中小企業や地方の組織に“初期負担ゼロ”でRPAを広めたい NTT-ATの挑戦

都市部の大企業や自治体でRPA導入が次々と進む中、いまだにRPAの活用事例が周囲になく、現場の業務負担を減らしたくても方法が分からない――と悩んでいる地方の組織や中小企業は多いのではないだろうか。「費用がない」「人手がない」とRPA導入を諦めかけている彼らに、NTT-ATが発表した「初期負担ゼロですぐに導入でき、すぐ使える」RPAとは。

» 2020年02月25日 10時00分 公開
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 バブル崩壊後の「失われた20年」からの経済回復は、一見すると順調に進んでいるように見える。株価や有効求人倍率などの経済指標を見る限り、日本経済はここ5、6年の間安定して右肩上がりの成長を続けている。しかし、この好景気を肌で実感できている人が案外少ないのも事実だろう。特に中堅・中小企業や地方の組織に勤める従業員にとっては「景気回復」といわれてもまるで別世界の出来事のようにしか聞こえないかもしれない。

 都市圏の大企業が経営状態を順調に回復させる一方で、多くの中堅・中小企業はいまだに苦しい経営を強いられている。経営資源の大都市圏への集中が進む陰で、地方の企業や自治体の運営はますます苦しくなる一方だ。

 こうした苦境から脱しようと、地方の自治体や商工会議所などが「地方活性化」「ITで業務効率化」をうたうコンサルタントを招いてアドバイスを仰ぐケースも多いが、「そうした施策が実を結んだケースは極めて少ないのが実情です」と話すのが、NTTアドバンステクノロジ(以下、NTT-AT)の山本顕範氏(AIロボティクス事業本部ディスラプティブイノベーションビジネスユニット ビジネスユニット長)だ。同氏は、地方の企業や団体が抱える課題について次のように語る。

NTT-AT 山本顕範氏

 「地方経済のコミュニティーは地場企業を中心に構成され、ITやビジネスに関する最新の情報が外からなかなか入ってこないため、どうしてもITの活用に乗り遅れてしまいます。こうした遅れを取り戻そうとコンサルタントを外部から招いても、大抵の場合は限られた範囲の業務をその場限りで効率化するだけで終わってしまう傾向にあります。その結果、業務改善の効果はおのずと限られ、将来への展望もなくその場限りの対策で終わってしまうので、たとえITを取り入れてもあっという間に陳腐化してしまう恐れがあります」

 山本氏はこれまで多くの地方組織から聞き取りを重ねてきたというが、中には20〜30年前に導入した古いシステムを後生大事に使い続けていたケースや、はるか以前に作られたExcelの帳票に、業務が変わるたびに新たに項目を継ぎ足していった結果、お化けのように巨大で複雑なExcelシートが出来上がってしまったケースもあったという。長年にわたって根本的なシステムの刷新に踏み出せなかったばかりに、レガシーシステムや、いわゆる“神(ネ申)Excel”を使い続けざるを得なくなってしまうのだ。

 同様の状況は、都市圏の中小企業でも多く見られる。地方に比べればITに関する情報にアクセスしやすいものの、実際にITを導入してコスト削減や収益アップに取り組もうと思っても、なかなか予算を確保できない。また、それ以上に深刻なのが「人材不足」の問題だ。ほとんどの中小企業はITの専門要員を自社で抱える余裕がなく、さらに言えばIT以前に自社の業務プロセスを可視化、分析できるだけの人材がいない。

人手不足解消の切り札「RPA」も地方企業や中小企業にとってはハードルが高い

 こうした地方の企業・団体や中小企業が抱える課題の解決に役立つITソリューションとして、近年注目を集めているのがRPAだ。これまで人間が実行してきたPC作業をソフトウェアロボットが代行してくれるため、高い費用と長い期間をかけて大掛かりなIT製品を導入せずに業務を自動化、省力化できるソリューションとして大きな期待を集めている。

 RPAは特に定型業務の自動化、省力化に適し、バックヤードで大量の定型業務を抱える大手金融機関などでは早くから導入が進んできた。近年は金融以外の業界でも導入が進み、主に大手企業を中心に導入例が相次いでいる。

 一方、地方企業や中小企業には、残念ながら都市圏の大企業ほど導入が進んでいない。RPAは本来なら、人手不足が深刻な地方企業や中小企業でこそ効力を発揮するはずだ。しかし、NTT-ATの服部孝志氏(AIロボティクス事業本部ディスラプティブイノベーションビジネスユニット 担当課長)によれば「地方の場合、現時点ではまだRPAという用語すら知らない人が大半を占める」という。

NTT-AT 服部孝志氏

 「弊社のRPA『WinActor』は比較的安価な製品シリーズですが、それでもソフトウェアロボット1体当たり約90万円のライセンス費用がかかります。中小企業にとっては決して安い投資ではありませんから、万が一効果が出なかったことを考えると投資をためらう企業が多いこともうなずけます。また、RPAの導入、運用を担える人材も中小企業にはなかなかいません。RPAの導入効果を得るには、まずは自社の業務全体を把握してどの部分をロボット化できるかを見定める必要があります。これを実行できる人材も、中小企業には極めてまれです」(服部氏)

