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» 2020年05月28日 10時00分 公開

急ぐべきは、新しい「当たり前」への対応:ポストコロナ時代のビジネス戦略 テレワークに乗り遅れた企業は今何をするべきか

政府主導で徐々に普及しつつあったテレワークが、感染症対策として急速に拡大した。現在のテレワークは、社会的距離を保ったまま事業を継続する手段にすぎない。しかしこれをきっかけに、働く人材の意識が大きく変わろうとしている。

[PR/ITmedia]
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 日本におけるテレワークの歴史は、1990年代後半から2000年代前半にかけての「ITバブル」期に始まった。当時はIT系ベンチャー企業を中心に、先進的なスタートアップ企業の一部がテレワークを導入していた。

 一般企業におけるテレワーク導入が本格的に議論されるようになったきっかけは、2009年の新型インフルエンザ流行と2011年の東日本大震災だ。テレワークはBCP発動時の手段として大いに注目を集め、その後政府が「働き方改革」を進めるに当たってさらにテレワーク導入の機運が高まった。

 2017年から政府が主導する「テレワーク・デイズ」は毎年参加企業が増え、大企業を中心にテレワーク導入が進んでいる。スタートアップと大企業がテレワークを取り入れていく中で、中堅・中小企業は取り残され始めていた。

働き方改革に乗り遅れた企業の「わが社にテレワークは無理」という誤解

 政府の主導によって徐々に進みつつあったテレワークは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策として急激に普及した。現在は都市部を中心に多くの企業がテレワークを導入しており、全ての従業員に対して出社を禁じる企業も少なくない。

東北芸術工科大学教授 松村 茂氏 東北芸術工科大学教授 松村 茂氏

 しかし、テレワーク体制にスムーズに移行した企業がある一方で、対応に苦慮している企業も多い。「特に中堅・中小企業の中には、はなからテレワーク導入を諦めている事業者も少なくありません」と、日本テレワーク学会の特別顧問を務める東北芸術工科大学デザイン工学部 企画構想学科教授の松村 茂氏は語る。

 同氏によれば「わが社にテレワークは無理だ」と考えるのは、知識や認識の不足による誤解であるという。

 「中堅・中小企業の経営者が『自社の業務はテレワークに向かない』『テレワーク体制を整えるための予算がない』と思い込み、最初から諦めているケースが散見されます。従業員の中にも、自分には無理だという思いからテレワークの価値に目を向けない人が多いように見受けられます」(同氏)

 「大企業を中心に進んでいるとはいえ、テレワークを可能としている企業は全体の2割弱、在宅で業務に当たった経験を持つ従業員は企業全体の5%程度にすぎません(いずれも総務省『平成30年通信利用動向調査報告書』より)」(松村氏)。テレワークの普及が進まず、当たり前の働き方になっているとは言い難い理由について、松村氏は次のように分析する。

 「多くの中堅・中小企業では、経営トップのITリテラシーが十分ではありません。テレワークの効果をイメージできないために、なかなか導入が進んでいないと考えられます。また、ほとんどの企業ではテレワーク体制における適正な人事評価制度が確立されておらず、従業員は自分がどのように評価されるのか不安に思っています。『テレワークでは正当に評価してもらえない』『自分だけが出社しないことで、仲間外れにされるのではないか』という疑心や疎外感に悩む人も少なくありません」

「ポストコロナ」の時代におけるテレワークの重要性

 テレワークへの移行に乗り遅れる企業がある一方で、着々とテレワーク環境を整備していた企業も少なからず存在する。テレワーク体制を整えていた企業は働き方改革にも積極的に取り組む傾向が強く、感染症対策としてテレワークが急務となった際にも、スムーズに在宅勤務を始められているという。松村氏は昨今の動きに対し「働き方改革の流れが逆行するとは考えにくく、COVID-19が収束した『ポストコロナ時代』においては、全ての従業員がオフィスに集結するような働き方は当たり前ではなくなるでしょう」と予測している。

 さらに松村氏は、「これからの時代、テレワークに対応しない企業は人材を集めにくくなるでしょう」と述べる。

 「私が大学で指導している学生たちは、就職先を選ぶ際に『テレワークの制度があるか』という点をかなり重視しています。今後ますます少子高齢化が進んで労働人口が減る中、テレワークを導入していない企業には優秀な人材は集まりにくくなるでしょう」(同氏)

 そのため松村氏は、現時点でテレワークの導入が遅れている企業も、中長期的には取り組まざるを得なくなると考えている。

 一方で同氏は、COVID-19によって在宅勤務が定着するかという点については懐疑的だ。

 「ずっと自宅に閉じこもっていると気がめいってしまうのは、外出自粛で多くの方が感じていると思います。在宅勤務はテレワークの一つの方法にすぎません。本来のテレワークの価値は自宅に引きこもることではなく、生産性を上げるためにオフィスを飛び出し、会社以外の場所でバックグラウンドの異なる人たちと働くことにあります。シェアオフィスやコワーキングスペースなどで働いて異業種の人たちと交流し、オープンイノベーションを起こしてその成果を会社に持ち帰る――そのような働き方は、従業員にとっても会社にとっても大きなメリットがあります。会社は今後、積極的にテレワークや副業を解禁していくべきでしょう」(松村氏)

