Windows 11の無償RPAツールはハイブリッドワーク時代の生産性問題をどう解決するか中堅・中小企業が無料で今すぐできる業務効率化の一手

「Windows 11」には、Microsoft製のRPAツール「Power Automate for desktop」が標準で搭載された。中堅・中小企業が今すぐ生産性を上げる手段として有効である上に、ハイブリッドワーク時代のパフォーマンス課題を解決する鍵にもなるという。

» 2022年03月24日 10時00分 公開
[PR/ITmedia]
PR

 かつての日本企業には新しい働き方が根付きにくい組織風土があったが、皮肉にもコロナ禍という外圧を機にテレワークが急速に普及しつつある。現時点ではこの状況がコロナ禍以前に戻ることは考えにくく、コロナ禍の終息後はオフィスワークとテレワークを組み合わせた「ハイブリッドワーク」が定常化すると考えられている。

 ハイブリッドワークによって多様な働き方を実現し、従業員がパフォーマンスを出せる組織になる過程には幾つかのハードルがある。今後人手不足が深刻化する中でより重要となるのが、「一人一人の生産性の向上」だ。大々的にシステムを導入して業務の自動化、効率化を図るのも一つの手だが、大企業ならいざ知らず、多額のIT投資が難しい中堅・中小企業ではシステム化に限りがある。

 こうした一人一人の生産性の問題を解決する鍵となるのが「Power Automate for desktop」だ。「Windows 11」に標準搭載されているツールのため、コストをかけずにすぐ使い始められる。本稿では、Power Automate for desktopがもたらすメリットについて解説する。

生産性向上の切り札「RPA」も中小企業にとってはハードルが高い

 新たな働き方を後押しする多様なITソリューションを提供するMicrosoftは、ハイブリッドワークの実現のために必要な要素として次の4つを挙げる。

  • どこでも働けること
  • 生産性を上げられること
  • セキュリティを高めて運用できること
  • 一貫して運用管理できること

 「生産性の向上」については、AI(人工知能)やビッグデータ、IoT(モノのインターネット)などの技術トレンドを取り入れながら大企業が中心となって進められてきた。この波は中堅・中小企業にも押し寄せるが、大々的なシステム化はハードルが高いのも現実だ。

マイクロソフトマスタートレーナー 赤井 誠氏

 しかし日本マイクロソフトのマスタートレーナーである赤井 誠氏によれば、業務効率化や生産性向上は大規模なシステム投資に頼らなくても実現できるという。

 「従業員一人一人が自身の業務を効率化するために工夫を凝らし、その実績を積み上げることで十分に生産性を向上させられます。RPA(Robotic Process Automation)を使った作業の自動化もその一つです」(赤井氏)

 同時に、「中堅・中小企業にとってRPAを導入するハードルは決して低くはありません」とも赤井氏は語る。RPA製品は1ライセンス当たり100万円を超えるものもあり、中堅・中小企業にとっては決して安い投資ではない。ROI(投資対効果)を出すために「RPAを導入したらあれも自動化しなければ、これも自動化しなければ」とプレッシャーを感じてしまい、結果的にハードルを自ら高くしてしまうケースが見られるという。

Power Automate for desktopでまずは足元の効率化から

 こうしたハードルを取り去るために、赤井氏は「初めから全ての業務を自動化しようとするのではなく、まずは部分的に個人の作業を自動化、省力化するところから始めること」を推奨する。

 「毎朝Webサイトの内容をExcelシートに転記する作業や、特定の業務に関連するファイルを集めてその一覧表を作成するといったルーティンワークを自動化するだけでも生産性向上の効果は十分に得られます」(赤井氏)

 ただし前述したように、既存のRPA製品は中堅・中小企業にとって安価なものではない。このコスト負担をなくすためにMicrosoftが採った手段が、WindowsにRPAの機能を標準搭載するという大胆な方法だ。2021年10月にリリースされたWindows 11には、Microsoft製のRPAツール「Power Automate for desktop」が標準で搭載された。Windows 11ユーザーは一切のコスト負担なしでRPAによる作業自動化を実現できる。

