「モダンアプリケーション」の本質とは何か?  要件と実践ポイントを4時間で学ぶ10月26日開催 「AWS Innovate - Modern Applications Edition」

多くの企業が、ビジネスを差別化するため、あるいはビジネスアジリティを向上させるためにアプリケーションのモダナイゼーションに取り組みたいと考えている。だが技術論ばかりが先行し、その目的や中身はあいまいになりがちだ。このような課題を解決するために、「AWS Innovate - Modern Applications Edition」のポイントと併せてモダンアプリケーションの本質とは何かを聞いた。

» 2023年10月16日 10時00分 公開
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10月26日に「AWS Innovate - Modern Applications Edition」開催 「モダンアプリケーション」の全貌を4時間で学ぶ

 アマゾン ウェブ サービス ジャパン(以下、AWS Japan)は2023年10月26日に「AWS Innovate - Modern Applications Edition」を開催する。「AWS Innovate」は「AWSを活用したイノベーションの促進」に向けて、最新のテクノロジーや業務に役立つ手法を学べる年4回のオンラインイベントだ。各回特定のテーマにフォーカスしており、年間2万人以上が参加する人気イベントになっている。

 AWS Innovate - Modern Applications Editionでは、モダンアプリケーションの開発や運用に関する最新手法を4時間で学べる。AWS Japanの千葉悠貴氏(技術統括本部 インターネットメディアソリューショングループ 本部長)は同イベントについて以下のように話す。

AWS Japanの千葉悠貴氏

 「過去の参加者からは『開発や運用の考え方をモダナイズする必要性を感じた』『Amazon Web Services(以下、AWS)を利用する上で参考になった』など、好評を頂いています。モダンアプリケーションを新規にAWSで開発するケースやレガシーアプリケーションをAWSに移行してモダナイゼーションを進めるケースなど、お客さまの取り組みはさまざまです。セッションはAWSの初心者から上級者まで、さまざまな方に向けた内容になっています」

 企業に当たり前のように使われるようになった「モダンアプリケーション」という言葉だが、「具体的に何を指すのか」という理解は十分に浸透しているとはいえない。以下で「モダンアプリケーションとは何か」を振り返りつつ、同イベントの見どころを紹介する。

そもそも「モダンアプリケーション」とは何か

 「アプリケーションとはビジネス価値を実現するためのものです。モダンアプリケーションも『目的ありき』であることに注目することが大切です」

 こう話すのはAWS Japanの山崎翔太氏(技術統括本部 インターネットメディアソリューショングループ 部長)だ。

AWS Japanの山崎翔太氏

 「顧客ニーズの変化が激しくなっている近年は、『いかに迅速かつ安全にニーズに応えられるか』がビジネスを強化するための要件となっています。このためには、ビジネス価値があるアプリケーションを迅速に開発して安全にデリバリーし、ニーズの変化に合わせて高頻度で更新する必要があります。つまり、モダンアプリケーションとは“ニーズにいち早く応え続ける”という目的を達成するために、最新のテクノロジーやアーキテクチャ、ソフトウェア配信方式、運用プロセスを組み合わせたアプリケーションだと言えます」(山崎氏)

 モダンアプリケーションと聞くと「マイクロサービスやサーバレスなどの新しい技術群を使い、それらでアプリケーションを刷新すること」と考えがちだ。これについて山崎氏は「それは手段と目的を取り違えています。重要なのは『求められるものは日々変化する』ということです。最新のテクノロジーに刷新することがモダナイゼーションではなく、『ニーズに追従できるようにアプリケーションを継続的に進化させられる状態』がモダナイゼーションの本質です。そうした状態に組織があり、目的が達成できているのであれば必ずしもマイクロサービスなどを使う必要はないのです」と指摘する。

モダンアプリケーションが不可欠な理由

 顧客ニーズに迅速に応え続けるには、現実的には新しい技術群が求められる。クラウドやコンテナ技術などを活用すればアプリケーションの開発・実行環境を手作業でつくる必要がなく、あらゆる環境に迅速にデリバリーできる。こうした環境を多くの企業が使うことで、ビジネス価値の水準やアプリケーションの開発・提供スピードが上がっている。

 そうした激しい競争下でニーズに応え続けるには、最新の技術群を使ってより良いビジネス価値を迅速に提供し、定期的に更新する必要がある。増大するデータ量やサステナビリティー、個人情報保護規制などにも対応しなければならない。従来のアプリケーションのままでは現在の経営環境に対応し切れなくなっているのだ。

 「分かりやすい例としては、モノリシック(一枚岩)なアプリケーション構造やウオーターフォールに代表される開発手法、手作業中心の運用が挙げられます。全要素を一つのモジュールとして作るモノリシックなアプリケーションは開発やテストに時間がかかる他、部分的な機能変更による影響範囲が大きいため更新頻度も遅くなりがちです。ウオーターフォール型の開発は、手戻りが発生すればリリースまでのリードタイムが大幅に伸びてしまいます。手作業中心の運用は人的ミスを招きやすく、作業が属人化して結果的に更新頻度や安全性を下げる原因になります」(山崎氏)

 もちろん、変化対応力よりも高い安定性が重要なビジネス領域などでは、従来の構造や開発・運用手法が適している場合もある。だが現在の経営環境を鑑みれば、業種を問わず多くの企業にとってアプリケーションのモダナイズが不可欠になっているといえる。

