老舗企業のITチームはなぜDXに失敗してしまうのか〜成功する「CCoE組織の組み方」

DX推進でまず改革すべきなのは旧来のIT調達の考え方やITマネジメント手法を踏襲するIT部門だ。DXの停滞に悩む多くの経営者やCIOが、この課題の解決策を探している。

» 2022年03月31日 10時00分 公開
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 日本企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の遅れと人材不足への危機感を示した経済産業省のレポート「2025年の崖」をきっかけに、多くの企業がDXを本格的に推進している。一方でDXが思うように進まない企業の経営層やCIOからは、次のような声が聞こえる。

  • 既存システムの運用管理に多くのコストがかかっておりDXの原資を確保できない
  • システムのインフラをオンプレミスからクラウドに移行させてみたものの、運用の手間やコストがオンプレミス時代と全く変わらない
  • 協力ベンダーに言われるままに新しい技術を取り入れてみたが、システムが増えただけで何の変革にもなっていない
  • 自社にも協力ベンダーにも、DXの推進に必要なクラウドなど最新技術の活用ノウハウがなく、どこから手を付けたらよいか分からない

リッジラインズの山本英雄氏

 「このような壁に突き当たるのは、そもそもIT部門がDXを推進する組織に変革できていないから」と指摘するのはRidgelinez(リッジラインズ) Technology Group Directorの山本英雄氏だ。

 「DXは『企業価値を高めるためのIT活用』だが、多くの企業のIT部門がこれまで担ってきたのは『コスト削減のためのIT活用』だ。両者は全く異なるものであり、コスト削減を目的に編成された組織と人材、考え方で活動してきたIT部門がいきなりDXに取り組むのは容易ではない」(山本氏)

 DXに取り組む以前にIT部門自身が変わる必要があるが「今までに確立したスキームやノウハウの蓄積が無駄になることに抵抗を感じる人が少なからず存在する。そのマインドに引っ張られて皆が変わらない、何もしない状況にあるIT部門をよく目にする」と山本氏は指摘する。つまり、DX推進はまずIT部門の改革が必要になる。

DX推進のためのIT部門変革を全方位で支援

 リッジラインズは現在、DX推進のために自らも変わろうとしているIT部門の変革を支援している。サービス領域は「マインド変革」「経営変革」「組織変革」「技術変革」「人材変革」「プラットフォーム変革」「セキュリティ変革」と多岐にわたり、技術面だけでなく「非テクノロジー」領域の改革も支援する。

デジタル変革(出典:リッジラインズ提供資料)

 マインド変革ではコスト削減のIT活用から価値創出のIT活用へと意識変革を促すとともに新たな役割に沿った活動指針の策定も支援する。

 「DX推進は、従来コストセンターと見做(みな)されていたIT部門がプロフィットセンターとして全社の業務に影響力を発揮する絶好の機会だ。会社に対してこれまで以上に貢献するまたとないチャンスだが、おじけづいてしまっているケースが見られる。初めに徹底的にマインドチェンジをしておくことが重要だ」(山本氏)

 リッジラインズ Technology Groupに所属するエキスパートの多くは大手SIerで企業のIT部門を支援してきた実績を持つ。IT部門のマインドや悩みを理解して適切に支援できる点が強みだ。

受託開発はせずIT部門の変革支援に特化

 経営変革では、運用管理に多くの予算を割く従来型のIT活用から、クラウドなどを活用した「持たざるIT」「俊敏なIT活用」に転換するためのビジョンや移行計画を策定する。組織変革では、既存システムの運用管理に比重を置く従来型のIT組織から、新たな価値創出に挑みながらスピーディーに試行錯誤を繰り返せる組織へと転換する。技術変革では、クラウドネイティブ技術の習得などを通じてDX推進に有用な技術体系への移行を図る。もちろん、技術を変えるには、それを使う人材のスキル転換も必要となる。人材変革では既存のIT人材に対する技術のインプットを図る。

 「外部からDX推進に通じたスター人材を呼び込める企業はほんの一握りだ。一般的な企業がクラウドなど最新のITに精通した人材を獲得するのは極めて難しい。こうした組織では、変革で必要になる技術を既存のIT人材にインプットするアプローチが現実解になる」(山本氏)

 リッジラインズは、企業の状況に応じて求められる「IT人材モデル」を構築するところから、それに沿って人材育成プログラムのメニューを作成し、スキルチェンジやリスキリングを図るところまでをトータルで支援する。

 プラットフォーム変革は、オンプレミスからクラウドへの移行を中心とするインフラの変革を、セキュリティ変革ではゼロトラストなどクラウドに適合したセキュリティ施策への転換を支援する。

 なお、これらの変革支援においてリッジラインズが何らか受託開発を受け持つことはない。「支援の過程で概念実証(PoC)をサポートしたり、トライアルプロジェクトで実作業を担当したりすることがあっても、同社はあくまでも変革の支援に徹する」と山本氏は話す。

