DX挑戦企業が求めている「SDS基盤」とは?スモールスタートと自律運用で高い費用対効果

データの価値が高まり、その器であるストレージの容量予測はますます困難になった。場当たり的な増強では事業変化への迅速な対応もままならない。必要なサイズで小さく始めて、業務要件に応じて簡単にスケールアウトできるソフトウェア主導のストレージ基盤が登場した。

» 2020年05月28日 13時00分 公開
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 企業が取り扱うデータは増え続け、その価値も高まる一方だ。不足を恐れた過剰投資、あるいは場当たり的な増強や増設を繰り返していればIT投資の高効率化は難しく、事業変化への迅速な対応もままならない。ストレージの容量予測はますます困難になっている。

 だが「今だけに集中でき、必要になったらその分だけボリュームや性能を上げることで将来にわたって使い続けられる」というソフトウェア主導のブロックストレージ基盤が登場した。

 しかもパブリッククラウドのような操作性を実現する自律制御で運用管理作業が簡素化され、運用コストを最大70%も削減できるという。それはどんな仕組みなのか。提供元の富士通に話を聞いた。

データドリブンなビジネス時代、ストレージ運用も根底から変えなければ

 究極の洗練を追求するクラウドが、ITの全てを変えようとしている。これは確かに進むべき方向だ。デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが加速する中、組織運営の高度化に資するITが、管理者を忙殺し続けるとしたら主客転倒だ。

 データセンターを運用するにせよ、システムをデータセンター的に運用するにせよ、求められるのはIT管理の効率化であり、変化への迅速な対応だ。対応の遅れは機会損失に直結する。投資の高効率化も不可欠で、資産を遊ばせないことが重要だ。

 一方で今日ほど変化が激しいと先の予測が困難であるのも事実だ。特にデータに関してはデータドリブンビジネスが叫ばれ、データ種類の多様化やIoTの進展、モバイルデバイスの普及などもあって容易に当初の想定を超える。

 これまで慣習的に回してきた定期的なストレージ更改サイクルは、もはや実情と大きく乖離(かいり)した。例えば5年周期であれば、その先5年分のデータボリュームの成長を見込んだサイジングが必要だが、容量不足を恐れ、過剰投資になってしまうケースも見受けられる。

 またディスク容量が実際に不足してしまった場合は、短い時間で見積もりと手配が必要になり、予算の調整を含めIT部門は急ぎの対応を迫られることになる。

 定期的なストレージ更改を続ける限り、負荷もかかれば神経もすり減るデータ移行作業にも向き合い続けなければならない。果たして、これは人が担い続けるべき仕事なのか。これでは洗練の真逆ではないか。

SDSが主役となるスケールアウト型ブロックストレージ基盤

 今、ストレージ領域で注目を集めるのが、ハードウェアに依存することなくデータ格納ボリュームをスケールアウトできるソフトウェアデファインドストレージ(SDS)だ。なぜならば、変化への柔軟な対応やIT投資の最適化といったストレージにまつわる課題の解決に求められる要件に合致するからだ。

 グローバル市場においてSDS導入は本格普及期に入り、安定した伸びを見せている。国内市場においても利用を開始した企業や数年以内の利用開始を予定する企業が増え始めていてニーズの増加は確実だと言える。

 富士通はこうした動きを受け、新しいストレージ基盤ソリューション「ETERNUS Data Services Platform」(ETERNUS DSP)をリリースした。

ETERNUS Data Services Platform構成イメージ 図1 「ETERNUS Data Services Platform」の構成イメージ

 ETERNUS DSPは、PCサーバとして評価の高い「PRIMERGY」、インターコネクトスイッチ、ストレージの機能を汎用(はんよう)サーバで実現するソフトウェア「ETERNUS DSP Software」で構成される、ソフトウェアがコンダクター役を務めるスケールアウト型ブロックストレージソリューションだ。

 運用管理の効率化をとことん追求し、パブリッククラウドのようなユーザーエクスペリエンスを実現した点でも新規性がある。富士通の伊藤吉範氏(インフラストラクチャシステム事業本部ストレージシステム事業部 SDSビジネス部長)は、製品コンセプトを次のように語る。

 「ハードウェアに依存したストレージは、増強・増設しても元の性能を超えられない運命にあります。その点、ETERNUS DSPはソフトウェアが中心。ハードウェアは必要に応じてどんどん新陳代謝を図り、スケーラビリティや性能を向上させながら、システムとしては継続的にお使いいただけるという点が最大の特長です」