  「Windows 11はユーザーの生産性を少しでも向上させるためのさまざまな機能やUIを備えており、Power Automate for desktopの搭載もその一環です。Windows 11にアップグレードすれば無償ですぐに利用できるので、中堅・中小企業がRPAによる業務自動化を実現するにあたって強い味方になります」(赤井氏)

 なお、2021年3月から無償提供されていた「Power Automate desktop」は、Windows 11の登場とともに名称がPower Automate for desktopに変更された。「Windows 10」ユーザーもMicrosoftのWebサイトでダウンロードできる。

Excelのマクロが使えれば扱える簡単ローコードツール

 Power Automate for desktopの利用イメージは次の通りだ。

 Windows 11でPower Automate for desktopを立ち上げると、左ペインに「アクション」と呼ばれる部品が表示される。アクションとは、「ファイルをコピーする」「Webからダウンロードする」「メールを送信する」といった、デスクトップでよく行われる操作や処理を部品化したものだ。

 デフォルトでは約400種に上る構築済みアクションが用意されており、任意のアクションを作業フィールドに配置することで自動化する作業を定義する。マウス操作を記録するレコーダー機能によって、ユーザー定義の新しいアクションを登録することも可能だ。 処理の繰り返しや分岐などは、プログラミングに用いられる構文によって定義する。

Power Automate for desktopには豊富なアクションが用意されている(出典:日本マイクロソフト提供の画像)

 「少し複雑な処理を定義する場合はプログラミングが必要なため、Power Automate for desktopは『ノーコード開発ツール』ではなく『ローコード開発ツール』という位置付けです。日本では大企業から中小企業まで、Excelのマクロを使った業務自動化が浸透していますから、Power Automate for desktopで求められる程度のプログラミング知識であれば多くのユーザーはすぐに習得できると思います」(赤井氏)

 Microsoft製品だけあり、普段から使い慣れたWindowsや「Microsoft Office」と同じ操作で使える点も利用のハードルを下げる一因だ。

Excelに入力された情報からWordファイルを生成できる(出典:日本マイクロソフト提供の画像)

ある業務の効率化が別の仕事の効率化につながる「正のサイクル」を作る

 Power Automate for desktopによって身近な作業を自動化できればより少ない人手で業務を回せるようになり、人手不足の解消にも寄与する。人よりRPAの方が作業スピードも速いため、同じ時間でより多くの作業を完了でき、生産性も向上する。人手作業には付き物である人的ミスを削減する上でも効果が高い。

 「ミスによる損失やリスクを減らせるだけでなくミスが生じた際のリカバリーに要する時間も節約できますから、人的ミスの排除が生産性にもたらす影響は極めて大きいのです」(赤井氏)

 定型的なルーティンワークから従業員を解放して、より付加価値の高い仕事に集中させることでさらなる生産性や収益の向上につながるだろう。「ある業務の効率化が、さらに別の仕事を効率化する」という正のサイクルが回るようになれば、中堅・中小企業であっても来るハイブリッドワーク時代にふさわしい環境を整えられる。

 「RPAを使えば『どんな問題でも即座に解決できる』と過度な期待を抱いてしまう方もいらっしゃいますが、RPAは魔法のつえではなくできることは限られています。しかし、Power Automate for desktopはそのように大仰に捉えるべきものではありません。無償で使えるので気軽に身の回りの作業を効率化できます。 特定の日時や周期によるスケジュールでの実行、クラウド版『Power Automate』との連携機能などを持つ有償版の導入や、Power Apps などの他のMicrosoft 製品との連携によって、より高度な自動化が可能になります。まずはWindows 11の導入を機に、手軽に始めてみることをお勧めします」(赤井氏)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:日本マイクロソフト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2022年3月30日