基幹系と情報系システムの一体化で“即アクション”のデータ経営を実現するには基幹系と情報系という分け方はもう古い

収集したデータを“そのとき”分析してこそ価値のあるインサイトが得られる。顧客体験を向上させて収益増につなげるには、今まで以上にスピードが必要だ。スピーディーなビジネスを実現するデータ基盤の作り方とは。

» 2020年07月22日 10時00分 公開
[PR/ITmedia]
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 現代を生きる企業の共通課題となりつつあるデジタルトランスフォーメーション(DX)は、「顧客に素早く反応する」「経営の意思決定を迅速化する」など、企業活動にスピードを与える。DXの源となるのが、日々生み出される膨大なデータだ。それらをスピーディーに分析してインサイトを得ることで、高いビジネス価値の創出が可能となる。

 それには基幹系システムと情報系システムの一体化が必要だ。ローデータを扱うトランザクション処理に1ミリ秒も妥協せず、リアルタイムでスピーディーにデータを分析する。こうしたデータドリブンの経営基盤を簡単に構築する方法がある。

すぐに使わなければ、消滅してしまうインサイトがある

インターシステムズジャパン 佐藤 比呂志氏

 例えば、ECサイトの運営者としては顧客が購入した商品と購買相関性が高い別の品物も一緒に薦めたい。午後、ECサイトの売上金額を集計すると目標金額を下回っていた。早く売り切った方が得策である商品の価格を見直し、少々利益を削ってでも売りさばきたい。

 こうしたケースでは、データを取得したそのときに素早くアクションを起こすことが求められる。この点について、インターシステムズジャパンの佐藤 比呂志氏(ビジネスデベロップメント シニアマネージャー)は「時間とともに消滅するインサイトがあります」と説明し、次のように続けた。

 「せっかく意味のあるデータを得ても、データを得たそのタイミングで素早く分析して有効活用しなければデータの“鮮度”が落ちて使い物にならなくなります。データを活用してビジネス価値を創出するには、“消滅しやすいインサイト”を逃さずスピーディーに捉えて、アクションを起こす必要があります」(佐藤氏)

 ローデータからインサイトを発見して素早くアクションにつなげれば、収益向上の機会を増やすことができる。しかし、ローデータを保存する基幹システムとデータを活用する情報系システムが分断されていては、実現は難しい。一日が終わり、基幹系システムから情報系システムにその日のデータを取り込んだ後でなければ分析を開始できない。「これでは、生かせば価値に転換できるインサイトを自ら捨てているようなものです」と佐藤氏は語る(図1)。

図1 消滅しやすいインサイトがある(出典:Forrester Research)

基幹系システムと情報系システムのDBを一体運用するInterSystems IRIS Data Platform

 そうはいっても、全データのリアルタイム分析はシステムに高い負荷を与え、また技術的なハードルも高い。パフォーマンスに支障が出ないよう、基幹系システムには直接触れないようにする企業も少なくない。

 しかし、基幹系システムと情報系システムのデータベースを一体運用する「トランスリティカル データプラットフォーム アプローチ」を用いれば、実現可能だ。トランスリティカルは「トランザクション」と分析を意味する「アナリティカル」を組み合わせた造語であり、米国のアナリスト機関Forrester Researchが提唱するアプローチだ。このアプローチを実現するために開発されたのが、インターシステムズジャパンのリアルタイム・ハイパフォーマンス・データ管理ソフトウェア「InterSystems IRIS Data Platform」(以下、IRIS)だ(図2、図3)。

図2 IRISのアーキテクチャ概念図(出典:インターシステムズジャパン)
図3 IRISの特徴(出典:インターシステムズジャパン)

 リレーショナルデータベースと多次元データベース(キーバリューストア)、ドキュメントデータベース、オブジェクトデータベースをサポートし、基幹系システムと情報系システムを1つのプラットフォームで担う。

 データストレージをディスクではなくメインメモリに保持する「インメモリ性能」が高速なデータ処理を可能にする。「エンタープライズ・キャッシュ・プロトコル」(ECP)と呼ぶ独自の分散型キャッシュ機能により複数ノード間のデータの整合性を保証しながらインテリジェントな分散キャッシュにより上限のないスケーラビリティを提供する。

 インメモリといえば、インメモリデータベースを思い浮かべるだろう。データの高速処理を実現するという点では同じだが、良くも悪くもメモリが全てだ。データボリュームに対してメインメモリのスペックに余裕があればいいが、あるしきい値を超えたとたんに目に見えてパフォーマンスが落ちる。

 「IRISのインメモリ性能は、メモリ内に1マイクロ秒未満というスピードでレコードを作成しながら、同時にディスクへの遅延書き込みによってトランザクションのログとともにストレージに永続化されます。突然障害が発生しても、このトランザクションログを使って迅速なシステム復旧が可能です」(佐藤氏)

 このようなアーキテクチャを持つIRISはどれほどデータを高速に処理できるのか。図4は第三者機関がIRISと主要なインメモリデータベースのパフォーマンスを比較したものだ。青のラインがインメモリデータベースで、緑のラインがIRISを示している。取得データの多寡にかかわらず、また同時接続ユーザー数が増えても、インメモリデータベースに勝る性能を発揮している(図4)。

図4 IRISとインメモリデータベースのパフォーマンス比較(出典:ESG Lab)

 InterSystemsは、ユーザーが他社のデータベースシステムとのパフォーマンス比較テストを実施できるシナリオサービス(外部ページ)をオープンソースとして提供しているので、試してみてほしい。

世界の株式取引の15%がIRISで処理

 DXを推進するためには、機械学習や高度なビジネスインテリジェンス、自然言語処理といったテクノロジーも必要になるだろう。しかし、これらの技術に精通した技術者はまだ少ない。最近は機械学習サービスを提供するパブリッククラウドもあるが、使い続けるとなるとコストも気になるところだ。IRISは標準で機械学習環境との連携機能やビジネスインテリジェンスといった機能を備えている。加えて相互運用性にも力を入れており、さまざまなアダプターやAPIを通じて既存のシステムと容易に連携が可能であるため、一からシステムを組み直す必要はない。

 インターシステムズジャパンによれば、高速なデータ処理能力が評価されて世界の株式取引の15%がIRISプラットフォームで処理されているという。米国のある金融機関では取引および注文管理システムにIRISを採用し、1日に何十億件ものトランザクションを処理しているという。その企業では、以前採用していたインメモリデータベースと比較してIRISはスループットが約3〜5倍向上。データインジェスチョン(データ投入)能力は約10倍も向上し、運用コストは50%も削減できた。

 国内の事例だと、医薬品および化粧品の卸売り販売企業であるPALTACが、生産から消費に至る流通プロセス全体の最適化と効率化を目的にIRISを導入した。その結果、20年以上前に99.999%という高い納品率を達成し、徹底したローコスト運営を実現した。

 生成されたデータからインサイトを引き出し、即時に生かす。これはデータ活用における究極のTo-Beであり、これからさらなる成長を目指す企業にとっての課題だ。データ活用がさらに進むことで、例えば人材不足が深刻化している物流業界などでも、貨物データに応じて配送センターを使い分けたり、天候の移り変わりや交通事情をAI(人工知能)に計算させてトラックルーティングを動的に変更したりするといったことも夢ではなくなるかもしれない。

 そのためには、データからインサイトを引き出すスピードを高める必要がある。これから勝ち残っていくのは、刻一刻と変化する状況にスピーディーに対応し、時代に適応できる企業だ。

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提供:インターシステムズジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2020年8月18日

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