Wi-Fiアクセスポイントとエッジコンピューティングの融合で解決する3つの課題エッジ機能は現場の課題をどう解決する?

今やオフィスや商業施設などに限らず幅広いシーンで利用されているWi-Fi。Wi-Fiのアクセスポイントがエッジコンピューティングの能力を持つことで、高速処理、高速ダウンロードや大幅なコスト削減を実現できるという。

» 2020年07月29日 10時00分 公開
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 IoT(モノのインターネット)技術の進展やデバイスの高度化などによって、ネットワークを介してやりとりされるデータ量は年々増え続けている。それに伴いネットワークインフラ構築や運用の複雑化、コストの増大が課題となっている。

 ネットワーク運用担当者を悩ませるこの問題を解決するために、デバイスやセンサーに近いネットワークの終端でデータを処理するエッジコンピューティングをWi-Fiのアクセスポイントに実装した製品がある。ネットワーク負荷の低減や運用の簡略化、コスト削減といった効果が期待されている。今後、IoTセンサーを使った顧客の購買行動のリアルタイム分析や、増加するデータをネットワークエッジで処理する、といった応用も考えられる。

Wi-Fiアクセスポイントがエッジコンピューティング機能を持った「Relay2」

ティーガイア 進藤暁俊氏

 「私たちはIoTデバイスなどの端末に最も近いWi-Fiのアクセスポイントに着目し、エッジコンピューティングを活用することを考えました。それが『Relay2』です。高性能なネットワーク機器であり、かつ高機能なエッジコンピューティング機器でもあります」と、ティーガイアの進藤暁俊氏(ソリューション事業本部ネットワークソリューション部ネットワークソリューションチーム)は同製品について説明する。

 Relay2を簡単に説明すると、“Wi-Fiアクセスポイントと小型コンピュータを統合したデバイス”だ。Wi-Fiデバイスとして見ても大きなメリットがある。導入時に複雑な操作を必要としない設計思想でゼロコンフィギュレーションを実現し、Relay2の管理用クラウドに接続して自動的に端末の接続パラメーターなどを設定する。

 アクセスポイントもRelay2の管理用クラウドで一元管理できるため、複数のRelay2がそれぞれ離れた場所に点在していても簡単に統合管理できる。ネットワークの利用状況や通信状態なども管理用クラウドに収集して分析し、パフォーマンスをリアルタイムで把握できる。

Relay2の仕組み(出典:ティーガイア)《クリックで拡大》

Relay2の3つの機能とユースケース

 ここからは、Relay2の機能とユースケースを紹介しよう。

 1つ目はエッジコンテンツホスティングと呼ばれる「ストレージ機能」だ。Relay2のアクセスポイントに動画やドキュメントなどのコンテンツファイルを格納し、ユーザーに提供する機能だ。

 例えば、セミナー会場で多数の来場者にWi-Fi環境を提供しつつプレゼンテーション資料をデータで配布する際、通信遅延などのストレスを与えることもない。またBCPの一環として災害などの緊急時に必要な情報をRelay2に保存しておけば、バックホール回線が切断されてもRelay2に保存された避難所の場所などをWi-Fiを通じて閲覧できる。

Relay2のストレージ機能(出典:ティーガイア)《クリックで拡大》

Windowsのアップデート問題を解消する「キャッシング機能」

 2つ目は「キャッシング機能」だ。あるPCが取得したデータをRelay2にキャッシュすることで、他のPCにも同じデータを効率良く配布できる。この仕組みは「Windows Update」にも役に立つ。これについて進藤氏は次のように説明する。

 「『Windows 10』の更新プログラムは『Feature Updates』と呼ばれる年に2回の大型アップデートと、『Quality Updates』という月に1回のアップデートがあります。特にFeature Updatesはファイルサイズが大きく、社内のネットワークに大きな負担を掛ける可能性があります。アップデートファイルをRelay2にキャッシュしておくことで他のPCに短時間で効率良く配布できます。Microsoftは、Windows Update時にWSUS(Windows Server Update Services)に大きな負荷がかかることを課題に感じていました。そこで、Relay2のエッジコンピューティング技術に着目し、当社と連携して開発を進めました」(進藤氏)

キャッシング機能で効率的なWindows Updateを(出典:ティーガイア)《クリックで拡大》

バスやイベント会場などでも工事不要でWi-Fi環境を構築可能な「ワイヤレスバックホール機能」

 3つ目は、携帯キャリアのLTE回線を利用した「ワイヤレスバックホール機能」だ。Relay2にLTE対応USBドングルを挿すだけで、携帯キャリア回線を活用したバックホールを簡単に導入できる。これを利用すればバスなどの移動体や臨時のイベント会場、小売店舗、建築・工事現場など、回線敷設が難しい環境でも工事を伴わずWi-Fiを提供可能だ。

 「ドラッグストアチェーン『トモズ』は、Relay2を活用して顧客向けのフリーWi-Fiサービスを提供しています。LTE回線を利用することで煩雑なWi-Fi環境の敷設工事が不要になり、有線で構築すると約3カ月かかるところを1カ月で約200店舗にRelay2を導入できました。機器を導入後に遠隔からアクセスポイントを運用管理できる点も高く評価され、将来的にはエッジコンピューティングを活用したデジタルサイネージへのコンテンツデータの一括配信なども検討しています」(進藤氏)

LTEドングルを挿すだけで簡単にバックホール回線の構築が可能(出典:ティーガイア)《クリックで拡大》

さらに広がるエッジコンピューティングの可能性

 ティーガイアによれば、Relay2によるエッジコンピューティングの活用に関心を示す顧客が増えているという。店舗、オフィスの監視カメラのリモート管理やクラウドストレージと連携した高速なファイル共有、エッジ機器を用いたセキュアなリモートアクセス、Wi-Fiログを利用した顧客行動分析とマーケティング、デジタルサイネージへの広告配信などだ。

 進藤氏は最後に今後の取り組みについて次のように語った。「エッジコンピューティングは、今後さまざまな応用が期待されている技術です。ティーガイアは、グループ企業である住友商事や開発ベンダーと密に連携し、開発元である米国Relay2の協力も得て、多様な価値の創出と提供を目指しています。全国をカバーするサポート体制も有しているため、場所や地域を選ばずに安心して最先端のWi-Fi環境を導入、運用できます」(進藤氏)

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提供:株式会社ティーガイア
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2020年8月20日

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