悩ましい“中小企業とクラウドの関係”  VMware vSphereユーザーが選ぶべき選択肢は?オンプレでもクラウドでもマルチクラウドでも

クラウド移行が進む大企業の陰で、中小企業は課題に直面している。その背景にはシステム部門の人材不足やデジタルトランスフォーメーション(DX)に関するナレッジ不足などがある。専任人材の採用も難しい状況だが、中小企業の「DXで経営スピードを上げたい」という思いは強まっている。この課題を解決するには「自社に合った処方箋」が必要だ。そしてそれは既に活用しているテクノロジーの延長線上にあるかもしれない。

» 2023年06月20日 10時00分 公開
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中小企業におけるDX その背景ある課題感とは

 パブリッククラウドの活用は大企業を中心に進んでいる。当初、その対象は情報系システムが中心だったが、最近では基幹系システムのクラウド移行も聞かれるようになってきた。

 対照的に、二極化の様相を示しているのが中小企業だ。システム環境の仮想化までは進んできたが、クラウド移行については明確な「クラウド志向派」がある一方で、引き続きオンプレミスにとどまっている層もある。

 中小企業ではまだまだオンプレミス環境が主流だ。その背景にはシステム部門の人材不足といった課題がある。クラウドを活用してビジネスを加速させたいと考えてもIT人材が足りないために実行できないでいる。

 「少数精鋭主義を取りつつ仕事のボリュームも抑えて離職率を低く抑えたい」「クラウド活用で業務効率化を進め、経営スピードを上げたい」と考える中小企業経営者は多い。彼らには有効な“処方箋”が必要だ。

IT業界で独自のポジショニングにあるVMware

 中小企業の課題を解決するに当たって注目したいのはVMwareだ。同社はオンプレミスやプライベートクラウド市場で高いシェアを誇り、近年ではマルチクラウド市場にも注力している。同社はIT業界でもユニークな存在だ。

 「インフラやプラットフォームソリューションを提供するベンダーはありますが、彼らはそれぞれのクラウドやプラットフォームのみを提供するため、新たなクラウドのサイロが発生する可能性があります。一方、単一ソリューションを提供するベンダーはプラットフォームやクラウドを含めた提供をしません。ユーザーはそれぞれの個別最適なソリューションを選択しインテグレーションしなければならず、複雑性が増してしまいます。これらのどちらも提供しているのがVMwareです」

槙田政司氏

 このように話すのはヴイエムウェアの槙田政司氏(コマーシャル営業統括本部 統括本部長)だ。ユーザーは提供ソリューションの幅が広いベンダーに一本化することで、インフラの複雑化や可視性の低下を防ぎ、統合的なクラウド管理が可能になる。

 槙田氏によれば、VMwareはマルチクラウド環境を実現するのを支援するだけでなく、オンプレミスでDXを考える企業にとっても頼れる“右腕”になる。

オンプレミスでもクラウドでもメリット多彩なVMware vSphere

 同氏は企業がオンプレミス環境を維持したい理由を3つ挙げる。

 1つ目は「セキュリティとプライバシー」だ。厳格に守らなければならない機密情報があり、企業の方針でクラウドに置けないと決定している場合だ。2つ目は「パフォーマンス」だ。高い処理スピードを求められるアプリケーションがあり、ネットワークの向こう側にコンピュート資源を置けないと判断した場合だ。3つ目は「システムを利用する業務に高いカスタマイズ性が必要」な場合だ。カスタマイズしてクラウドの仕様に合わせるのが困難なケースでは、オンプレミスで動かし続けることになる。

図1 オンプレでもプライベートクラウドでも優れている点(出典:ヴイエムウェア提供資料)

 VMwareはこうした事情を十分に理解しており、「VMware vSphere」(以下、vSphere)ユーザーにさまざまな支援シナリオを提供している。仮に「オンプレミス環境で動かし続けたい」という場合は、vSphereに組み込まれたストレージ仮想化「VMware vSAN」を利用したVMware製品ベースのHCI(ハイパーコンバージドインフラ)を検討できる。外部ストレージのないシンプルな構成で利用することで、管理者の運用負荷を軽減できる。また、ストレージだけでなくネットワークの最適化やセキュリティの強化という観点では「VMware NSX」や「VMware Carbon Black Cloud」を活用し、セキュアでソフトウェアベースのオンプレミス環境を実現できる。

