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» 2020年10月23日 10時00分 公開

ニューノーマル時代の情シス 最新意識調査(2):もう一度生まれ変わっても、あなたは情シスの仕事をしますか?【情シス意識調査】

テレワーク対応で多忙な中、予算は増えず、人も増えない。「八方ふさがり」「四面楚歌」――。そんなネガティブな言葉が浮かぶ状況かと思いきや、調査によると予想外の希望の光が見えてきました。調査結果から情シスの未来を占ってみましょう。

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 本稿はデル・テクノロジーズが実施したコロナ禍以降の最新の意識調査の結果を基に、日本企業の情報システム(以下、情シス)部門が抱える課題を考察しています。調査はデル・テクノロジーズで主力製品のサーバ「PowerEdge」を担当するデータセンターコンピュート&ソリューションズ事業統括部門が「情シス意識調査」として昨今の情勢を踏まえて情シス部門を対象に2020年9月に実施したものです。調査は全企業を対象にオンラインで実施し、356社からの回答を得ました。回答企業の割合は企業規模3000人以上の企業が26.3%、300人以上3000人未満の企業が46.4%、300人未満の企業が27.3%です。

 前回の記事では現状のITインフラを抱えたままニューノーマル時代のニーズに対応できずにいる情シスの苦悩と危機的状況が明らかにしました。第2回の今回は、苦境の中にあって情シスの皆さんがどう奮闘し、何に希望を持っているのかを見ていきます。

 その結果は、調査主体である私たちデル・テクノロジーズのデータセンターコンピュート&ソリューションズ事業統括部門も心を動かされるものでした。

8割の情シスが「忙しくなった」

 新型コロナウイルス感染症がメンタルヘルスに与える影響を筑波大の研究チームが調べたところ(注1)、感染拡大でストレスを感じたと回答した人が8割に上ったことが報告されました。自身や家族の感染リスク、外出自粛に伴い日常の活動に支障が生じたことなどが要因とされています。

注1:筑波大学医学医療系 臨床医学域 災害・地域精神医学「新型コロナウイルスに関わるメンタルヘルス問題の総合調査研究」の中間結果による。


 通常とは異なる生活環境に慣れなければならない上に、仕事では予期しない業務も増えたものと思います。情報シス部門は特にテレワークへの環境移行で多忙を極めたことでしょう。

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 デル・テクノロジーズで主力製品であるサーバ「PowerEdge」を担当するデータセンターコンピュート&ソリューションズ事業統括部門は、2020年9月に全企業の情シスを対象とした調査「情シス意識調査」を実施し、356社からの回答を得ました。

 この調査の中で情シスの皆さんに「忙しさ」を尋ねたところ、約8割が「忙しい」と回答しました。

 昨年の今ごろは働き方改革が進み始めた時期でした。情シスの職場にも変化の兆しが見えて喜んだのもつかの間、感染症の拡大で状況は大きく変わりました。従業員のテレワークを支えるために、情シスの方々の中には会社に遅くまで残って対応策に四苦八苦したり、混雑を避けて早朝に出勤したり、果ては泊まり込んで対策した方もいたといいます。この情シスの方々が、現代の企業のインフラである会社の生命線支えています。まだ忙しい状況が続く方も多いことと思います。この場を借りて敬意を表したいと思います。

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情シスの増員計画があるのは、わずか4分の1

 情シスの皆さんがとても忙しい日々を送っているにもかかわらず、人員を増やすと考えている企業は現時点で全体の4分の1に過ぎないという事実が今回の調査で判明しました。

 現在の多忙な状況は一時的なものと考えることはできないようです。本来はデジタルを活用してビジネスの品質や生産性を向上させる準備をしなければいけないと思いますが、それ以前の状況であることが分かりました。

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 人員増加が難しくてもIT予算の規模が増加すれば、外部のリソースなどを使って新しい試みに挑戦することもできるでしょう。しかし、予算面での増加傾向は約3割にしか見られず、人員の増員計画と同様に厳しい現実がうかがえます。

