 サービスライン 執行役員 久利 建樹 氏

 「IBMは業界全体のデジタルエコノミー化の将来を先取りし、単なるシステム・インテグレーターからハイブリッド・クラウドによる『サービス・インテグレーター』への転換を進めています。一方でレノボはハードウエア専業メーカーとして、先進的なISV(独立系ソフトウエアベンダー)と全方位で手を結べる利点を生かしたエコシステムを拡大しつつ、製品ポートフォリオを拡充しています。このようにポジションが明確になったIBMとレノボはあらゆる案件を高いレベルで提案することが可能となり、協業して提案、設計、導入、保守・運用する体制が整いました。他のアライアンスではなし得ない相乗効果が生まれていることに予想以上に驚いています」と久利氏は話す。

 今までの企業ITはSoRの役割が多かったため、その構造はシンプルだった。今、そしてこれからはそうはいかない。顧客満足はシステム・インテグレーターの業務レベルを超え、さらに強い提案とつながりを求めていることに注視したIBMの中長期的洞察力は興味深い。また、周知のとおりレノボは、IBMからPC事業やx86サーバー事業の移管を受け、グローバル企業へと成長してきたメーカーであり、その意味ではもともと両社は深いつながりを持っている。昨今、この連携が事業の移管前をも上回るようなビジネスの発展性でシナジーを発揮し始めている。企業のIT動向がハイブリット・クラウドをベースとしたサービス利用へとIT戦略を移行し始めているのをとらえ、さらにこのアライアンスは市場に大きなインパクトを与えようとしているのかもしれない。

「サービス」を支える鍵は「次世代ITインフラポートフォリオ」

 IBMが目指すサービス・インテグレーターとは、企業におけるハイブリッド・クラウドの幅広いニーズに対応し、その統合された基盤からIoTやモビリティ、ソーシャル、ビッグデータなどのソリューションをサービスとして提供していくものである。これにより企業は、時間とコストを削減しながら既存のリソースをよりスマートに配分し、ビジネスを推進することが可能となる。かつてない多くのデータに簡単にアクセスしながら洞察を取得し、イノベーションによって市場での競争力を獲得できるのだ。

 こうしたIBMの戦略を支えているのがレノボのITインフラポートフォリオであり、中でも特筆すべきは「次世代ITインフラストラクチャー」アプライアンス製品群だ。

 「企業がIoTやモバイル活用、ソーシャル、ビッグデータなどのSoEやSoIの領域に踏み込んでいくと、そこで蓄積および処理しなければならないデータ量は指数関数的に増えていきます」とレノボ・ジャパンの執行役員専務である安田稔氏が示唆する。

 データ量が急増したからといってIT予算が増えるわけではなく、むしろ経営陣からはコスト削減圧力が高まっているのが実情。かつてのように高価なSAN共有ストレージの追加導入で拡張を図るのはもはや困難だ。「IBMがサービス・インテグレーションを展開していく上で避けられないこの課題に対して、レノボでは、インテル® Xeon® プロセッサーE5-2600 製品ファミリー搭載のSystem xサーバーに『Nutanix』や『CLOUDIAN HyperStore』などのテクノロジーを組み合わせた製品ポートフォリオで貢献できればと考えています」と安田氏は語る。これらがレノボの誇る「次世代ITインフラ」製品群だ。

 Nutanixとは、レノボとエンジニアレベルでの深い協業関係にある米国ニュータニックスが開発・提供しているHCI(ハイパーコンバージド・インフラ)製品だ。サーバーに内蔵されたストレージ機能やネットワーク機能をソフトウエアによってプール化する。これにより単純にサーバーをスケールアウトするだけで、コンピューティングのパワーと共にストレージ容量をリニアに拡張することが可能となる。必要最小限のノードから迅速にスモールスタートするとともに、不確実性の高い新規ビジネスにチャンレンジする際のリスクを最小限に抑えられる。

