「PCのリプレース、基幹業務システムの導入、ペーパーレス化」 業務改革の成功企業はこう動いた生産性を高めるための製品選定とは

東美商事はPCのリプレースのタイミングで自社に合った働き方を実現した。何が成功要因だったのだろうか。

» 2023年08月01日 10時00分 公開
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 東美商事は総合ビルメンテナンス企業の東京美装興業グループで商事部門を担っている。ビルメンテナンス用機器やオフィス用品、衛生用品に加えて、ビル管理法に準拠した室内環境測定機器などを販売する。従業員数は20人ほどで、東京の他に札幌にも事業所を構える。

 ペーパーレス化や働き方改革、そしてデジタルトランスフォーメーション(DX)が叫ばれる中で、同社は業務スタイルをなかなか変えられずにいた。そんな中、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行し、状況は一変したという。

「リモートデスクトップだけでは無理」 前倒しの業務改革を決断

原川 亮氏

 東美商事の取引先は中小のビル管理会社が多く、商品の受注業務はFAXや電話によるやりとりが中心で、社内に並ぶPCもデスクトップタイプがほとんどだった。同社の営業部門を統括する原川 亮氏(総合資材部 部長)は「注文書の多くはFAXで届き、担当者が全ての注文情報を一件ずつシステムに入力していました」と当時を振り返る。

 当時の営業担当者は一日の終わりに会社に戻り、必ず受注情報を基幹システムに入力して帰宅するのが日々のルーティーンだった。原川氏は「仕事が終わっても営業先から直帰できず、作業は夜遅くに及ぶこともありました。業務環境と併せて長時間残業の常態化も解決しなければならない課題でした」と語る。

 東美商事はPCのリース期間が終了する2020年春に、ペーパーレス化と基幹システムの刷新を考えていた。その矢先に緊急事態宣言が発令された。

 まずは社内に数台だけあったノートPCを持ち出して、自宅から社内のPCに接続してリモートデスクトップで業務を継続する方法を試した。リモートデスクトップ用のPCを起動するために従業員が交代で出社して、何とか業務を継続させた。

 「リモートデスクトップは画面が頻繁に固まり業務にたえるものではありませんでした。それまで当社のセキュリティポリシーではノートPCの利用を推奨していませんでしたが、そうは言っていられない事態になりました。テレワークを実施できる環境整備が急務でした」(原川氏)

 パンデミック対策として取引先からアルコールやマスクなどの注文が急増し、暫定的なテレワーク環境で業務を進める従業員は混乱を極めた。業務環境を立て直すためにPCのリプレース計画を前倒しし、まずは全てのPCをノートPCに切り替え始めた。

長時間残業が常態化していたこれまでの働き方を改革 成功の鍵はPCの刷新

 20年以上にわたって複合機の導入やメンテナンスで関わりのあった大塚商会の担当者に連絡を取り、ノートPCを手配できないか相談した。

 「とにかくスピードが優先されたため、対応が早い業者にお願いしたいと考えました。そこで、東京美装グループ全体でお付き合いがあり、フットワークが軽い大塚商会さんにまずは相談しました」(原川氏)

今井 稔氏

 しかし、突然の緊急事態宣言でどの企業もノートPCを求めていたため、ほとんどのメーカーで品切れ状態が続いていた。社内のファシリティーなどを管理する今井 稔氏(管理部 管理課 課長代理)は当時を次のように語る。

 「急いでノートPCを調達する必要がありましたが、必要な台数を手に入れるのは非常に厳しい状況で、数カ月待ちも当たり前でした。その折に大塚商会さんが用意してくれたのがVAIOのノートPC『VAIO Pro PK』『VAIO Pro PJ』でした。VAIOであれば信頼性も高く、当社のニーズを満たせると判断しました」(今井氏)

 東美商事はPCの持ち運びを前提としていたため、衝撃に比較的強く軽量であることに加え、ワイヤレスWAN、つまりSIMカードスロットが装備されているモデルが必要だった。また、社内のネットワークに接続するためにオフィス外でも直接インターネットに接続できることも必須だった。大塚商会から提案されたVAIOのPCはSIMスロットを標準搭載するなど、東美商事が求める条件を全て満たした。

インテル Core プロセッサー搭載 VAIO Pro PK(出典:大塚商会提供資料)