 仮にRPAの適用箇所を見極める段階まで行けたとしても、ロボットの動作を定義する「シナリオ」のプログラムを設計、開発する必要がある。この作業には一定以上のITリテラシーが求められるため、やはり地方企業や中小企業にとってはハードルが高い。

 また、何とか自社業務の自動化、省力化に役立つロボットを開発できたとしても、それを業務全体ではなく一部にしか適用できなければ、やはりその効果は限られてしまう。頑張って複数の作業をロボット化したところで、業務プロセス全体のうち、細かい作業が一部「虫食い状態」でロボット化されているにすぎない。この場合、ロボットと人間が交互に作業を実行しなければならず、その間の情報の受け渡しなどに必要な手間を考えると、結局は全体の作業効率が落ちてしまうリスクも考えられる。

RPA導入、活用のハードルを一気に引き下げる「WinActor Cast on Call」

 こうした課題を解決し、地方企業や中小企業でもRPAの導入メリットを十分に享受できるサービスが、NTT-ATのクラウド型RPA「WinActor Cast on Call」だ。NTT-ATは2014年から自社開発の純国産RPA製品のWinActorを提供している。ユーザーに配慮した使いやすさや手軽さは、地方企業や中小企業での活用に適しているといえる。ただし、これまで挙げたようなさまざまな理由から、実際にその導入メリットを享受できずにいる企業も多い。

 そこでWinActor Cast on Callは、地方企業や中小企業が感じているRPA導入のハードルを取り除き、誰もが手軽かつ低コストで導入、活用できるサービスを目指している。具体的には、すぐに使える汎用(はんよう)的なシナリオを提供していることが挙げられる。シナリオは本来、ユーザーが個別に開発しなければならない。これを専用サイトからシナリオを選んで、そのまま実行できるようにしたのだ。

WinActor Cast on Call(出典:NTT-AT)《クリックで拡大》

 同サービスが用意するシナリオは、多くの企業に共通する汎用的な作業に対応する。ユーザーは自動化したい作業に対応したシナリオを選んで、最小限の設定を施すだけでRPAの利用を始められる。そのため、シナリオ開発のスキルが一切なくてもRPAの恩恵を受けられる。

 同サービスはコスト面にも配慮した。RPAの導入に当たり、ソフトウェアライセンス費用を含む初期費用がどれだけかかるか不安を覚える組織もあるだろう。WinActor Cast on Callは月額1000円からの利用料および選択したシナリオの使用料金を支払えば利用できる。RPAで自動化できる業務の数や量がさほど多くない中小企業の場合、高いライセンス費用を払ってRPA製品を一括購入しても費用対効果を得られない可能性もあるが、WinActor Cast on Callであれば「使った分だけ支払う」方式のため、コスト効率を上げられる。

 山本氏は、「局所的な作業自動化だけでなく、業務プロセス全体の効率化まで視野に入れて活用できます」と、WinActor Cast on Callならではの強みを強調する。

 「個々の作業をばらばらに自動化するのみでは、それらを互いにつなげられません。しかしWinActor Cast on Callなら、導入できるところから局所的に導入していったシナリオを徐々につないでいくことによって、ワークフロー全体の自動化、省力化につなげられます。

 (現在開発中の)APIを通じて、将来さまざまな業務アプリケーション製品と連携できれば、外部アプリケーションも含めた広い範囲の業務自動化が可能になります」(山本氏)

実際に行ってコミュニケーションを WinActor Cast on Callを地道に広める挑戦

 WinActor Cast on Callは、発表以来次々と新機能の開発、導入を続けている。同サービスの専用Webサイトには、さまざまな業界や業種に関する知見を持つNTT-ATのパートナー企業が開発したシナリオが登録されており、その数は今後さらに増えていく予定だ。将来的には、ユーザーが多数のシナリオの中から自社のニーズに合致したものを簡単に探し出せる検索機能やお勧めのシナリオを提示してくれるレコメンド機能などの実装も予定している。

 今後は、既に同サービスを使いこなしているユーザーやフリーランス開発者が独自に開発したシナリオをサイトに登録し、個別に販売できる仕組みも導入する予定だという。WinActorの次期バージョンである「WinActor Ver.7」は多言語に対応する予定のため、将来的には外国の開発者が開発したシナリオを日本の地方企業や中小企業が購入して利用するような例が見られるかもしれない。

 そんな未来を実現するために、まずは「WinActor Cast on Callの存在そのものや、その導入メリットを地方の方々に知ってもらう必要がある」と山本氏は話す。NTT-ATは、全国各所でWinActor Cast on Callの認知を拡大するための活動を展開していくという。地方は地場企業同士のつながりが強い分、どこかの企業で導入効果が得られると、その評判は一気に地域全体に広がっていく。導入メリットを地道に訴求することで、「必ずやWinActor Cast on Callの価値を地方の方々にも広く理解していただけるはずだ」と同氏は抱負を語る。

 「こうした地道な普及活動は、必要不可欠なことと考えます。弊社は全国に電話網を敷設してきたNTTの冠をもつ会社であり、公共の利益に資する仕事に大きな価値を見いだしています。その点、WinActor Cast on Callは地方の活性化や中小企業の成長のために必ず役立つソリューションだと確信しており、使命感を持ってその普及に取り組んでいます。少しでも興味を持たれた地方企業・中小企業の方は、ぜひ気軽にご相談いただければと思います」(山本氏)

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提供:エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2020年3月23日

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