 過去、IT予算は企業の収益に連動して決定されていた時代もありましたが、今回の調査からは全体の28%の企業が今後のIT予算を削減していくことが判明しました。

 2008年に発生した世界的な金融危機「リーマンショック」を端緒としたIT投資の冷え込みを思わせるようなデータが判明したことで、今後の動向を注視する必要があるかもしれません。

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半数の情シスが高いモチベーションを持つ

 今回の調査には、とても感動的な結果もありました。

 情シスの方々は「とても忙しい」「しかし人員増加はままならない」「予算も増える傾向がない」と、四面楚歌ともいえる厳しい状況にあります。こうした状況の中で、当の情シスの方々はどのような気持ちで働いているかを尋ねてみました。

 すると、約半数に当たる49.6%の情シスの方々が高いモチベーションを持っていることが明らかになりました。現在はIT人材不足であり、人材そのものの流動化も進んでいることから、調査前は「モチベーションの低い情シスが多いのでは」と危惧していましたが、その心配は杞憂に終わりました。困難な状況にありながらも、半数の情シスは士気が高い状態を維持できています。

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 ただし、企業規模別にみると結果にはバラツキがありました。従業員数3000人以上の大企業では、69%ほどの情シスが高いモチベーションをキープしています。しかし、従業員数300人以上3000人未満の中堅企業規模になると、高いモチベーションを維持する割合は全体平均を少し下回って44%ほどという結果になりました。さらに、従業員300人未満で高いモチベーションを維持できているのはわずか35%程度でした。つまり、企業規模が小さいほど情シスはモチベーションを維持しにくい状況が明らかになりました。

 現在はコロナ禍への対応などのため、一時的に幾つもの用件が一度に情シスに要求されていると思います。大企業のように、ある程度の人員を抱える情シス部門であれば、さまざまな課題を同時にこなせるかもしれません。しかし、中堅・中小企業の規模となると情シスを担う人材は少ないことでしょう。中には1人であらゆる課題に対応する「ひとり情シス」もいます。そうした方々が、ともすると業務過多になっている恐れがあることが分かりました。規模の小さい企業ほど、情シスに大きな負荷がかかっています。経営層や周囲の従業員の皆さんには、どうか状況を理解、配慮していただくことを私たちは切望します。

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情シスに必要なのはIT以外のスキル

 今回の調査で、情シスの方々がさまざまな業務で多忙を極める実態が裏付けられました。業務が格段に増えたものとしては、エンドユーザーとのコミュニケーションが挙げられています。テレワークでのWeb会議やネットワーク環境整備、PCのセットアップなど、一度にさまざまなユーザーへの説明や確認が増えたことでしょう。さらに、事業継続を目的とした、システム改変ないし暫定的な運用を強いられた場合にはビジネスマインドを持ったハイレベルなコミュニケーション能力を問われたものと思います。

 他にも、前回のレポートでもお伝えした通り、若手の育成やベテランのスキル継承といった課題に加えて、チーム力強化や関連部署の支援体制、ひいては経営層とエンゲージメント強化など、全方位で関係性を高めることも求められています。

 今回の調査では、「今後どのようなスキルを得ていきたいか」という質問を設けました。その意図は「必要なスキル」として挙がったものが、回答者の職場で今求められているものだからです。結果を見るまで、私たちはIT関係の技術的なスキルが上位を占めると想像していました。しかし結果は、マネジメントやコミュニケーションなどのビジネス一般のスキルを重視する傾向にありました。

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 最も高かったのが「マネジメントスキル」で、36.4%を占めていました。3位には「コミュニケーション能力」が入っており、ベスト3のうち、2つが純粋なITスキルではありませんでした。もともと情シス部門の業務は技術だけでどうにかなるものではないと考えられてきました。今回の調査結果から、現在の情シスには、チームや組織をマネジメントする能力、関連部署とのコミュニケーションがさらに必要になっていることが判明しました。