 現在の環境がどれほど使用されているかを可視化するなら、プロアクティブなIT運用管理を実現する「VMware Aria Operations」がある。これを用いれば、リアルタイムの予測分析とAI(人工知能)でワークロードのバランスを自動的に調整できる。

 「VMwareはオンプレミスも一つのクラウド環境と捉えています。オンプレミスでもクラウドライクな利用や運用を可能にするべく、vSphereを中心としてお客さまが何を実現したいかを把握し、適切なソリューションを提供します」(槙田氏)

 ある時点でクラウドへのリフト&シフトに取り組む場合も、vSphereユーザーには“近道”といえるシナリオが用意されている。それが「VMware Cloud」だ。これはVMwareとパブリッククラウドベンダーの協業で実現したもので、vSphere環境をそのままクラウドに移行できる。「VMware HCX」というソリューションを活用することでオンプレミスとパブリッククラウドをシームレスに接続でき、アプリケーション移行を安全かつスムーズに推進できる。

 「幾つかの業務システムはクラウドで、それ以外の業務システムはオンプレミスで」といった具合に、ハイブリッド構成も選択できる。これらの取り組みを難しいと感じる中小企業もあるかもしれないが、ヴイエムウェアや同社パートナー企業が支援するためハードルは高くない。 

 槙田氏によると、最近は災害対策サイトの構築にVMware Cloudを導入するケースも増えている。VMware Cloudにはランサムウェア対策の機能もあるからだ。災害発生時にフェイルオーバーできることに加え、ランサムウェア攻撃を受けた際に自社でシステムを復旧するのにも有効だという。

図2 ヴイエムウェアが推奨するVMware vSphere利用シナリオ(出典:ヴイエムウェアの提供資料)

 クラウドはサーバやストレージ、ネットワークなど全てが仮想化された世界だ。オンプレミスでは難しかったリソースの増減なども容易に実行できる。前述のVMware Aria Operationsを含むVMware Ariaサービスであれば、ハイブリッド環境でもマルチクラウド環境でも管理環境を一元化して運用体制を簡素化できる。

図3 ワンストップで活用を広げていけるVMwareソリューション(出典:ヴイエムウェアの提供資料)

「VMware Cloud」に1カ月で移行 潤沢かつ柔軟なリソース活用が可能に

 VMware Cloudに移行したvSphereユーザーのある企業は、オンプレミスのvSphere環境で基幹システムを開発・運用していたが、ITインフラの更改を機に、今後5年以上安定稼働させられるシステム環境について検討し、VMware Cloudへの全面移行を決断した。

 同社はそれまで2台のホストで約20台の仮想マシンを稼働させていた。この環境では「ディスクの容量不足」「データセンター内のネットワーク接続が複雑で問題発生時の解決が困難」「vSphere環境を運用する人材不足」といった課題を抱えていた。

 vSphere環境をそのまま運用できるVMware Cloudに移行したことで、潤沢かつ柔軟にリソースを確保できるようになっただけではなくVMware NSXを組み合わせたシンプルなネットワーク運用が実現した。VMware HCXなどの支援ツールを活用することで、約1カ月という短期間でクラウドに移行した。

 「『スケールアウトしやすいから』『フレキシブルに使えるから』『運用保守を最小化して自分たちは企画や開発に専念したいから』など、さまざまなメリットを享受するためにクラウドを使いたいという意向があります。『データのプライバシーやセキュリティを考えるとやはりオンプレミスが必要』というお客さまもいます。これはどちらも正論です。VMwareであれば、どちらを選択してもそれを援護・支援するソリューションを提供できます。当社CEO(最高経営責任者)のラグー・ラグラムは常々『私たちはIT業界のスイスになる』と語っています。これは永世中立の立場でお客さまにベストなソリューションを提供し続けるということです。vSphere環境の今後を考える際は、ぜひお声掛けいただければと思います」(槙田氏)

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提供:ヴイエムウェア株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2023年6月28日

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