こんなところにも顔認証 広がる活用シーン

NECの顔認証技術を利用するシーンが徐々に広がっている。「顔認証システム導入セット」という便利なパッケージがあることに加え、さまざまなソリューションと組み合わせることで、活用の幅が広がってきているのがポイントだ。

» 2017年08月30日 10時00分 公開
[PR/ITmedia]
PR

 生体認証技術が注目されるようになったのは少し前からだが、ここ数年で本格的な普及が始まっている。パスワードや暗証番号のように、「忘れてしまう」という心配がなく、鍵やICカードのように「紛失してしまう」というリスクもないため、利便性が高いからだ。なかでも精度が高く、特別な操作が不要な顔認証は、近年活用の幅を大きく広げつつある。

 「カメラに写った人物の顔を判定する」と聞くと、入退室管理などの用途を思い浮かべる人が多いだろう。実際、顔を認証してドアの解錠をする、特定の人物の顔を検出・照合した場合に通知を出す、といった高いセキュリティが求められる分野では、導入事例も多い。

 だが、それ以外にも、幅広い分野で利用が進んでいる。NECが持つ顔認証技術は、世界No.1(※1)の精度・速度を誇り、その高い認証精度を生かして、多くの人の中から特定の人を見つけ出すサービスや、他のソリューションと組み合わせた新しい形での活用方法が生まれている。

※1 米国政府機関主催のコンテストの結果。詳細はhttp://jpn.nec.com/physicalsecurity/technology/facerecognition_technology.html参照


顔認証デモ 顔認証システム導入セット(顔認証ソフトウェアがインストールされたサーバ)1台に、カメラ1台、ディスプレイ1台の構成で行った顔認証のデモ。
ドアを開けて入ってくる人を認識し、登録済みの人を認識したら赤枠で、未登録の人を認識したら緑枠で表示。最大5人まで同時に認識でき、LEDライトやメールシステムなどと連携させて、未登録の人が通ったときだけアラートを出す、といったこともできる
タブレットを使った顔認証では、タブレットの前に立った人の顔を瞬時に認識する。ドアのロックなどと連携させ、認証できた人のときだけ鍵を開けたりできる

顔認証を使うと何が変わるのか

 ベーシックな顔認証ソリューションであれば、コンパクトなサーバに顔認証ソフトウェアがあらかじめインストールされている「顔認証システム導入セット」で容易に導入可能だ。出入り口付近にカメラを設置すれば、カメラで検出した顔情報をデータベースと照合し、その結果に合わせてアラートを発したり、ドアを解錠したりといった仕組みが簡単に構築できる。

 入退室の管理にICカードを用いている施設は多いが、ICカードはあくまでもカードを認証するものなので、カードさえあれば本人でなくても使えてしまうという問題がある。また紛失のリスクや、カードを持参するのを忘れてしまう可能性もある。

 これが顔認証の場合には、カメラもしくはカメラ付きのタブレットを設置し、顔認証システム導入セットと連携させることで、より厳密な本人確認が可能だ。なりすましができないのはもちろん、カードのようになくしたり忘れたりする心配もなく、両手がふさがっていても困らないといった特徴がある。ICカードの管理コストがかからないのもポイントだ。

 顔情報の登録は、事前に用意した写真から行えるのはもちろん、その場で撮影したり、管理ソフト上に表示されたログから顔情報をダブルクリックして必要事項を入力したりするだけでもすぐに可能だ。一時的に入場する人を、受付などで入館時に登録し、退出後削除するといったオペレーションにも対応できる。

顔認証のログから画像を選択すると、簡単に登録作業が行える 顔認証のログから画像を選択すると、簡単に登録作業が行える
画像をダブルクリックして必要情報をその場で入力すればOK 画像をダブルクリックして必要情報をその場で入力すればOK