今すぐ始めるテレワーク、まず何をすればいいのか

 それでは、現時点でテレワーク導入に乗り遅れている企業は一体何から手を付ければいいのか。松村氏は、まずは「同期型」の仕事のテレワーク化から着手することを推奨する。

 「仕事には会議や打ち合わせなど、皆で時間を合わせてリアルタイムに交流する『同期型の仕事』と、1人で作業し、必要に応じてメールなどで情報共有する『非同期型の仕事』があります。一般的には非同期型の仕事はテレワークとの相性がいいとされる一方で、同期型の仕事は互いに顔を合わせる必要があるためテレワークには適さないとされています。しかし現在は手軽に使えるWeb会議やチャットのツールが充実しており、離れた場所で同期型の仕事に当たることは十分可能です。まずは試してみることで、テレワークに対する懸念を払拭(ふっしょく)できるでしょう」(松村氏)

 テレワークにおける課題に、コミュニケーションの難しさがある。同氏によれば、人には「相手の顔を見て安心するタイプ」と「顔を見なくても文字情報のやりとりだけで安心できるタイプ」がいるという。

 前者のタイプは、同僚や上司の顔を見ずに過ごすテレワーク環境では不安や疎外感を強めてしまう。そのような場合は、毎日定刻に上司や同僚とWeb会議で会話する機会を設けるなどの対策が必要となる。各人のタスクやワークフローを明確化し、定期的にチーム内でコミュニケーションを取るようなルールを定義しておけば、孤独感は改善するだろう。「各人のタイプに合ったコミュニケーション方法を構築する必要があるでしょう」(松村氏)

 在宅勤務においては、従業員が私物の端末を業務利用する「BYOD」の増加が予想される。企業はBYODをただ禁じるのではなく、それを前提にしたセキュリティポリシーやルールを整備しておく必要があるという。松村氏は「具体的な策としては、『業務データは必ずファイルサーバに保存し、ローカルに残さない』『家族でアカウントを共有しない』といった運用ルールの周知が重要です」と強調した。

 「それでもわが社には不可能だ」と考える企業に向けて、同氏は製造業の生産ラインや建設業界における工事現場などの例を挙げた。いずれも「どうしても現場に直接出向かなければならない仕事」という印象が強いが、近年ではこれらの職種においてもテレワークが普及し始めているという。

 「生産ラインの検品チェックの工程では、これまでは人がモノを目で見て品質をチェックしていました。現在これを遠隔からカメラでチェックできるようになっています。建設現場では、現場のカメラ映像を遠隔地に飛ばして熟練の技術者がチェックし、必要に応じて指導してもらうやり方が注目されつつあります。『わが社はこういった事業だから無理』と決め付けず、さまざまな可能性を検討してみるべきでしょう」(松村氏)

今すぐテレワークを始めるためのノートPCとは

 こうしたテレワークの本来の価値を最大化するためには、業務で利用するPCもさまざまな場所に気軽に持ち運べるタイプのものが望ましい。近年、各PCメーカーが「軽量・薄型」のモバイルPC製品の開発に力を入れているのも、こうしたトレンドの変化を敏感に読み取っているためだ。

 富士通が開発・提供する超軽量モバイルPC「LIFEBOOK U9310/D」も、そうした製品の一つだ。薄さ15.5ミリ、重さ777グラムと極めて軽量、コンパクトであるため、自宅だけでなくシェアオフィスやコワーキングスペース、サテライトオフィスなど、さまざまな場所に気軽に持ち出せる。Webカメラや高速無線LANといったリモート会議に必要なハードウェアを初めから搭載しており、「Skype」や「Microsoft Teams」といったコミュニケーションツールも「Microsoft 365」の一部として利用可能だ。

 また、無線WAN搭載モデルはSIMによるモバイルキャリア通信に対応する。PC本体にSIMカードを挿入できるため、アクセスポイントのない外出先でもキャリアの回線からインターネットに接続して、すぐにテレワークを始められる。

 前述したようにテレワークにおいては、セキュリティ対策にこれまで以上に気を配らなくてはならない。この点においても、富士通は生体認証技術「手のひら静脈認証」の研究開発や商品化に力を入れており、LIFEBOOK U9310/Dも同機能に対応している。

 さらに、同製品に標準搭載されている「Portshutter Premium Attachecase」という機能を使うと、PC内のファイルを意味のないデータに自動変換してPC本体とファイルサーバに分割して保存する。万が一PCが盗まれたり紛失したりしても、中に保管されているデータから情報が漏えいする心配はない。同社のリモートデータ消去ソリューション「CLEARSURE 3G/LTE」を導入すれば、紛失したり盗まれたりしたPCのストレージを管理者が遠隔で消去することも可能だ。

Portshutter Premium Attachecase 秘密分散ソリューションPortshutter Premium Attachecaseの概要(出典:富士通)

 モビリティーに優れ、かつ強固なセキュリティ対策が施されたモバイルPCは、本来のテレワークの価値を引き出すには最適なデバイスだと言える。現在は在宅勤務が中心のテレワーク体制だが、COVID-19収束後の「ポストコロナ」の時代には、おそらくテレワークや副業が広く開放され、多くの人が場所を選ばない柔軟な働き方を自ら選択するようになるだろう。そんな時代にふさわしいデバイスの在り方について、ぜひ今のうちから検討しておきたい。

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提供:富士通株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2020年6月13日