Photo レノボ・ジャパン株式会社 執行役員専務 安田 稔 氏

 一方のCLOUDIAN HyperStoreも同様にレノボと協業関係にあるクラウディアンが開発・提供しているソリューションで、こちらはSDS(Software-Defined Storage)をベースとしたオブジェクトストレージ製品となる。最小2台のサーバー構成から運用を開始し、数ペタバイトまで柔軟にストレージ容量を拡張できるのが特長だ。また、複数データセンターにデータを地域分散するマルチデータセンター機能やAmazon S3 APIに準拠したクラウドサービスへのデータ自動階層化にも対応し、ハイブリッド・クラウド環境を容易に構築できる。レノボはこのCLOUDIAN HyperStoreを工場出荷段階からSystem xサーバーに搭載し、グローバル規模のサポートを提供する「Lenovo StorSelect」プログラムを開始している。

 「NutanixやCLOUDIAN HyperStoreといった最先端のテクノロジーが、IBMにおける今後のサービス開発・提案の強力な武器になることは言うまでもありません」と、久利氏も大きな期待を寄せている。

「IBM×レノボ」を選択する理由は“信頼性” 顧客が期待する先を読む

 実際、IBMとレノボの協働ビジネスは、多方面で大きな成果を上げている。

 「アウトソーシング領域でお客様に提供するサービスを支えるバックエンドのリソースとして、レノボのSystem xサーバーを大量に活用しています。また、社内やグループ企業に向けてITをサービス化するプライベート・クラウド基盤を構築したいという金融機関のニーズに対しても、System xサーバーをベースにアーキテクチャーを構築しました。このようにIBMとレノボの協業は、業界・業種を問わず拡大しています」と、久利氏は語る。

 さらに今後に向けて期待が高まっているのが、ワークスタイル変革を目的としたモバイル活用やVDI(仮想デスクトップ)のサービス化である。これらの施策は、最初は企画や開発部門などの限定的なユーザーから導入を開始し、段階的に全社規模に拡大していくのが一般的である。

 IBMとレノボは、今後このアライアンスをどのように発展させていく考えなのだろうか。両社が普遍的な価値として位置づけているのは“信頼性”だ。

 デジタルエコノミーが進展する中、今やあらゆるITサービスが24時間365日稼働し続けることが前提となりつつある。裏を返せば、万が一障害が発生してITサービスが停止した場合、ビジネスに対して計り知れない影響を与えてしまう恐れがある。

 x86サーバーはもはやコモディティ製品なのだから、どのベンダーを選んでも同じという考え方もあるかもしれない。しかし、緊急事態の保守サービス体制まで考慮すると、実際には価格には表れない大きな格差がある。

 x86サーバー事業がレノボに移管された現在も、全国30カ所のストックセンターから24時間365日配送可能なパーツ・ロジスティクス体制、全国72カ所のIBMサービス拠点に配置された技術員など、IBMの保守サービスはそのまま引き継がれている。「System xサーバーを熟知し、豊富な開発経験や運用経験を有するエンジニアがIBM側にもレノボ側にも多数在籍しており、日常的に情報交換を行っています。そうした中で磨かれていく信頼性こそが、お客様がIBM×レノボに寄せている最大の期待であり、価値の源泉であると認識しています」と安田氏は語る。

 この基本スタンスを今後もアライアンスを通じて発展させていく先に、デジタルエコノミー時代の新たなサービス・インテグレーションが創出されていくはずだ。

Photo 「デジタルエコノミー時代に協業の相乗効果で結果を出していきたい」と、久利氏と安田氏

パートナープロフィール

社名:日本アイ・ビー・エム株式会社

本社所在地:東京都中央区日本橋箱崎町19-21

設立:1937年6月17日

資本金:1353億円

事業内容:情報システムに関わる製品、サービスの提供

URL:http://www.ibm.com/jp-ja/


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URL:http://www.lenovojp.com/business/product/server/

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メールアドレス:hojin_jp@lenovo.com


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提供:レノボ・ジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2016年12月31日