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» 2021年01月20日 10時00分 公開

調査で判明「DX推進が停滞した企業」の特徴6つと解決策「2021年度版 DX動向調査」結果速報(1)

デル・テクノロジーズは、従業員数1000人を超える大手企業を対象に2度目のDX動向調査を実施しました。DX推進が停滞した企業の特徴的な傾向が見えてきました。対策を考えます。

[PR/ITmedia]
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 2020年は誰にとっても忘れられない年になると思います。いままで当たり前だった事ができなくなり、空気のように感じていたものがとても大切だったと気付くなど、価値観や考え方の見直しを余儀なくされました。

 思い起こせば、1年前の今頃は4年に一度の大規模なスポーツイベントに期待し、多少の景気の陰りはあれどもまだまだ好景気で、新しい十年が素晴らしいものになると感じていたことと思います。特にITに関しては「デジタル元年」として大きな変化が起きる可能性に期待が大きかったことでしょう。

 サーバ製品「PowerEdge」を担当するデル・テクノロジーズ インフラストラクチャ・ソリューションズ統括本部は2020年に続き、従業員1000人を超える国内ユーザー企業の情報システム部員関連者を対象に「第2回 デジタルトランスフォーメーション(DX)動向調査」を実施しました。

 回答企業は従業員数1000人以上の大手企業661社で、国内企業の15%に相当します。調査は、自社のDXの概要や推進組織、予算状況、インフラ方針、テクノロジー採用の状況など71項目にわたります。

DXの正しい認識が形成される

 デジタルトランスフォーメーション(DX)が注目のキーワードになって何年かたつにもかかわらず、その定義や共有認識が曖昧だと感じたことはないでしょうか。

 2020年は突然のテレワーク対応に尽力した企業が多かったことと思います。これまでテレワーク環境が実現できていなかった企業にとっては大きな変化であることは間違いありませんが、これがDXだと胸を張るべきものでしょうか。

 確かにデジタル化した部分があるとはいえ、本質的にデジタルが戦略的に利用されているかというと、少し疑問が残ります。そこで今回の調査は、まずDXに関して各企業がどのような定義をしているかを調査しました。

1 言葉の認識

 調査前は「DXの定義は会社や立場によって曖昧なものである」と予測していました。しかし調査結果を集計してみると、極めて正しい認識がされていることが分かりました。

 「ビジネスプロセスを革新し」競争力を増すことと認識している企業が全体の58.9%を占めており「従来のITとは異なる新しい技術を駆使して変革することがDXだ」と認識している方が半数を超えていたのです。反対に、テレワークの実現や従来のITのことをDXと認識している層は少数派でした。DXという言葉が「従来のITの延長上にはないもの」と認識されていることが判明しました。

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デジタルトランスフォーメーション(DX)の言葉が世に出てから6年ほどたちます。共通な認識を持つことが難しいこの言葉ですが、実際に従業員1000人以上の企業について実態を調査したところ、予想以上に変化の兆しが見えてきました。

DX推進企業は1割にも満たない

 2020年の調査では、DXの進捗(しんちょく)状況に関して、企業の段階を5カテゴリーに分類しました。今回も同じ内容で調査を実施し、その変化を探りました。

 その結果、「DXが自社DNAに組み込まれているデジタルリーダー」は2020年の2.9%から2.8%にダウンし、その一歩手前の段階である「成熟したデジタルプラン、投資、イノベーションを確立しているデジタル導入企業」も6.1%から5.9%へダウンしました。この2つのカテゴリーが「DX推進企業」に相当するのですが、双方を合わせても全体の8.7%に過ぎません。このことから、日本でDXに対応する企業はわずか1割にも満たないことが判明しました。

 経済産業省は2020年12月28日に「DXレポート2 中間とりまとめ」を発表しました。経済産業省が2019年に策定したDXの自己診断指標「DX推進指標」を基に情報処理推進機構(IPA)が分析した企業の自己診断結果によれば、9割超の企業で対応が不十分であることが分かりました。こちらも、コロナ禍以前とほぼ変わらないという内容で、同じような結果でした。

 「第2回 デジタルトランスフォーメーション(DX)動向調査」では、3つ目の段階である「デジタルトランスフォーメーションを徐々に採り入れ、将来に向けたプランを策定しているデジタル評価企業」は44.1%から48.4%へアップしており、DXを評価している企業は前回調査と比べて約5%増加していることが分かりました。

 4つ目の段階である「デジタルへの投資はほとんど行っておらず、取りあえず将来に向けたプラン策定に手を着けたデジタルフォロワー」は28.8%から31.7%にアップ。最後尾の「デジタルプランがなく、イニシアチブや投資も限定されているデジタル後進企業」は、18.1%から15.9%にダウンする結果でした。

 以上のことから、DXに取り組んで評価を実施し、プランを策定する段階にある企業は増加していることが分かりました。しかしその一方で、2020年はDXを推進していた企業であっても、環境の変化に対応しつつ企業競争力を維持することが難しかったことがうかがえる結果となりました。

2 DX進捗(しんちょく)のポジショニング

9割の企業がDX推進を「足踏み」その原因は

 2020年は予想し得ない環境の変化が起こり、DXの状況にかかわらず、さまざまな計画が予定通りに進まなかった企業が少なくないことと思われます。しかし、この環境の変化は経営層がITやデジタル化の重要性を理解するきっかけとしての側面もありました。これがデジタル化への追い風になっている企業もあることでしょう。