 例えば病院の薬品管理庫や企業のサーバルーム、個人情報を管理する部屋など、より高レベルのセキュリティ確保が必要な部屋への入退管理では、顔認証システムを導入する利点が大きい。認証時のログに顔の写真が残るため、いつ、誰が部屋に入ったかが一目瞭然だからだ。ID番号などと照合する必要がなく、周囲に不審な人物が写っていないかも確認できる。

 導入前には、「認証の精度はどれくらいなのか」「登録人数が多いと認証に時間がかかるのではないか?」といった疑問が必ず挙がるというが、顔は正面であれば96.9%(※2)の精度で検出し、1秒あたり302万人(※2)の検索速度で照合できる。待たされるという感覚はほとんど抱かないレベルのスピードだ。メガネをかけた状態でも、問題なく顔は認証できる。

 顔認証では安全性を確保しつつ、ストレスのない利用が可能だ。実際に導入した病院では、管理が容易になるだけでなく、「荷物を持って移動するようなケースでも、カードをかざしたりする必要がないので便利」といったユーザーの声もあるという。またフィットネスジムでも、「会員証を常時携帯しなくてよく、忘れる心配もないので楽でいい」と歓迎の声が挙がっているそうだ。

 このほか工場などでは、認証のためにいちいち手袋を外す手間が省ける、異物混入やストラップの巻き込み事故などが防げる、といった理由で採用されることもある。

 またユニークな活用例として、大学の学生の出席管理にWindowsタブレットを利用しようという動きもある。タブレットで顔を認証するので、本人が出席していることを確認できる。紙に名前を書くような出席の取り方とは違い、「代返」(代理で返事をすること)ができなくなるわけだ。

業務量の削減など、高度な活用事例も

 入退室の管理だけでなく、多忙な職場における業務効率化の手段として顔認証を利用している事例も出てきた。例えば介護施設では、誰も気付かない間に、認知症を患った入居者が施設から出て行ってしまったりするケースがあるが、これを未然に防ぐような取り組みにも活用されている。

 この施設では、ドアにセンサーを付けて、不意に出て行ってしまう入居者に対応するといったことをしていたが、出入りする全ての人に反応してしまうため、職員が業務の手を止めて玄関を見にいくような仕事が頻繁にあったという。しかし顔認証システムと通知の仕組みを導入したことで、不必要に出入り口を確認する回数が減った。また外出した時間などもログから確認できるので、仕事を中断することが減り、業務量も減少したという。

 この機能を応用すると、特定の人物の来訪等を確認することも可能なので、例えば家族や知人などに顔情報を登録してもらえば、その人が来訪した際に通知をする、といったこともできる。また、出入り口の電子錠と連携させれば、顔情報を登録している人が訪問した時だけ解錠することも可能だ。

 この仕組みは店舗などでも応用できる。事前に本人の許可を得て顔情報を登録することで、常連客の来訪時にスムーズに案内をしたり、VIPの来店時に関係者に通知を出したりといったサービスの向上、いわゆる“おもてなし”に使うこともできる。

 また、高いセキュリティを実現するため、顔認証に加えてもう1つ、カメレオンコードを併用して、2要素認証を実現した例もある。カメレオンコードは、顔認証で使用するカメラを使って認証ができるため専用の機器を必要としない。新たな工事も不要でセキュリティレベルを上げることが可能な点も魅力と言えるだろう。

カメレオンコード カメレオンコードは、色の配列で情報を表示する、高速・高精度の複数認証が可能なカラーバーコード。市販のプリンタで出力できる

さまざまなソリューションを組み合わせた、新たな活用フィールドが登場

 入退室管理や顔認証による業務の効率化のような、分かりやすい活用事例のほかに、他のソリューションと組み合わせてより便利にする、あるいはより高いセキュリティを実現する、そんなシーンも増えている。事例を3つ紹介しよう。

