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» 2018年09月19日 10時00分 公開

「脱Excel」はもう古い!? リクルートのTableau活用はここまで進化している

BIプラットフォーム「Tableau」を早くから導入し、分析業務のスピードアップを図ってきたリクルートライフスタイル。最近では、用途やユーザーも広がっており、機械学習などを手掛けるデータサイエンティストもTableauを活用しているのだという。

[PR/ITmedia]
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 AIやIoTなどのトレンドもあり、企業内でデータを分析し、活用しようという機運は高まり続けている。しかし、その意気とは裏腹に、分析を行う人間のリソースは全く追い付いていないのが現状だ。

 データは増え続けているのに、それを分析できない――この需要と供給のギャップに悩む企業は少なくない。旅行情報サイト「じゃらん」、飲食店予約・グルメ情報サイト「ホットペッパーグルメ」、0円で簡単に使えるPOSレジアプリ「Airレジ」といった事業を展開するリクルートライフスタイルも、かつてはそんな1社だった。

 同社の状況が大きく変わったのは、BIプラットフォーム「Tableau」を導入してからだ。これまでは、分析の専門チームに業務部門からの依頼が集中していたが、Tableauの導入で、ユーザー部門のスタッフが自らデータ分析を行うようになり、従来、Excelに頼っていた分析業務の生産性が飛躍的に向上した。さらに、顧客向けサービスにおける新たな分析もできるようになったという。

 Tableauによって、今では多くの社員にデータ分析の文化が浸透し、その使われ方も徐々に変わりつつあるというリクルートライフスタイル。それと同時に、さらなる活用に向けた課題も見えてきた。

営業でもTableauをフル活用、データドリブンなコンサルティングができるように

photo リクルートライフスタイル ネットビジネス本部 データプロダクトストラテジスト 前田周輝さん

 「Tableauを使い続けたことで大きく変わったのは、用途が増えているということです。使い始めたころは、現状を把握する“可視化”に重点を置き、Excelでできていたことを高速化する目的で使われることも多かったのですが、今では可視化をした結果、具体的にどのようなアクションを起こすのか、といった部分に重点がシフトしています」

 こう話すのは、同社でTableauの導入を進めた前田周輝さんだ。現在は導入を主導する部分から離れ、データサイエンティストと共に、各事業部のメンバーと協力してデータ分析でビジネス課題を解決することをミッションとしている。

 用途が広がったことで、Tableauを活用する部署やシーンも大きく広がった。導入当初はマーケティング部門やWebサイトのパフォーマンスを管理する部署がユーザーの中心だったが、今では営業や人事なども使うようになっており、ライセンス数も「数百単位」にまで増えたという。

 「営業部門のスタッフから言われてうれしかったのが、クライアントへの説明にTableauを活用しているという話です。新たな提案をする際にも、データの裏付けをもって営業トークを組み立てられる。われわれの媒体に広告を掲載いただいたときのパフォーマンスなど、Tableauのチャートを持参し、データドリブンなコンサルティングのようなことも行えるようになったと聞きます。このほか、営業をどのクライアントに注力させるかという優先順位付けにも使っているそうです」(前田さん)

 活用の幅が広がれば、それだけユーザーからのニーズも増えていく。そのため、同社ではTableauで使えるデータセットにSalesforceのデータを追加するなど、データを充実させるための地道な施策も続けてきた。そして2016年には、営業向けのデータを統合し、品質管理や運用を専門で行う“データガバナンスチーム”が生まれた。

photo 営業がクライアントに見せるレポートの一例。Tableauのダッシュボードを基に作成しており、クライアントのWebページを閲覧、予約している客の属性や、そのクライアントの強みや弱みといった要素を可視化しているという

Tableau活用を経て、データガバナンスと教育に投資するフェーズに

 データガバナンスチームに所属している人数は「数十人」という。データ素材を加工し、安定した品質で業務部門に提供することがミッションであり、「このデータは何月から使えるようになります」「このデータは欠損があったので、危ないので使わないでください」といった細かなアナウンスまで行っているという。

 「セルフサービスにおけるデータとBIツールは、よく食材と包丁に例えられますが、自分で下ごしらえから盛り付けまで全てやってください、というのは酷な面があります。ある程度の加工をして、冷蔵庫に入れておくチームが必要だと考えています。あとはちょっとしたレシピがあれば、誰でも料理ができる状態、それがベストですね」(前田さん)

 ガバナンスチームの役割はデータ素材の管理だけではない。他社から新たなデータを買い付けるといった部分の窓口も担うことになる。データを作る部署を一本化することで、社内にデータが分散することを防げるのだ。Tableauの導入を経て、またデータの価値を高めるデータガバナンスの重要性を再認識し、正式に組織化したという経緯がある。

 データ素材の価値を高め、それを使い、そしてまたデータ素材の価値を高めていく――。こうしたサイクルを繰り返す中で、企業におけるデータ活用のレベルが上がっていくわけだ。

 最近では、データガバナンスチームが、受講者のレベルと担当事業ごとにカスタマイズした学習コンテンツを社内Wikiに集約し、分析技術レベルの底上げができる環境が整いつつあるそうだ。対面での研修に加え、3分前後の動画コンテンツなど、SQLとTableauの初心者が担当事業での分析を自分自身で実践できるよう、サポートを強化している。さらにリクルートグループ全体でTableauのユーザーグループを作っており、情報交換や勉強会を開催しているという。

