顧客体験向上につなげる“鉄板の”スマホアプリ施策3選とは?接点を強化してコアファンを育成

小売業にとっての大きな課題は、顧客接点をどのように作って継続していくかだ。スマホアプリを開発してこれを解消する動きもあるが、具体的な施策に行き詰まるケースも多い。3つの事例から“効果が出る鉄板施策”を紹介する。

» 2023年02月20日 10時00分 公開
[PR/ITmedia]
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 顧客と良好な関係を構築することはビジネスの最重要事項の一つだ。恒久的に接点を持って素晴らしい顧客体験を提供するにはどのようなマーケティング施策を展開すればいいのか。

 本稿は、2023年1月26日に開催された「リテールDXカンファレンス 小売流通の今を知る」でのヤプリの神田静麻氏(マーケティング本部)による講演「Yappli社員が驚いた!予想以上に反響のあったアプリ施策紹介」の内容をレポートする。

スマホアプリでコアファンを育成せよ

 ヤプリはスマホアプリの開発から運用、分析までをノーコードで実現するプラットフォーム「Yappli」を提供している。同社は2013年に創業、2022年時点で約250人の従業員を擁し、東京に本社、大阪、福岡に支社を構える。2020年には東証マザーズに上場し、現在は東証グロース市場上場企業だ。

 神田氏によると、600社以上の企業がYappliを使ってスマホアプリを開発している。ユーザーは小売・流通事業者が多く、他に商業施設、飲食、雑貨・アパレル、メーカーなど多種多様な企業がスマホアプリを顧客との重要な接点と位置付けて積極的にYappliを活用中だ。

 では、スマホアプリはどのような顧客接点となるのか。神田氏は顧客接点チャネルを「新規顧客向け」「ライトファン向け」「コアファン向け」の3段階に分類している。

 新規顧客に適した顧客接点がWebページだ。顧客は何らかの検索結果からコーポレートサイトやブランドサイトにたどり着くため、そこで彼らが必要とする情報を展開する。ストック情報や長く残しておきたい情報などもWebページに配置するといい。

 ライトファン向けの顧客接点としては各種SNSが有効だ。SNSはリアルタイム配信や情報フィードに適しているため、タイムリーな情報をファンに届けられる。

 そしてコアファン向けの顧客接点がスマホアプリだ。スマホアプリはインストールの手間が発生するが、それさえクリアできれば顧客と長くつながれる。

ヤプリの神田静麻氏

 神田氏は「スマホアプリはスマートフォンのホーム画面にアイコンが常駐する他、プッシュ通知でのダイレクトなコミュニケーションやポップアップでの情報配信、動画や電子カタログの提供などさまざまな展開も可能です。顧客側からもワンタップで企業側にアクセスできるため、長いスパンでコミュニケーションを取り続けることに非常に長(た)けています。ブランドサービスの入り口として2回、3回と長期的に使ってもらうことでコアファンを育成して売り上げを伸ばそうと、スマホアプリの運用に注力する企業が増えています」と語る。

ヤプリの従業員が驚いたスマホアプリ活用事例とは?

 スマホアプリをマーケティング施策にどう生かせばいいのか。ヤプリの従業員が驚いたという具体例を紹介しよう。

 カジュアル衣料品販売のライトオンは、500万以上のダウンロード数を誇る公式アプリ「Right-on」をYappliで構築し、よく利用される機能をアプリのホーム画面に集約するというアイデアによって大きな成果を得た。

 このアプリは、会計時に利用するバーコードや来店する度にためられるスタンプがアプリのホーム画面に集約されており、各機能をワンタップですぐに利用できる他、店舗にある商品のラベルに付属するQRコードを読み込んで、アプリ上で商品を検索、購入することも可能だ。

 同社はこれらの施策を進めることで、スマホアプリ経由の売り上げがアプリのリニューアル前と比較して141%に増加した。約20万人だったアクティブユーザーもスマホアプリのリニューアル後は2倍以上の55万人になった。顧客目線で徹底的に使い勝手を向上させたことが成功の要因で、それが数字でも実証された好例と言える。

 続いて神田氏が紹介したのは、アパレルメーカーのレイ・カズンが展開する公式アプリ「RC ONLINE STORE」だ。このスマホアプリを使うと、ショップに来店したり試着室を利用したりするとポイントが付与される。同アプリの運用担当者は店舗勤務経験があり、顧客の来店動線を踏まえてこの施策を展開した結果、大きな成果を得たという。

 人気コンテンツである店舗スタッフによるコーディネートについては、閲覧時の使い勝手を良くすると同時にブランドやスタッフの身長、骨格でコーディネートを検索できるようにした。これらの施策の効果もあり、2.5回だった1カ月当たりの閲覧回数が4.5回に伸びてアクティブ率が向上した。顧客に求められているコンテンツをより見やすいものにしたことで人気アプリになった事例だ。

 その他、ヤプリは顧客接点強化を支援する「Yappli CRM」も提供している。Yappli CRMはノンプログラミングで利用できるCRMツールで、導入したその日から1to1コミュニケーションやポイント管理、顧客管理といった施策ができるようになる。ベーカリーやパティスリーを展開するオールハーツ・カンパニーはこれを導入した企業だ。

Yappli CRMの概要(出典:ヤプリ提供資料)

 オールハーツ・カンパニーは、展開している10の自社ブランド間で併売率を向上させる目的でYappli CRMを導入した。これを利用して、顧客が最後に来店した店舗をキーに「こうした商品もあります」とクロスセル施策を講じたところ、併売率が向上した。

 神田氏は「オールハーツ・カンパニーは、Yappli CRMで取得した情報をPOSデータと組み合わせてCDP(Customer Data Platform)に取り込んでいます。ここでさまざまな角度からデータを分析し、1to1でのプッシュメッセージ送信やメールマーケティングに生かしています」と話す。同社はメールマガジンや「LINE」などさまざまなチャネルで情報を発信しているが、スマホアプリの開封率が特に高いことから、一連の施策の効果を実感しているという。

数々のアプリ事例から明らかになった3つの“鉄板”施策

 神田氏はYappliで開発された数々のスマホアプリ事例を通して、3つの“鉄板”施策があると気付いたという。1つ目はコーディネートやスタンプラリー施策を打つことだ。これによってスマホアプリのアクティブ率が向上する。2つ目はスマホアプリ限定コンテンツを展開することだ。これによって顧客のエンゲージメント強化が期待できる。3つ目はCRM施策によって購買率の向上につなげることだ。

 「Yappliはノーコードやドラッグ&ドロップで機能を実装できるので、手軽かつスピーディーにスマホアプリを構築できます。OSや機能のアップデートについては当社が対応する他、スマホアプリを運用する上でのサクセス支援も提供しています。『このような施策はできないか』と気になる点があれば、ぜひ当社にお声掛けください」神田氏はそう語りセッションを締めくくった。

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提供:株式会社ヤプリ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2023年3月5日

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