IT人材不足の中堅・中小製造業にDXは可能か 天野氏が問いかける「かっこいい製造業」への道筋中堅・中小製造業のDX

ベテランの大量退職時代まであと数年しか猶予がない中で、日本の経済を支える中堅・中小の製造業には何ができるだろうか。自ら製造業の経営者として活動するTeam Cross FA天野眞也氏から、中堅・中小の製造業が「現実的な形」でDXを進める際に必要な3つの視点を聞いた。

» 2021年07月27日 10時00分 公開
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 「中堅・中小の製造業だからこそのやりがいや面白さはもっと評価されていい」――。そう語るのは製造業のDX実践を指南した書籍『製造業DX 実践編』『製造業DX 入門編』『製造業DX カスタマーサクセス編』(いずれもTeam Cross FA刊)の著者であり、自らも複数のものづくり企業を経営、製造業DXから生産ラインの開発〜実装までを包括的に支援するコンソーシアム「Team Cross FA」のプロデュース統括も務める天野眞也氏だ。

 DX推進に失敗すると2025年の崖から転落してしまうのは大手企業に限った話ではなく、中堅・中小企業も同様だ。だがIT人材を十分確保できない中堅・中小企業の多くはデジタル化の道筋を描くことすら困難かもしれない。だが、天野氏はいますぐ「次の成長」を狙うチャレンジができる、と力説する。

 IT人材を十分に抱えられていない組織がDXを推進する方法はあるのだろうか。中堅・中小の製造業のDX推進は「承継と昇華」「組織の再生」「価値の再構築」がカギを握るという。その真意はどこにあるか。「ひとり情シスワーキンググループ」発起人であり、ITmedia エンタープライズの連載『IT革命 2.0』において日本の中堅・中小企業のDX推進を考察してきた清水 博氏が聞いた。

Vol.1 承継と昇華 ベテラン大量退職を前に、いまできることは何か

 私が企業に問いたいのは「自社固有のノウハウ」が本当に自社のモノになっているか、ということだ、と天野氏は語る。ベテランの頭の中にしかないノウハウは、近い将来やってくる大量退職時代とともに消えてしまい、自社の強みだと思っていたものが全て消失してしまうリスクがあるのだ。

 ベテラン技術者大量退職のリミットまであと10年を切った企業がこれから先も強みを生かすには、ベテランが「何げなくやっていたこと」の言語化と、それを生かして成長させる仕掛けをどこまで作りこめるかがカギだ。天野氏によれば、対策は決して大掛かりではなく、今すぐ実践できる手法があるという。

残り10年を切った製造業DXの転換への期限 いま着手すべきことは何か(画像をクリックするとリンク先で動画が再生されます)

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Vol.2 組織再生 中堅・中小製造業は自らの「うまみ」を忘れていないか? 

 中堅・中小企業だからこそフットワーク軽くチャレンジできることは実はたくさんある。だが、人手不足などのマイナスのイメージがあるのも事実だ。「せっかくやりがいがある仕事があっても、働き方や組織の問題で損をする中堅・中小企業は少なくない」と天野氏は指摘する。この状況を打破するカギは「かっこいい製造業」の姿を示し、現場の幸福度を上げる仕掛けにあるという。意欲ある若手を積極的に登用する天野氏が考える、変わる組織の作り方とは?

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Vol.3 価値の再構築 DXを「ひとり情シス」に任せずに実現する方法

 製造業がDXを推進するにはITとOTの融合が重要だ――。そう言われてもIT担当すら十分にいない中堅・中小企業からすると「じゃぁ、どうしろと? 」と言いたくなるのも無理はない。だが、天野氏によると、小さな組織だからこそ実行しやすい次世代のDX人材育成術があるという。DX人材が自分から育つチームを作る方法と、製造業DXが目指すべき方向、DX人材が見るべき情報を整理する。

中堅・中小の製造業がDXを「ひとり情シス」に任せずに実現する方法はあるか(画像をクリックするとリンク先で動画が再生されます)

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2021年9月10日

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