DXの土台を作れ 経営と開発を加速させるDevOpsに必要なもの

DXを実現する鍵の一つが、要件の急な変化にも応えられる開発、運用体制づくりだ。開発ツールや環境のアップデートに追従しつつ、現場の負担を軽減する体制とはどのようなものか。多くの開発、運用現場を知る専門家が出した答えとは。

» 2021年03月02日 10時00分 公開
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 デジタルトランスフォーメーション(DX)は企業にとって必須の取り組みになりつつある。DXは、業務やツールのデジタル化はもとより、業務プロセスの改善や新事業の創出、組織の変革、ひいては企業として社会課題を解決する手段にもなってきた。

 DX推進の鍵を握るのがスピードと柔軟性だ。上流から下流へ製品の完成度を高めるようなウオーターフォール型のソフトウェア開発のアプローチでは、激しい環境変化に追随することが難しい。製品やサービスを市場に投入する段階で、すでに上流の設計や仕様が時代遅れになっていることも少なくない。

 そんな中、システム開発やアプリケーション開発の現場で、クラウドやコンテナといったインフラの活用をはじめ、アジャイル開発やDevOps、CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)などのアプローチが普及しつつある。必要最低限の機能を備えたプロダクトを作り継続的に改善し続けることで、ニーズに合ったサービスを提供し続けることが可能になる。

NTTコムウェアの水谷 啓氏(ネットワーククラウド事業本部 DevOpsサービスセンタ長)

 ただし、こうしたインフラや開発手法の採用は簡単ではない。ITツールのように導入するだけで具体的な効果が期待できるものではなく、組織や文化、担当者の意識改革も含めた取り組みが必要だからだ。DXにおけるサービス開発の難しさについて、NTTコムウェアの水谷 啓氏(ネットワーククラウド事業本部 DevOpsサービスセンタ長)は次のように話す。

 「NTTコムウェアは、SIerとしてお客さまのシステム開発を支援する一方、自社製品開発のための先進的なインフラや開発手法の展開も積極的に進めています。そこで実感したのは組織や文化、技術、スキルなど、さまざまな制約の中で取り組みを進めることの難しさです。開発環境を整備するだけでも多くの試行錯誤が必要です」(水谷氏)

一筋縄ではいかないDevOps環境の整備

 さまざまな制約の中でDXの取り組みを進めることの難しさは、多くの企業に共通するのではないだろうか。開発にクラウドやコンテナを利用する際の課題について、水谷氏はこう指摘する。

 「クラウドやコンテナを使った開発や運用を始める際は、新たに学習しなければならない項目が多く、従来のノウハウやスキルが生かせないことも少なくありません。技術が急速に進化し、ソフトウェアのアップデート頻度も高いため、開発や運用担当者の対応も課題です。部門同士の壁が課題になることもあり、セキュリティやガバナンスの体系を新たに整備する必要もあります」(水谷氏)

 コンテナオーケストレーションの代表的なプラットフォームである「Kubernetes」は数カ月に1回アップデートを実施する。アプリケーションを開発しながら頻繁なアップデートに対応することは、開発者や運用者にとって大きな負担となる。インフラだけでなく、その上で動作するミドルウェアやフレームワーク、ツールについても同様だ。

 「DevOpsに必要なCI/CDツールやテストツールは、オープンソースソフトウェアを中心にそれらを組み合わせて使うことが有効です。どのツールをどう組み合わせるかは、目的や状況によって変わりますし、頻繁なアップデートに追随しながら機能を使いこなす必要があります。技術やツール、人材を確保しつつ、開発するプロダクトのセキュリティをどうやって確保するかなど、プロセスや組織を含めた取り組みが必要です」(水谷氏)

開発環境をサービスとして提供する「DevaaS 2.0」

 NTTコムウェアは社内導入などによる試行錯誤を重ね、知見やノウハウを蓄積して顧客にサービスを提供している。

 その中でDXに向けた開発を支援するクラウドサービスが、開発環境(Development)をサービスとして(as a Service)提供する「DevaaS 2.0」と、DevOpsサイクルの推進に必要なコンテナオーケストレーションプラットフォームを提供する「SmartCloud Duo」の2つだ。

 水谷氏は「DevaaSはもともと社内における開発プロジェクトのコスト削減と品質向上のために構築したもので、全社的に活用しながらサービスをブラッシュアップしてきました。DevaaS 2.0としてのリニューアルを経て、今では約1万VMに達しています。DevaaS 2.0は社内導入で培ったノウハウの集大成であり、CI/CDプラットフォームや開発者向けポータルを提供し、リリースサイクルの短縮化とソフトウェア開発の効率化を実現します」と話す。

 DevaaS 2.0が提供する機能は、開発者向けポータル、開発用クライアント(仮想デスクトップ)、CI/CDサーバ、試験サーバ、IAST(インタラクティブアプリケーションセキュリティテスト)サーバなどだ。

 開発者向けポータルは、必要な機能を備えた開発環境の作成やテナント管理などができる。CI/CDサーバは「Ansible」や「Jenkins」「Redmine」「Git」などの開発ツールに対応する。この他、各種テストやIASTを使った脆弱(ぜいじゃく)性検査やサポートサービス、導入支援サービスなど、開発に必要な環境をトータルで提供する。

開発者向けポータル画面でのテナント管理(出典:NTTコムウェア)

DevOps向けクラウド環境「SmartCloud Duo」

 SmartCloud DuoはDevaaS 2.0とコンテナオーケストレーションプラットフォームを併せて提供し、サービスの開発からテスト、本番運用までを支援するクラウドサービスだ。同製品について、水谷氏は「ソフトウェア開発環境および(顧客向けに展開する際の)本番環境のニーズに応えます」と話す。

SmartCloud DuoとDevaaS 2.0の概要(出典:NTTコムウェア)

 「開発者は、DevOpsサイクルの推進に必要なコンテナオーケストレーションプラットフォームを利用しつつ、簡単な操作で専用のコンテナアプリケーションプラットフォームであるRed Hat OpenShift環境を構築できます」(水谷氏)

 SmartCloud Duoが提供するポータルを使えば、開発環境と本番環境の両方を統合管理できる。各種ネットワークサービス(グローバルIP、ファイアウォール、ロードバランサー、DNSドメイン/レコード管理)を利用することでパブリッククラウドとの連携も可能だ。

 「簡単な操作で仮想サーバをインターネットに接続し、開発したアプリケーションを商用サービスとして即時に公開できます」(水谷氏)

 NTTコムウェアは、各開発工程に応じてセキュリティを確保する「DevSecOps」の取り組みとして、従来のソースコード診断、動的セキュリティ診断に加え、IASTツールの導入および展開に注力している。その成果はDevaaS 2.0に反映され、ユーザーはツールを使うことでDevSecOpsを推進できる。

 「DevaaS 2.0やSmartCloud Duoを利用することで、技術の進化や環境の変化にスピーディーかつ柔軟に対応可能になります。今後はデータサイエンスやAI(人工知能)などの技術を組み込みながら、パブリッククラウドが利用しやすい基盤の提供など、『Multi-Cloud/Seamless』を実現し、DXの土台作りに取り組んでいきます」(水谷氏)

※「SmartCloud(スマートクラウド)」、「SmartCloud」ロゴ、「DevaaS」は、日本国内におけるNTTコムウェア株式会社の登録商標です。

※その他、記載されている会社名、製品名、サービス名は、各社の商標または登録商標です。



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提供:エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2021年3月20日