 ただし、DXを進めるには企業文化をより柔軟に変革しなければならないなど、根本的な構造の問題が考えられます。そこでその原因を探ったところ、特徴的な6つの事実が判明しました。

3 足踏みする企業の特徴

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1000人以上の従業員を抱える日本企業への調査から、デジタルトランスフォーメーション(DX)では投資対効果の評価に苦慮する企業が多いことが判明しました。併せてDXで財務的な貢献、競争優位を実現している企業はどの段階にいるのかも明らかになりました。

柔軟で高速な意識決定が求められるIT投資計画

 今回の調査では53.5%の企業が「ITの投資計画を立てにくい」との意見を寄せました。確かに、昨今のダイナミックな環境変化のために予定していた計画が滞り、突発的な割り込み処理への緊急対応などが連発して、当初の計画が成り立たない事案もあったことと思われます。

 高名な経営コンサルタントの方が昨今「中期経営計画というものはほとんど役に立たない」と指摘するように、誰にも予測できない変化が起こることは少なくありません。そうなると、ゴールは設定しても計画は柔軟に、意思決定は迅速にできる体制の会社の方がDXに適していると言えます。投資計画が立たないことを憂うより、環境の変化に合わせてスピーディーに意思決定できる会社にならないとDXは難しいのかもしれません。

DXのビジョン策定も一つの壁

 いまやDXを全く無視する企業はまずありません。DXの取り組み方に悩み、試行錯誤で苦しんだとしても、全ての企業はDXを「積極的に取り組むべきもの」と考えていることでしょう。しかしながら、「明確なDXのビジョンを持つ」と答えた企業は、わずか11.3%に過ぎませんでした。DXを実現することは大変なことだと認識されていますが、ビジョンを検討して作成するスタート自体も決して簡単なことではないと認識されていることが分かります。また、DX実現をするためのPoC(概念実証)に着手できていない企業も約半数の45.1%存在していることから、DX実現にはまだまだ大きな隔たりがあることが判明しました。

DX担当部署の変化がもたらす混乱

 DXを担当する部署に関してはさまざまな意見があります。「やはり情報システム部門が主体的に絡むべきだ」という意見もあれば「戦略に近い経営管理部門がつかさどるべきだ」、さらには「現場を知る事業部でやるべきだ」など、さまざまな議論が繰り返されます。そのうえ今回と前回の調査から、この1年で担当部署が変化した状況もあることが分かりました。

 前向きにDXが進むのであれば良いのですが、たらい回し的に担当部署の変更をするのであれば、DX実現からはどんどん懸け離れていく可能性があります。「担当部署が変更になり、それまでの計画や進捗を何度も新規担当部門に説明することになった。それまでの進捗の悪さに小言を言われたりして、鳴り物入りのスタートをしたものの、実行部隊である現場を掌握できずにどんどん深みにはまっていく」というコメントも実際に聞かれました。

人材と予算が投資されにくい理由

 DXが進まない理由はどうだったでしょうか。進捗が思わしくない場合の決まり文句とも言えますが、人材不足と回答した企業は63.2%、予算不足と回答した企業は48.7%に上り、その実態が明確に現れました。しかも、このことは単に人材やIT投資への予算が足りないことを意味しているのではありません。DXに取り組むために今まで自社にいない人材を採用したり、前例のない給与基準で採用することを人事部門に納得させることなどを含んだ難しさです。

 また、IT投資のROIを45%の企業がしっかり検証している実態も調査から判明しました。通常であれば、これは正しいプロセスです。ただ「PoCは10個トライして1個でも成功すれば良いもの」と言われるように、最初から成功が約束されているものではありません。逆に、それは予測できないROIの投資案件を産むことになります。なかなか経理部の立場からは理解されにくいものでしょう。予算面から見ても、DXは従来のITの延長上にあるものではないと言えます。目に見えにくいものや効果の出にくいものへの投資を許容する体質の会社にならなければ、DX実現は難しいのではないかということが判明いたしました。

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ITベンダー不在では前に進めない

 メディアではたびたび報道されていますが、日本のIT産業の7割が販売側の人員であり、残り3割がエンドユーザーです。これは欧米諸国とは全く異なる構造です。しかし好意的に考えれば、エンドユーザー企業は自社で持つITリソースは最小限にし、常に外部ベンダーに競争をさせるメカニズムとなっていると言えるかもしれません。特に、DXはいままでのさまざまな発想を変化させる必要があります。その中で、ITベンダーとの依存関係を今回の調査で調べました。その結果、「ITベンダーがいないと全く回らなくなる」と回答した企業が24.9%、「ITベンダーがいないと今後のITの計画が立たない」と回答した企業が38.8%と、合計6割を超える企業がITベンダーへ強く依存していることが判明しました。

 ITに限らず、外部パートナーと補完関係を構築して体制を作ることは決して悪いことではありません。自社で持たないノウハウやアイデアを常に吸収できるなどの利点があります。しかし、計画レベルですら自社で立案できず、それもベンダー依存になってしまうと、DX実現が困難なものになってしまいます。技術的な部分は得意なベンダーから供給を受ければいいですが、自社の狙うべきビジネスモデルに熟知していなければ、計画は成しとげられません。また、それを実現したいという強い気持ちも必要になるでしょう。計画の中核の部分を自社で対応できている状況なのかは、いま一度冷静に考えなければならないかもしれません。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2021年3月31日