なぜWeb会議ではオフィスと同様に会議ができないのか? 改善事例に学ぶテレワーク時代に最適なドキュメント共有基盤とは

コロナ禍によるテレワークの普及でWeb会議が当たり前になりつつある今、新たな課題としてコミュニケーションの量や質の低下が挙がっている。既存のWeb会議ツールだけではインタラクティブなコミュニケーションができない。対面と同様のライブ感のある会議を実現するには。

» 2021年04月21日 10時00分 公開
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 コロナ禍によってテレワークが定着しつつある今、オンラインでの情報共有に苦労している企業やコミュニケーションに不安を覚える従業員は多い。

 Web会議は説明者の顔が見える半面、書類や資料のどこを説明しているのかが的確に伝わりにくい。一方通行型のコミュニケーションを改善するためにはどうすればいいのだろうか。企業の導入事例から解決のヒントを探る。

会議のペーパーレス化が逆に非効率を招く事態に 業務改善のきっかけは

 鉄道向けの電気設備の計画や調査、設計および施工監理を主要事業とする日本鉄道電気設計(以下、NDS)は、主要顧客のJR東日本やその他の鉄道事業者にサービスを提供する企業だ。従業員数は約300人で、本店(東京)と東北支店(仙台)に加えて高崎と新潟など全国に4つの事務所を展開する。

NDS 末松政志氏

 NDSは業務のペーパーレス化を推進し、会議を効率化する方法を模索してきた。2015年には全従業員にiPadを配布して資料を共有する取り組みを始めた。同社の情報システムを管理する末松政志氏(経営・人財本部システム戦略ユニット)は「当時は、参加者がメールに添付された資料やサーバにある資料をiPadで閲覧する方法で会議をペーパーレス化しようとしました」と語る。

 だが実際に始まったペーパーレス会議には課題も出てきた。当時の会議の形式は、本店と各地方拠点をテレビ会議システムでつなぎ、参加者がiPadの画面をそれぞれ見ながら進行するものだった。発表者と参加者の画面は同期しておらず、「何ページ目の何行目」といったようにどのページを説明しているのかを都度口頭で伝えながら進めた。

 説明を少しでも聞き逃すといわゆる「迷子」の状態になる。追い付くまで右往左往しながらページをめくる必要があり、肝心の会議の内容が頭に入ってこない。iPadの横にノートを置いて手書きでメモを取る従業員も続出した。

 「当時の方法では、紙と違って資料に直接書き込めないことから、かえって不便に思う従業員もいたようです。各自で資料を開くのに手間取ることもあり、会議の進行に支障を来すこともありました」(末松氏)

 紙を利用した会議と同様の課題に悩まされたのでは、何のためのペーパーレス化か分からない。経営企画部(現 経営・人財本部)はiPadを使いこなすためにはどうすればいいのか検討を始め、下記の3点に重点を置いて複数のアプリを試用した。

  • 発表者が開いている資料のページと同期できる
  • 発表者と参加者が資料をレーザーポインターで指し示せる
  • 参加者がiPadでメモを取れる

 「会議は参加者が手元の画面を見ている状態で進むため、発表者が『ここは……』と言っても『ここ』がどこなのか分かりません。発表者と参加者で共有する資料を同期するだけでなく、指し示したいポイントも共有する必要がありました」(末松氏)

 幾つかのアプリを試用したが、画面に書き込んだメモがギザギザで細かい文字を書けなかったり、メモを保存できず後で見返すことができなかったりと、メモを取る機能に力を入れたものがなかなか見つからなかった。

 そんなとき、末松氏らは経営企画部とは別部署の従業員が利用していた「MetaMoJi Note」を知った。スタンドアロン型の同アプリはPDFデータにメモを書き込める機能を持ち、その従業員は現場調査に利用していた。同アプリを会議に使えないかと考えた末松氏らは、同等の機能を提供する会議用のクラウド版「MetaMoJi Share」に行きついた。

 末松氏のチームがMetaMoJi Shareを試用したところ、スムーズな手書きに加えてページやメモの同期も速く、レーザーポインターの機能も使えた。同氏らは2017年に会議での画像共有をMetaMoJi Shareに一本化することを決断し、全従業員300人のiPadに一斉導入した。

 「MetaMoJi Shareを使うことで、これまでiPadの操作にてこずっていた従業員にも業務でのiPad利用に慣れてもらうことが狙いでした。それだけの価値がMetaMoJi Shareにあると判断しました」(末松氏)

 NDSは、部門会議や経営陣が参加する会議をはじめ、多くの従業員が視聴する業務報告会といった主要な会議でMetaMoJi Shareを積極的に利用し、利便性をアピールした。その効果もあり、MetaMoJi Shareは会議を支援するアプリとして定着した。