 また、デザイン思考アプローチが27.3%と6位に入っており、従来のシステム開発の発想とは異なるものが求められている様子がうかがえました。このようなニーズは今までの情シスの業務ではなかったものですが、今後、組織にデジタルトランスフォーメーション(DX)を引き起こすには必要なものとなるのかもしれません。

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情シスの仕事の満足度は平均より高いか低いか

 数年前、「日本人の『仕事満足度』は世界最下位!」というニュース(注2)が衝撃と共に駆け巡ったことがあります。

 一般的に私たち日本人は、自身に「仕事人間」というイメージを持ったり、実際に「仕事がライフワークだ」と語る人がいたりすることから、比較的仕事の満足度が高いのではないかと想定していました。しかし、先述の調査では、世界26カ国を比較すると日本の仕事満足度が最も低い結果となっていました。

 一般的に、顧客満足度調査などで日本人は厳し目の評価をする傾向があるとされていますから、他国と同じには評価しにくい面もあります。それでも「仕事満足度が高いわけではない」という事実は正しく認識すべきものでしょう。

 過去に内閣府も日本企業で働く人の仕事満足度を調査しています(注3)。この調査の質問と同じ内容を今回の調査でも尋ねており、情シスの仕事満足度を全体平均と比較してみました。

 情シスの仕事は2000年代ごろに「きつい、汚い、危険」と不人気な要素がそろった「新3K職場」とやゆされたこともあり、今でも悪いイメージを持たれやすい状況にあります。働き方改革で状況が変わった今でも、実際に過酷な職場があることも耳にします。その現実がどうなのかを知りたかったのです。

 調査の結果は意外にも、「とても満足している」「満足している」と回答した割合が、内閣府の全体平均(55.4%)を4.3%も上回っていたのです(59.7%)。サンプルの母集団が同一ではないので正確な比較はできませんが、他の仕事と比べたときに「情シスの業務が特に厳しいわけではない」と考えられる結果になりました。情シスも厳しいことには変わらないかもしれませんが、他の仕事も決して楽ではなく、また正当に評価されていないなど不満が多くなっているのかもしれません。

 最近では他の業務と比べると情シスやITの仕事はテレワークに対応しやすいため、IT業界を目指す人が増えつつあるとの話も聞きます。

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注2:ダイヤモンドオンライン2017年2月3日「世界最下位!日本人の『仕事満足度』はなぜ低いのか」(http://blog.indeed.com/hiring-lab/indeed-job-happiness-index-2016/)による。Indeedによる世界満足度調査「The Indeed Job Happiness Index 2016」などを基にした報道。
注3:内閣府「平成21年度 インターネット等による少子化施策の点検・評価のための利用者意向調査 最終報告書」第2章4.(2) 仕事の満足度(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/research/cyousa21/net_riyousha/html/2_4_2.html


「もう一度、社会人をスタートするなら情シスがいい?」

 今回の調査では「もう一度新卒で就職するとしたら情シスのキャリアに就きたいですか?」という質問をしています。

 この問いに対して、回答者の7割を超える方々が、再び新卒で就職したとしても「情シスのキャリアに就きたい」と回答しました。つまり、現在は満足していない方がいるものの再度情シスのキャリアに挑戦したいと考える人が多いということです。情シスの業務にもさまざまな苦悩もあり、変化に対応する必要があるかと思いますが、再度情シスの仕事に就きたいと考える方がいることが、デル・テクノロジーズの私たちからしてもうれしく、さらに応援する決意が高まりました。

本稿の基になった調査結果の詳細をダウンロードできます

 今回で第二弾となる「情シス意識調査」ホワイトペーパーは、この記事ではカバーし切れていない詳細な図表や説明も加わり、情シスの今後のキャリアなどの詳細、役職や企業規模別の調査結果のクロス集計などが記載されており、所属企業やご自分自身との比較ができるものと思います。ぜひダウンロードしてご覧ください。


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