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» 2018年11月05日 10時00分 公開

ネットワーク管理者ならば誰もが感じる「プレッシャー」:「前任者が辞めて、ネットワーク運用が辛すぎるんですが」 アイティメディアの“ほぼ一人情シス”の悩み、解決策はある?

限られた人数で運用されてきたアイティメディアの社内インフラだが、ネットワーク運用スキルを持ったエンジニアが退職することに。手間を掛けることなく安定したネットワークサービスを提供したい――そんなタスクを引き継いだメンバーへのアドバイスとは?

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 サーバの設定にストレージの管理、ネットワークの運用にエンドユーザー対応……社内システム運用にまつわるもろもろの作業を一手に引き受けている「一人情シス」は、世の中少なくないでしょう。何を隠そう、アイティメディアのITシステムもほぼそんな状態で、少ない人数で運用されてきました。

 そんな折、なんと、高いネットワーク運用スキルを持つエンジニアが退職してしまい、残るメンバーがタスクを引き継ぐことになってしまったのです。幸い、今のところ大きなトラブルは発生していないとのことですが、この先もずっとそうであり続ける保証はありません。

 「他の案件もあったからちょっと目をそらしていたところもあったけど、この下期で何とかしたいんだよな……」。アイティメディアの情報システム担当、淺野のこんな悩みをどこからか聞きつけたITmedia エンタープライズ編集部。

 「だったら専門家に聞きに行きましょう! なーに、取材という体で話を聞けば大丈夫ですって」

 そして半ば強引(?)に淺野を連れ、編集部が向かったのはヴイエムウェア。サーバ仮想化だけでなく、ネットワーク仮想化のプロフェッショナルでもある中本氏に率直に悩みをぶつけてみたのです。

引き継ぎ資料はもらったものの、最悪の場合は「メッセージで連絡を」

photo アイティメディア 総務部 淺野正徳

アイティメディア淺野(以下、淺野): 先日、それまでの担当者が退職してしまい、私がインフラ周りを、もう1人が社内サポートを担う形でアイティメディアの情報システムを運用することになりました。

 ネットワーク運用管理もタスクの1つです。ただ、前任者はネットワーク系のスキルがメインでしたが、私のスキルセットはWeb系が中心です。マニュアルを見ながらVLAN設定をいじるくらいはできますが、全社に影響が及びかねない大幅な変更を行うとなると、正直、心理的な負担が大きいなと感じています。

ヴイエムウェア中本氏(以下、中本): アイティメディアのネットワーク構成は頻繁に変更が加わるんでしょうか?

淺野: いえ、今までネットワーク構成に大きな変更を加えたのは、社屋移転や会社合併に伴って部署に変更が加わったタイミングばかりで、私が引き継いでからの変更はありません。ただ、そういったイベントは突然発生しますから、いつ来てもおかしくない状態だと思っています。

中本: さまざまな情報の引き継ぎはされているんですよね?

淺野: 前任者の退職時期が4月にかかっていて組織変更もあったため、引き継ぎ作業もバタバタでした。もちろん、ハードウェアの情報やネットワークの論理図といった引き継ぎ情報はもらっていますが、何と言うか、「ここにこんなものがあるよ」と記された巨大なマインドマップを渡された感じで……。落ち着いて確認するタイミングもなかったので、その都度現物を見て確認する形ですね。あとは、今はソーシャルネットワークでつながっているので、「最悪、何かあったらメッセージで連絡するね」と(苦笑)。

地味ながら甚大な負荷のかかるACLのメンテナンス作業

photo ヴイエムウェア パートナーSE本部 パートナーSE部 シニアシステムズエンジニア 中本滋之氏

中本: 今のアイティメディアの社内ネットワーク構成はどのようになっているのでしょうか?

淺野: 公開Webサーバは別として、物理的に1つのネットワークを社内サーバセグメントとユーザーセグメントとに分け、その間の通信は全社ネットワークのコアを担うレイヤ3(L3)スイッチのアクセスコントロールリスト(ACL)で制御しています。

中本: おお……。それだとメンテナンスが大変じゃないですか?

淺野: ACLがだいたい100行以上ありまして……サーバを1つ追加するたびにそのメンテナンスが必要になります。「このサーバにアクセスする人は限られるか、限られないか。もし限られる場合は誰がアクセスしてもいいのか」といった事柄を確認し、それに沿ってACLに新しいルールを追加していますが、なにぶん「一人情シス」状態なので、本当にこの設定でいいのかを確認してもらえる人がいません。今は、別の技術部門の詳しい人に聞いた上で、念のためCTOの了承を取ってから反映するようにしています。

中本: ACLのメンテナンスの負荷って意外と大きいですが、それが全部IT管理者に集中してしまっていますよね。ACLは行きと帰りの両方を管理しなければいけませんし、記述するにもそのIPアドレスが何を意味しているのか、どのサーバ、どのセグメントを指しているか把握しておかなければいけませんが、何十年もシステム管理に携わってきた、そのシステムの“主”のような人でもなければ、難しいことだと思います。