双方向のコミュニケーションを実現 会議や現場でも利用が促進

 末松氏はクラウド版MetaMoji Shareを導入した効果について「会議の情報共有については狙った通りの効果が出ています。利用者がどこにいても資料を共有でき、ホワイトボードやプロジェクターなどを用意する必要がありません。少人数の会議でも積極的に使っています」と話す。

 事前にMetaMoJi Shareに資料を読み込ませておけばいつでも共有できるため、紙の削減はもちろんのこと、メールに資料を添付する必要もなくなった。印刷も不要になり会議資料の準備時間を削減できた。会議中に追加資料を差し込む際もシンプルな操作で実現できる。

 発表者と参加者の画面を連動させられるので、会議中に参加者が資料を見失う事態も避けられる。発表者が資料に書いた文字は参加者に共有されて、わざわざ口頭で詳細に説明する必要がなくなった。

 会議のメモを取りたいときは、MetaMoJi Shareの「プライベートモード」機能が役立つ。資料に書いた文字は自分にだけ表示されるため、メモを保存して会議後に見直すという使い方もできる。

 発表者に代わって、参加者が資料に書き込んだメモを他の参加者に共有したり資料のページを操作したりもできる。ブレーンストーミングをはじめ、インタラクティブなやりとりが必要な場合は非常に有効な機能だ。

 NDSは、2018年からWeb会議でMicrosoftのWeb会議ツール「Microsoft Teams」(以下、Teams)とMetaMoJi Shareを組み合わせている。音声にはTeamsを、資料共有にはMetaMoJi Shareを利用するといった使い分けだ。Web会議ツールの画面共有機能は誰か一人の画面を静的に見せるだけだが、MetaMoJi Shareを併用すれば複数の参加者が同じ資料に書き込みながら議論できる。

 NDSは、設計の現場でもMetaMoJi Shareを利用している。同社が使う設計図面は用紙の長さが数メートルにわたるものもある。これまで現場では紙の図面に文字を書き込んでいたが、PDF化した図面をMetaMoJi Shareに取り込むことにより、iPadで図面を拡大縮小しながらメモを書き込んで関係者で共有できるようになった。

 現場は野外なので、かつては紙が風であおられたり雨でちぎれたりするトラブルに悩まされていたが、その心配もなくなった。「iPadで撮った写真をMetaMoJi Shareにアップロードしてメモを書き込める機能は現場の従業員にも好評です。離れた場所にいる複数人が並行してリアルタイムで1つの図面にメモを書き込めるため、紙ではできなかった業務効率化を実現しています」(末松氏)

複数人同時書き込みの例(出典:NDS)

コロナ禍においてもコミュニケーションの質を確保

 コロナ禍の対応においてもMetaMoJi Shareは活躍した。もともとNDSは、コロナ禍とは関係なく働き方改革の一環として2020年4月から在宅勤務を試行する予定だった。2020年2月にTeamsを全社に導入し、在宅勤務用ノートPCの手配も始めていた。

 だが全従業員の在宅勤務の実施までは想定していなかった。2020年4月の緊急事態宣言発令時は東京本店の従業員を対象に在宅勤務を開始したが、全従業員にノートPCが行きわたらず配布済みのiPadを主要な業務にも利用した。同年5月時点の本店の出社率は2割程度まで抑えられた。

 iPadをはじめノートPCや社内のデスクトップPCにMetaMoJi ShareとTeamsが入っていたことが大きな助けになった。在宅と出社した従業員が混在していてもオフラインと同様の会議が可能だった。末松氏は「出社した従業員が会議室に集まることなく自席で会議に参加し、密を避けることができました」と振り返る。

 「当社は『会議といえばMetaMoJi Share』という体制が2017年の時点で完成していました。コロナ禍によって会議開催のスタイルが変わっても、コミュニケーションに大きな支障は出ませんでした」(末松氏)

今後は、社外パートナーとの情報共有も計画中

NDS 庄司大地氏

 MetaMoJi Shareは、社内コミュニケーションのドキュメント共有基盤としてNDSに定着した。同社でMetaMoJi Shareのユーザー管理を担当する庄司大地氏(経営・人財本部システム戦略ユニット)は、運用に手間が掛からない点をメリットとして挙げる。

 「ユーザーの管理はシステム管理者が担当していますが、資料の登録や権限を制限したフォルダの作成などはユーザーである従業員自身で実施しています。月間300回以上の会議が作成され、対面での打ち合わせやTeams会議、現場調査など、業務の内容を問わず幅広く利用されています」(庄司氏)

 NDSは、採用活動にもMetaMoJi Shareを利用する。インターンシップに参加する学生にiPadを貸し出し、資料を共有しているという。業務内容の説明だけでなく、同社の仕事のスタイルを同時に体験できることは、応募者にとって良い効果を与えるだろう。

 末松氏は「MetaMoJi Shareのゲストユーザーの機能を使って、顧客や協力会社との打ち合わせで利用する機会を増やしていきたいですね」と今後の展望を語った。

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提供:株式会社MetaMoJi
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2021年5月11日