アプリケーションのモタナイズ、3つのポイント

 アプリケーションのモダナイズに取り組む上で重要なポイントは3つある。一つは「まずはやってみよう」という判断だ。

 「最初から完璧を狙わずに着手した企業がどんどん成長している例が目立ちます。状況は各社各様ですから、取り組み方に唯一の正解はありません」(山崎氏)

 AWSは各種ワークショップを通じて企業のアプリケーションモダナイズを伴走支援しているが、アプローチとしては「まずはビジネスメリットが大きいアプリケーションを見定め、“できることから”部分的に取り組みを進める」場合が多いという。

 2つ目は「経営陣のコミットメント」だ。

 「アプリケーションの刷新自体にビジネス価値はありません。刷新後にどのような価値を生み出せるかがポイントです。ビジネスの目的を達成するための取り組みである以上、価値創出に向けてCTO(最高技術責任者)やCIO(最高情報責任者)はもちろん、COO(最高執行責任者)やCEO(最高経営責任者)などを含めて合意を取り、全社的に進めることが肝要です。場合によってはトップダウンで進めることも求められます。現場のエンジニアも、トップがメッセージを出すことでチャレンジへの意欲が生まれます」(千葉氏)

 3つ目は「開発・運用組織とマインドセットの変革」だ。

 「一般的に、レガシーアプリケーションは手を入れずに運用するのに対し、モダンアプリケーションは変化に対応させつつ迅速かつ安全にアプリケーションを開発、デリバリー、更新できる仕組みを整備しなければなりません。変化を恐れない組織文化やマインドが必要です」(千葉氏)

 このような組織文化を根付かせるためには、目標設定から変える必要がある。例えば「エラーを出した件数の少なさ」などではなく、「デプロイした数」や「ビジネス目的にどれほど貢献したか」といった視点で評価する。

 「目的に応じた目標設定があれば現場のマインドは変わり、モチベーションを保ちやすくなります。アプリケーションのモダナイズも組織変革も、目的と手段をセットで考えることが大切です」(千葉氏)

自社に合う進め方や手段を具体的に見つける

 以上を基に、千葉氏は「モダンアプリケーションの実現には『People』(人)、『Process』(過程)、『Technology』(技術)の3つが必要です。どれが欠けてもうまくいかないと考えます」と話す。

 「Peopleでは、システムを継続的に進化させるために組織と人を変えましょう。イノベーションを起こすのは人です。テクノロジーやプロダクトを最新化するだけでは価値は生まれません。評価設計や人材採用面から変化させます。Processでは、良い組織をデザインし、良い人材を採用して、特定の人に依存しないプロセスを作りましょう。こうすることで、モダナイゼーションの再現性を高められます。一度モダナイズして終わりではなく、継続することがポイントです。Technologyでは、ビジネスアジリティを高めるためのコアロジックの開発に集中できる環境をつくることを目指しましょう」(千葉氏)

 Technologyの具体的な手段として、AWSは「サーバレスオペレーションモデルの導入」「モダンDevOpsモデルの導入」を提案している。モダナイゼーションやクラウド移行支援のパッケージ「ITX for Cloud Native」「内製化支援推進AWSパートナー」プログラムなどを通じて、既に多くの導入支援実績がある。

 「サーバレスオペレーションモデルを使えば、ビジネス価値を生まないサーバ運用をなくし、ビジネスの差別化を生み出すためのアプリケーションのコアロジックの開発に集中できます。モダンDevOpsモデルは、開発から運用までの継続的インテグレーション/デリバリーに加え、監視やメンテナンス、アップデートなどの定常運用、さらに障害対応やセキュリティインシデント対応など、アプリケーションライフサイクル全体を自動化する仕組みです。これにより、コアロジックを組み込んだセキュアで堅牢(けんろう)なアプリケーションを高頻度でリリース/更新し続けられます」(山崎氏)

 このように、モダンアプリケーションの実現には明確なポイントがあり、手段もそろっている。だが、実践するにはより詳細な情報が必要だ。AWS Innovate - Modern Applications Editionはまさしくそうしたニーズに応える構成となっている。

AWS Innovate - Modern Applications Editionのタイムテーブル。画像をクリックするとタイムテーブルのページに遷移します(出典:AWS Japan提供資料)

 AWS Innovate - Modern Applications Editionは千葉氏がアプリケーションモダナイズのポイントを説明するオープニングセッションをはじめ、「サーバーレス」「コンテナ」「デベロッパーエクスペリエンス」「お客様事例」トラックから成る16セッションで構成され、モダンアプリケーションの基礎から応用までを包括的かつ詳細に学べる。今話題の生成系AIで提案コードを自動生成する「Amazon CodeWhisperer」の解説や事例に基づくリアルな苦労話など見どころ満載だ。講演後は登壇者にチャットで質問もできるため、「自社の場合どうすればいいのか」という疑問を解消できるはずだ。

 「顧客ニーズの変化に追従することの重要性は年々上がっています。変化し続ける環境に対応するためには、ビジネスを支えるエンジニアも学び続けることが重要です。ぜひ新しい知識をキャッチアップして、実践的なナレッジを持ち帰ってください」(山崎氏)

 「生成系AIで提案コードを自動生成できたり、サーバレスで実行環境の管理が不要になったりと、エンジニアがコアロジック開発に集中できる環境は急速に整いつつあります。これは、一人が生み出せるビジネス価値が拡大しているということです。エンジニアとしての価値を発揮する手段、スケールする手段をぜひ学んでください」(千葉氏)

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