 「Web上などにもTableauを勉強するためのコンテンツはありますが、そういうものは大抵ごく一般的なデータを素材に使っているんです。しかし、それではなかなか自分ごとになりにくい。弊社で作っているのは、自社で持っているデータを使ったトレーニングコンテンツです。この一工夫があるだけで、興味を持つ人の数は増えます。導入当初はここまでのサポートはありませんでした。この点は大きく進化しましたね」(前田さん)

データサイエンティストは、Tableauをどう使っている?

photo リクルートライフスタイル ネットビジネス本部 徳永竣亮さん

 前田さんのチームでは最近、データサイエンティストを中心に、機械学習をビジネスに活用するための相談を受けることが多いそうだ。こうした高度な案件においても、Tableauが活躍しているという。一般的にBIはデータ分析のハードルを下げる、業務部門向けのツールというイメージも持たれがちだが、彼らデータサイエンティストはどのようにTableauを使っているのだろうか。サイエンティストの一人、徳永竣亮さんはこう話す。

 「最近では、レコメンドのロジックに深層学習を使うというパターンが増えてきました。そのレポーティングをTableauで行うことは多いですね。また、機械学習のモデル作成においても、Tableauを用いると特徴量の探索が容易になるのもうれしい点です。SQLクエリを書いてデータを作って、そこからコーディングして可視化するためのグラフを作って……といった作業をすると、そこまでで膨大な時間を使ってしまって、検証するための仮説を考える時間がなくなってしまいますし」(徳永さん)

photo リクルートライフスタイル ネットビジネス本部 加藤広大さん

 同じくデータサイエンティストとして案件に当たる加藤広大さんは、ノンコーディングで高速にデータの解析ができることに加え、営業部門とのコミュニケーションツールとしての価値に注目している。

 「僕たちがどんなことを考えて仮説を出したのか、仮説を提案・検証するためにどんなデータを使ったのか、得られた知見がどう案件につながるか、といったことを、ビジネスサイドの人たちや営業部門の方など、全員に分かる形で共有するのは意外と難しいのです。Tableauであれば、案件に関わる人全員の共通ツールとして説明や議論ができるため、理解が得られやすい。『これは案件につながりそう』とか『改善が見込めそう』といったポイントを、効果的に共有するための“共通言語”になり得る点は、大きな価値だと思います」(加藤さん)

 ビジネス課題をデータ解析で解決しようとする場合、そもそも課題の設定が正しいか、解決手法は実情に合ったものであるか、現実的なものかといった“目線合わせ”を関係者全員で行うことが必須だ。それがなければ、意味のない分析を繰り返したり、結論として出した施策がビジネスの観点で意味がないものになったりしかねない。

 「これまでも“目線合わせ”で失敗した案件は少なくありません。データサイエンティストやエンジニアは、現場の人間と比べて、事業の経験や知識がどうしても少なくなってしまい、ともすれば独りよがりな分析になってしまいがちです。事業側が本当に抱えている課題はどこにあるのか。グラフやビジュアルなどを使って意思疎通をすると、解決したいポイントが見えやすくなります。

 そこまで導けて初めて、『機械学習や予測モデルを活用する』という話になるのです。データサイエンティストだけで解決できる問題というのはなく、営業からのアイデアや、場合によってはデザイナーの知見が必要なこともある。多くの人から意見をもらいながらやる方が成功率は上がります。仮に失敗しても、そこで得られたノウハウと検証された仮説が大きな価値になるのです。時にその価値は、単に施策が成功したかどうかよりも大きなものになります」(前田さん)

変化への不安を解消するために「データ」はある

 今までデータになじみがなかった部署から、データサイエンティストまでTableauを使うようになり、組織全体に“データドリブン”の風土が浸透しつつあるリクルート。今後も、誰もがデータを扱えるようにする「データの民主化」を目指し、ユーザーへのトレーニングをさらに強化していく考えだ。

 「先ほど、ユーザーが使いやすいよう、データ素材をあらかじめ準備しておくことの重要性を料理に例えました。素材の提供については、ガバナンスチームががんばって運用してくれています。次は料理のレシピ――つまり『これらのデータ素材を活用すればこんなアウトプットができますよ』『ユーザー自身でこのような行と列のデータを準備して加えればこんな分析も可能ですよ』という例を作っていかなければならない。もちろん、ユーザー自身が試行錯誤をするのもいいのですが、それでは時間がかかりすぎてしまうことが多いのです。これらのレシピが充実してセルフ分析の成熟度がさらに上がれば、データドリブンな意思決定が今以上に加速すると思います」(前田さん)

 このデータの民主化が進んだ先には、「アクションを起こすことで自らを変える」組織にしていくという目標があると前田さんは話す。データを可視化するだけではなく、アクションにつなげることで初めて価値になる――リクルートライフスタイルの事例からは、データに基づいた価値の創造に愚直に取り組む姿勢が見えてくる。多くの企業が進むべき道を同社は切り開いていると言えるだろう。

 「リクルート内では、世の中のトレンドに追従していくだけではダメで、自ら変革を仕掛けなければいけないという意識を持っている人は多いです。しかし“変わる”ことには不安がつきものです。

 大まかな方向性は決まっていても、それを実現するためのアプローチは無限にあり、外部環境も常に変化している。失敗することも多いとは思いますが、それも含めてデータを取れるようにして、分析や検証ができるようにすることが、不安をやわらげ、スピード感を持って動けるようにするポイントなのだと思います。最近やっと、それを組織として取り組んでいる実感が出てきたのかなと思っています」(前田さん)

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提供:Tableau Japan株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2018年10月24日