淺野: 「このIPアドレスって何に割り当てていたっけ」というのが分からなくなった場合は、まずDNSサーバで引いてみて、それでも分からなければ、Excelで作成した「IPアドレス表」と見比べています。

 けれど、その台帳自体に更新漏れがあったりするので、最悪の場合は直接ログインしてサーバ名を調べています。意外と多いんですよね、使われているIPアドレスが記録されていなかったり、今後のサーバ増設に備えて「ここは使わないでください」と予約してあるのに使われていたり……。

中本: ありがちな話ですね(笑)。これも、ネットワークセグメントを分けないことによって生じる弊害の1つだと考えています。皆が共有する場所で、個人の庭ではないのに、勝手に種をまいて「ここは掘らないで」と看板を立てるようなものですよね。ネットワークのセグメントを分けるというのは、システム単位で管理者の責任範囲を明確にするためにも必要なものだと思います。

photo アイティメディアにおける社内ネットワークの概略図

ビジネス停止につながるネットワークトラブル、影響範囲の大きさがプレッシャーに

淺野: もう1つ、自分にとって最も心理的な負担が大きいのが、いざ設定変更をするときの覚悟です。全てのネットワーク設定がコアのL3スイッチ1カ所に集約されているため、万一そこでミスが発生すると、ネットワーク全体、社内全体に影響が生じてしまいます。引き継ぎ資料を確認して大丈夫だと分かってはいても、いざメンテナンスするときには、やはり覚悟がいりますね。一度でもトラブルを経験した覚えのあるエンジニアなら、誰でもそうじゃないかと。

中本: 「Office 365」が典型例でしょうが、ネットワークにつながらなくなると、コンピュータで動いているほぼ全てのアプリケーションが使えなくなりますからね。今やローカルで動作するアプリケーションはほとんどなく、Webブラウザを立ち上げ、どこかのシステムにつなげて動いています。仮にコアのL3スイッチでトラブルが起きると、そこを通る全てのアプリケーションがダメになってしまいます。

photo

淺野: 言ってしまえば、ACLの設定作業それ自体はそんなに複雑なものではなく、コマンドを1つ打てば済みます。けれど、その作業によって生じる影響の大きさを一度でも感じたことがあれば、慎重にならざるを得ません。それに、影響範囲が広くなればなるほど、メンテナンスを行うタイミングの調整も複雑になりますし、告知も必要です。「明日止まるからよろしく」というわけにはいきません。

中本: どの部署にも影響が生じない日時を探そうとすると、ゴールデンウィークや年末年始など、全社が一斉休業しているときしかありませんよね。それすら今や、働き方改革や24時間365日体制でのサービスを考えると、日程の確保が難しくなっています。

淺野: 今後、社員からの要望に応え、外部からも社内システムにアクセスできるような環境を整えるなど、新しい取り組みも進めていきたいのですが、検討すべき事柄は少なくありません。

中本: 本来、サーバネットワークというのは、もっと頻繁に変更すべきものだと思っています。クライアント側のネットワークは一律のポリシーで決め打ちできるでしょうが、サーバ側はユーザーからどんどん寄せられる、さまざまな要求にきっちり対応したり、新しいシステムを追加したりするたびに変更していくのがあるべき姿です。にもかかわらず、現行の多くのネットワークではそれができていません。ひとえに作業が大変だからです。

淺野: 本当によく分かります。

中本: 物理的にネットワークを分けてしまえば厳密に制御できますが、普通の企業にとってはコスト面で見合わないものになるでしょう。1つの物理ネットワークを共用することになるでしょうが、分け方はいくつかあります。最もきちんと制御できるのは、セグメントを分け、その間をファイアウォールなどできちっと制御すること。その次がACLによる制御です。

 それすら行わず、「社内に入っているものならば大丈夫だろう」という前提で全て素通しという企業もあります。きちんと制御しようとすればするほど作業量も増え、運用の負荷が増えるのは事実です。最初はきちんと設定していても、アプリケーションが追加されるたびに作業が発生して「もうやっていられない」と放置されるケースもありますね。ACLにしても「この行は何を意味しているのか?」を把握しきれません。一方、何もしなければ運用は楽でしょうが、IPアドレスの重複といったトラブルが起こり得ますし、ネットワークが不安定になる恐れがあります。

淺野: 理想はやはり、自分が何もしなくてもいい状態を保てることですね。ステータスチェックなどを行って正しく動いていることが可視化されている一方で、いざ何か起きたときにはすっと入れて、確実かつ迅速に対応し、短時間で復旧できる……そんな状態が実現できるといいですね。

中本: 今までは残念ながら、「きちんと作るが運用の手間が大変」と「ほぼ何もしない」の二者択一しかなく、その中で各社がバランスを取りながら、落としどころを見つけるしかありませんでした。でもそれは本当はおかしなこと。

 守るべきところ、安定すべきところはしっかり作りつつ、手間を減らすという新たな選択肢があるべきだと思います。その1つの解決策がネットワークを仮想化し、細分化することだと考えています。淺野さんのような悩みを持っているなら「VMware NSX」を使うと、いろいろとうまくいくんじゃないでしょうか?(後編へ続く

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提供:ヴイエムウェア株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2018年12月4日