ETERNUS DSPが誇る3つの特長

 ETERNUS DSPとはどのような製品なのか。大きな特長を3つ挙げるとすると、次のようになる。

その1 計画不要、スモールスタート+簡単増設で投資を高効率化

 最小3ノード、57.6TBから構成可能で、性能や容量の要件に応じてノード単位で簡単に増設できる。つまり導入段階で将来のデータ増加が予測し切れない場合でも、まずは直近で必要な容量や性能を考慮した構成から始められる。新しいデータ活用を始めるときに、その都度必要な容量や性能を追加増設するという使い方が可能だ。結果として過剰投資に陥ることなく、持てる資産を最大限活用できる。

その2 パブリッククラウドのようなシンプル運用を実現

 ボリューム設定は、業務要件に合わせて作成するテンプレートから一括で実施できる。従来のように冗長化設定や接続設定を都度実施する煩わしさから解放される。テンプレートに「保存メディアの冗長度を上げる」などの変更を加えて、それを既存ボリュームに適用することも簡単だ。これらの操作はグラフィカルな管理画面から実行できる。

 何より重要な点は、ETERNUS DSPは内部でデータやリソースを自律的に制御していて、さまざまな場面でストレージ運用をパブリッククラウド並みに簡素化できることだ。

 例えばノード間で担当するホストターゲット数に偏りが発生した場合、ターゲットの担当ノードが変更され負荷を平準化できる(ノード間の負荷バランシング)。データは設定されたレプリカ数に応じてノードに分散して書き込まれるため、データリード時は負荷状況をチェックして最適なノードのレプリカデータを読みこむ機能(リード先ノードの自律選択)や、各ノードの容量使用率に差が生じると自動的にデータをノード間で再配置して容量を平準化する機能(ノード間の容量バランシング)も備える。

 これまでハードウェアの更新時に発生していたデータの一括移行作業も不要にする。ストレージ管理者はシステム全体のグランドデザイン最適化のみに集中でき、日々の運用管理作業から解放されるだろう。

ETERNUS Data Services Platformデータ移行 図2 更改時のデータ移行作業は不要

その3 データセンター利用を想定したマルチテナント運用とセルフサービス

 ETERNUS DSPはシステム統合の進んだデータセンターでの活用を想定する。つまりマルチテナント運用やセルフサービス機能の提供が可能だ。

 マルチテナント運用という観点では、データ活用状況がまったく異なるワークロードを1つのシステムで一元管理できるというメリットがある。

 「1つのシステムの中に、テナントごとに容量や権限を設定した、独立したストレージ環境を提供できます。ストレージ管理者に依頼をかけることなく、自分のストレージ環境を管理できます。またストレージ管理者も対応にかかる時間を大きく減らせます」(伊藤氏)

多大な導入効果、最大70%の運用コスト削減も

 データの価値は高まり続け、増え続ける。データ爆発は決して大げさな表現ではない。ETERNUS DSPであれば、難しい将来予測に頭を悩ませることなく、今このときに集中できる。

 富士通の試算によると、日々の運用管理作業が大きく簡素化されることも相まって、運用コストを最大70%削減可能だという。しかもETERNUS DSPは、コンテナ技術や仮想化技術、クラウド基盤ソフトウェアとのエコシステム連携も実現でき、これらとの一体管理による運用自動化にも道を開く。

 ETERNUS DSPは、オールフラッシュノードモデル(4タイプ)がリリースされ、その後SSDとHDDが混在したハイブリッドノードモデルが続く。ノード混在が可能な点も本製品の魅力の一つだ。データの重要度に合わせて1システムの中で使い分けられる。

 「富士通のストレージ部門がこれまで蓄積してきたノウハウを注ぎました。それをPRIMERGYに搭載し、動作検証済みソリューションとして提供します。構築サービスとシンプルなセットアップ操作で、すぐに本番のデータ活用を進めていただけます」

 伊藤氏は新製品への意気込みと自信をこのように語るのだった。柔軟性、拡張性、運用性を追求したETERNUS DSPは、DXに取り組む企業のストレージ基盤を支える一助になるだろう。

ETERNUS Data Services Platform

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提供:富士通株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2020年6月19日