 PCのリプレース後は使い方や初期トラブルなどの問い合わせがIT部門に寄せられがちで、IT部門の負荷が高まると予想された。営業部門の長時間労働が解決できてもIT部門が同じ状況に陥っては意味がないと考え、VAIOの導入と併せて大塚商会の「PCワンストップサービス」も利用した。

 これはPCの困りごとを丸ごと任せられるサービスで、操作方法のアドバイスやトラブル時の電話・リモートサポートに加え、修理で部品交換が必要な場合はオンサイトでの対応も提供する(VAIOのPCは引き上げ修理)。

PCワンストップサービス(出典:大塚商会提供資料)
結木創太氏

 これにより、東美商事は札幌営業所を含めた全社のPCをVAIOにリプレースし、場所に制限されずに業務を継続できる環境を整えた。営業だけでなくオフィス業務が中心の従業員にも予備機としてVAIOを貸与した。リモートデスクトップを利用しなくてもオフィス外から直接社内システムにログインできるようになり、社外でも社内と同じように業務できる環境が整った。同社の結木創太氏(総合資材部 係長)は、VAIOの使用感と働き方の変化を次のように語る。

 「軽量で持ち運びが楽なのはもちろん、必要な接続端子も全てそろっているため、外出先でさまざまなデバイスと接続するときに困ることはありません。これまで会社に戻って行っていた残務処理がオフィス外でもできるようになり、コロナ禍以前よりもお客さまとの時間を増やすことができました。どこにいても業務が完結できるので、よりお客さまに寄り添った営業ができていると実感しています」(結木氏)

 同氏によれば、2018年度と2022年度を比べると営業部門の残業時間は半減し、明確な効果が確認された。

IT部門の頭を悩ませた基幹システムとペーパーレス化の課題をどうクリアしたか

 東美商事は懸案となっていた基幹システムの刷新もノートPCの導入と同時進行で進めた。原川氏はこれまで使い続けてきた基幹システムの課題を「以前の基幹システムは会計や在庫、顧客管理など各領域のソフトウェアを組み合わせたもので、20年以上使い続けてきました。当社独自のルールで運用していたため入力規則の定型化が難しく、マニュアル化も難しい状態でした。新しいメンバーが入社しても入力方法を教えるのに一苦労で、生産性の観点からも課題でした。できるだけ早くERPを導入して、運用の標準化が求められました」と語る。

 東美商事が基幹システムのリプレースに選んだのが、「SMILE V」シリーズだ。これは販売や会計、給与などの業務を統合して情報の一元化を実現するパッケージソリューションで、企業ごとに異なる課題の解決を段階的に進められるのが特徴だ。

 「大塚商会は豊富な取扱商品の中から、東美商事の課題をよく理解してサービスを提案してくれます。SMILE Vは取引先の前歴を検索する機能が優れており、当社のニーズを満たす製品だと実感しています」(原川氏)

 SMILE Vの導入に合わせて業務マニュアルも整備し、複雑だった独自ルールによる運用からの脱却を図った。2019年から計画していた基幹システムの刷新はコロナ禍によって多少遅れたものの、旧システムとの並行稼働を経て2021年9月に本格稼働を果たした。

 今井氏は「販売、会計、給与など各業務のデータがワンクリックで連携できるようになったため、バックオフィス業務の時間を大幅に短縮できました。SMILE Vは改正電子帳簿保存法など今後の法制度への対応についてもロードマップが示されており、将来的にも安心して使っていけると思います」(今井氏)

SMILE V(出典:大塚商会提供資料)

 コロナ禍で顕在化したFAXによる注文書のやりとりとペーパーレス化の課題も、ハンモックのFAX受注システム「AnyForm FAX CTI」を用いることで解決した。

 AnyForm FAX CTIで受信したFAXは即座に電子化され、オフィスに行かなくても内容を確認できる。原川氏は「ステータス管理も可能で、受注対応の漏れもチェックできるようになりました。これで注文書のデータ入力作業もなくなり、工数の大きな削減効果を実感しています」と語る。

 「業務改革は、従来よりも生産性がどれだけ上がるのかを社内にしっかり説明することが成功のポイントです。そこを丁寧に進めたことが成功の要因だと考えます」(原川氏)

 苦しい時期を乗り越えて、業務のペーパーレス化と業務の標準化を進めた東美商事のワークスタイル変革は、多くの中小企業にとってヒントを与える取り組みといえるだろう。

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提供:VAIO株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2023年9月3日