 1つ目は顔認証に勤怠管理を組み合わせたソリューションだ。顔認証システムによる入退管理のデータを勤怠管理へ連携させることで、勤怠打刻忘れやなりすましによる代理打刻の不正を防げるほか、ICカードの発行や再発行にかかる運用コストの削減も見込める。このソリューションは、「奉行シリーズ」を販売するOBC社の「OMSS+ 勤怠管理サービス」と組み合わせて利用できるので、従業員の労働時間管理に頭を悩ませている企業などにお勧めだ。入退室時刻を出退勤時刻として勤怠に打刻する用途のほかに、入退室時刻と従業員本人が申告した出退勤時刻の乖離(かいり)時間を管理する用途も可能で、労働基準法違反のリスク低減にも活用できる。

 2つ目は、顔認証システムにサーマル検疫カメラを組み合わせるソリューション。MOBOTIX JAPAN社製のサーマルカメラで人物を検出・照合すると同時に、その人の体温も計測できるものだ。例えば食品加工工場などで、発熱していてインフルエンザ発症の可能性がある人を就業前に特定でき、衛生上のリスク低減が可能になる。また、高齢者や乳幼児が多くいる環境では、感染拡大の抑制につなげることもできる。

 3つ目は、顔認証システムと映像管理を組み合わせたソリューションである。顔認証システム導入セットは、店舗や施設などで24時間映像を録画・管理する「ビデオマネジメントシステム(VMS)」をオプション化しており、こうしたソリューションも容易に導入可能だ。VMS市場でトップシェア(※3)の映像管理ソフトウェアMilestone XProtect® Expressのマップ機能を利用して、顔認証用カメラのコントロールや録画のほか、スマートフォンなどからのモニタリングなど豊富な機能を利用できる。また、顔認証との連携機能により、例えば商業施設で膨大な映像データの中から、迷子になった子供が録画されている時間の映像を探し、迷子を早く見つけ出すなど、録画された映像の中から、特定の人物の顔を検出することもできる。

※3 オープンプラットフォームIPビデオマネージメントソフトウエア分野において9年連続でトップシェア。
【出典】IMSリサーチ社(IHS)「World Market for CCTV and Video Surveillance Equipment(2016)」


ログの中から顔を選択すると、その人物が映っているシーンを簡単に呼び出せる ログの中から顔を選択すると、その人物が映っているシーンを簡単に呼び出せる

 また顔認証システム導入セットのオプションには、「FieldAnalystオプション」も用意されており、こちらはカメラで撮影した映像から人物を抽出し、人数を数えたり、性別や年齢を推定したりといった、マーケティング用途に活用することもできる。

 例えば「FieldAnalystオプション for Gate」は、小売店の来客を分析し、属性などをリアルタイムで把握できるシステム。人数や客層を定量的に把握した上で商品ラインアップの検討をする、あるいはイベントなどで客層の変化を確認するといった活用方法がある。また、推定結果のデータをサイボウズ社の「kintone」に取り込み、OBC社やPCA社の販売管理システムの売り上げ情報とともに情報を集約して一元的に可視化するソリューションも構築可能だ。

 「FieldAnalystオプション for Signage」では、デジタルサイネージのコンテンツを、サイネージの前に立った人物の属性に合わせたものに切り替えたり、コンテンツを再生した後、視聴者の笑顔度などを判定して評判を推測したりできる。例えば旅行代理店などでデジタルチラシの配布をする際に活用したり、イベントで視聴者に合わせたクーポンを配信したりできる。


 現状、顔認証と聞くと、入退室管理などのありがちな用途を思い浮かべるかもしれないが、実はさまざまなソリューションと組み合わせることで、応用の範囲が広がる技術なのだ。個人を一目で特定しやすい上に、運用の自由度も高い「顔」を生かす技術。その可能性は、これからさらに進化していくだろう。

※本製品によりカメラ撮影した特定の個人を識別できる画像データは個人情報に該当します。プライバシーに配慮するとともに、個人情報保護法その他の法令および規則、ガイドラインなどに沿ってご利用ください。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:日本電気株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2017年9月30日