ITコスト削減、ひいてはコスト最適化策として、業界を問わず利用が進められてきた第三者保守。裾野はシステムに高い信頼性を求める都銀、さらに地銀にも広がりを見せている。そのリーダーと言えるのが、第三者保守事業者の先駆けであるデータライブだ。
IT活用に先進的なことで知られる金融業界。中でも銀行は顧客が他業界より圧倒的に多く、システムと業務が密連携していることもあり、その歴史は長く、規模も大きい。同時に、業務内容からシステム整備や運用において、安定性や信頼性に極めてシビアなことでも知られている。
そんな銀行のIT投資の在り方が、今、大きな転換点を迎えている。具体的には、ベンダーに代わる第三者がハードウェアの安定稼働を支援する第三者保守によって、保守期限切れ(EOS/EOSL)を機にシステムを再整備する従来の投資サイクルを見直す動きが急速に顕在化しているのだ。
発端は、リーマンショックまでさかのぼる。「その結果、IT予算が大幅削減され、多くの都市銀行(都銀)が本来は“抜け道”であった第三者保守を利用せざるを得なくなりました。しかし、いざ使ってみると、システムの巨大さゆえにシステム延伸によるコスト削減効果が大きく、その認知が経営層にも広がったことで、継続採用に切り替えるケースが相次いでいるのです」と解説するのは、国内の第三者保守事業者の先駆けであるデータライブで代表取締役を務める山田和人氏である。
銀行の中でも、都銀はいち早くグローバル競争の荒波にさらされたことも大きい。そうした中で勝ち抜くには“攻め”の施策が鍵を握り、第三者保守はその原資を確保するための手段として極めて有効だからだ。
「当初は開発/検証環境から利用が始まりましたが、今では本番環境にも利用されています。これはすなわち、IT投資の最適化策として第三者保守が銀行で現場に根を下ろしつつある証なのです」(山田氏)
データライブは2年前から、銀行への営業活動を開始。ハイタッチ営業により第三者保守のメリットを訴求することで、都銀における知名度はすでに同社の目標水準を越えているという。この点を踏まえ、同社が新たに認知してもらいたいと考えているのが地方銀行(地銀)だ。
そこには確固たる理由もある。地方圏を中心とした人口減少などによる地銀の競争環境の変化がそれだ。金融システムの現状と展望について日銀が今年3月に発表したレポートでも、その点が指摘されており、首都圏への窓口やATMの設置に加え、今後はビットコインなどの仮想通貨や人工知能(AI)による投資アドバイスなど、いわゆるFinTechによる差別化競争の激化がほぼ確実視されている。
そうした中、注目すべきなのが、都銀をはじめとする顧客の要望から生まれた、データライブならではの独自サービスだ。
冒頭に述べた通り、銀行はシステムに極めてシビアなことから、運用の見直しに対する抵抗感も根強い。また、システム整備や運用を担ってきた、銀行のパートナーであるベンダーやSIerも、保守運用業務が奪われる懸念から、第三者保守の採用には後ろ向きだ。そうした中、データライブではパートナー企業との協業のためのサービスモデルを開発。その1つが、専用施設で厳密に検証した、高品質な交換パーツの提供を保証し、保守作業自体はベンダーが行う「パーツ保守サービス」だ。
「パーツ保守サービスであれば、銀行は長らく運用を続けてきたベンダーを変える必要がなく、安心して第三者保守へ切り替えられます。またベンダーも、保守切れによって交換パーツの在庫がない状況でも、銀行の要請に柔軟に応えることが可能です。つまり、パーツ保守サービスは関係企業すべてにメリットのある仕組みと言えるのです」(山田氏)
先に統廃合が進んだ都銀では、継続採用されなかったベンダーのシステムを、十分に保守できない状況が一部で生じていたと山田氏。そうした中、データライブは都銀とベンダーの双方の依頼によって、保守を引き継いだ経験が幾度もある。パーツ保守サービスは、そこでの試行錯誤を基に、第三者保守をより柔軟に利用してもらうために生み出されたもの。データライブによる交換パーツの調達以外に、企業が管理していた各種部材を購入し、検証後に改めて提供するなど、サービスの提供手法も複数の中から自由に選択できる。対象となるハードウェアは第三者保守と同じく、サーバとストレージ、ネットワーク機器のすべてだ。
加えて同社では、さまざまな業界での実績をさらに積み増し、第三者保守での信頼をさらに強固なものとすることでも、地銀のIT戦略を支えたい考え。その点では、すでに銀行と同様、運用品質に厳しい通信業界でも大規模システムを担当するなど、顧客への貢献度が上がっている点も注目に値する。
山田氏は、「第三者保守はシステムにまつわる各種の“縛り”から脱却する手法としても有効です」と言及するが、ひいては、企業が主体的にIT投資計画を策定することが可能となり、経営判断をシステムへより確実に反映できるようになる。あらゆる業界で競争が激化する中、データライブが今後、より大きな役割を果たすことに異論をはさむ余地はなさそうだ。
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提供:データライブ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2017年9月28日