組織横断のCCoEを立ち上げ、ITコスト構造の変革から支援

 支援活動では「クラウド活用をリードする組織『Cloud Center of Excellence』(CCoE)を立ち上げ、CCoEチームを中心に活動するケースが多い」とTechnology Group Senior Managerの篠田尚宏氏は説明する。

 「お客さまの既存のIT組織に当社のエキスパートが加わり、クラウドの活用に適した組織を作る。重要なのは事業部の方をメンバーに加えた上で経営層の支持を受けること。当社の場合、ほとんどのお客さまがこの体制をとっている」(篠田氏)

クラウドネイティブ化の推進(出典:リッジラインズ提供資料)

 この時、最初にメスを入れるのがコスト構造だ。冒頭で示したように既存システムの運用管理に大半の予算を割くことがDXへの投資余力をそいでいる。まずIT予算を精査し、現状のコスト構造を明らかにする。

 「手作業を前提に個別最適なプロセスで運用されてきたオンプレミスのシステムを、自動化を前提としたクラウドネイティブなものに作り変えていけば、いずれは大幅にIT運用コストを下げられる。数年がかりになるケースもあるが、作り変えてしまえばDX推進の原資を生み出せる」(山本氏)

 将来のあるべき姿をどう描くか、そこに至るステップをどう組み立てるかといった長期的な計画策定が必要になるが、この部分もリッジラインズが支援する。

協力ベンダーの見直し、スキル変革の支援も

 DX推進に当たってはIT部門の組織改革と同時にITベンダーとの関係見直しやスキル変革も大きなテーマとなる。

リッジラインズの篠田尚宏氏

 IT部門がシステム開発や運用の実務を外部のITベンダーに委託している場合は、社内に技術ノウハウの蓄積が十分ではないこともある。経営層から「DX推進」「クラウドシフト」のお題が降りてきたとしても、何から始めたら良いか分からず、取引のあるITベンダーやSIerに相談するしかないと悩む企業もあるだろう。

 「相談を受けたITベンダー、SIerが従来型のITサービス提供モデルを踏襲している場合、DX推進を目指すに当たり有用な回答は得にくく、パートナーとして適切ではない可能性がある。当社であればDX支援で実績のあるSIerを紹介できる。一方で既存のITベンダー、SIerとの取引継続が前提の場合は、ベンダー、SIerのスキル変革を含めてリッジラインズが支援することも可能だ」(篠田氏)

クラウドの知見が足りないITベンダーと取引を続けることのリスク、内製化の意義

 リッジラインズは、これまでDXに取り組む多くの企業の変革を支援してきた。物流・運輸業を営むある企業は、オンプレミスのシステムをクラウドに移行したものの、品質に問題があり、立て直しを目的にリッジラインズに支援を依頼した。Technology Group Managerの藤井崇志氏は次のように振り返る。

 「このお客さまは長年、オンプレミスの商品管理システムの構築や運用を協力ベンダーに委託していた。インフラ運用コストの削減などを目的にそのシステムをパブリッククラウドに移行した結果、さまざまな問題が生じていた」(藤井氏)

リッジラインズの藤井崇志氏

 ITベンダーにクラウド活用のノウハウが乏しく「単にオンプレミスのシステムをクラウド(IaaS)に載せ替えた」結果、クラウド特有の問題に対処しきれなかったことが原因だった。自社で運用を巻き取ろうにも、社内にスキルのある人材がいなかったため、身動きが取れない状況になってしまった。

 危機感を抱いたこの企業は、自社で課題解決に取り組む体制をつくることを決断。リッジラインズの支援でアーキテクトチームを立ち上げ、同チームを中心にしたCCoEを組織してシステムの見直しなどを進めたという。

クラウド化に伴う運用組織のトランスフォーメーションも支援

 クラウドへの移行を機に運用組織の変革を進める企業もある。ある小売業は長年にわたり開発と運用を分けた組織体制をとってきたが、クラウドへの移行に伴って数百人の専任要員から成る運用組織を変革する必要性が生じた。

 「事前に決められた手順に従って運用作業を行うだけの人材/組織から脱却し、サービスを起点にしてレスポンス要件などの指標を設計し、ユーザーに価値を提供する組織に変革したいと相談をいただき、われわれが支援した。DevOpsやサービス指標(SLI/SLO)設計に関する教育を施し、SRE(Site Reliability Engineering)の考え方を取り入れて継続的に運用を改善できる組織を目指した変革を進めている」(藤井氏)

 多くの企業がリッジラインズの支援を受けてIT部門の変革を進めている。冒頭に掲げたような課題を感じている企業は、DXを諦める前に同社のエキスパートと話をしてみてはどうだろうか。

リッジラインズは、変革への志を持つ「チェンジリーダー」と共に、未来を変え、変革を創る変革創出企業です。お客さまの変革プロセスの最初から最後までを支援するコンサルティングサービスを展開しています。


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提供:Ridgelinez株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2022年4月9日

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