AI時代のデータ活用インフラ整備の正解は? IT部門が最高効率で仕事をする方法野良IoTデータ、膨らむデータ量をどう管理?

データドリブンを目指してデータを蓄積し始めた企業が陥りがちなのが「ためたデータを活用できない」「データを把握し切れない」といった問題だ。オンプレミスやクラウド、エッジに点在するデータを効率よく運用管理する方法が求められる。

» 2023年10月31日 10時00分 公開
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エッジ、オンプレミス、クラウド……分散するデータを生かし切れない

 クラウド活用やDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みが加速する中、データをどう管理してビジネスに活用するかが重要になっている。データをクラウドだけで利用するなら、クラウドにデータを蓄積・分析してクラウドアプリケーションで利用すればいい。そのためのツールやパッケージも整備されてきている。

 ただ、他社との差別化を生むようなデータはこれまで運用してきたオンプレミスの基幹システムなどに蓄積されているケースがほとんどだ。つまり、クラウドだけでなくオンプレミスを含めたハイブリッドな環境でデータを活用する基盤や仕組みが必要になる。

アセンテックの潤田雅也氏

 企業のデータ活用とそのためのインフラ整備などを支援しているアセンテックの潤田雅也氏(第一営業本部 本部長)は、データ活用の課題についてこう話す。

 「データを捨てずに『いつか活用するためにためておこう』という姿勢の企業が増えています。しかし、データは使って初めて価値が出るものです。データから素早く価値を引き出してビジネスに展開できている企業は多くありません。その理由の一つとして考えられるのが“ITインフラの障壁”です。多くのお客さまが素早くデータの価値を引き出せるインフラ作りに苦労しています」

アセンテックの荒田直敬氏

 データをためるという点では、クラウドのストレージサービスにデータを収集・蓄積することが一般化しつつある。だが、その多くは特定の用途別にそれぞれの部門が独自に行っており、他の用途に利用することはあまり考慮していない。アセンテックの荒田直敬氏(第二技術本部 インフラサービス部 シニアシステムエンジニア)は以下のように語る。

 「データの断捨離ができない企業が多いと感じます。事業ごとにクラウドやオンプレミス、エッジの製品やサービスが混在し、バラバラに運用されているため問題はさらに複雑になっています」

AI活用やデータドリブン経営が加速する中、ITインフラの見直しは急務に

 DXが進む中でデータドリブンやAI(人工知能)活用を志向する企業が増えている。アセンテックでも、AIをキーワードとしてインフラ構築を進めたいという引き合いが多くなっている。ただ、AI導入が目的化して、手段としてのインフラ整備が進んでいない場合もある。AI導入はビジネス部門が主導することも多いため、ITシステムの要件が明確でないままプロジェクトが進み、データのサイロ化を招くケースがある。

 「利用者からすれば、オンプレミスにあろうとクラウドのストレージにあろうと、必要なときに必要なデータを取り出して利用できればいい。しかし、データドリブンを志向するならばIT部門と連携して『データがどこにあればより良く使えるか』を意識する必要があります。全社的な取り組みがうまく進まないと、事業ごとに野良クラウドが乱立したり事業部ごとにデータの派閥が形成されたりして、データ活用をさらに難しくしてしまいます」(荒田氏)

 データ活用に向けてデータセキュリティをどう維持するのかも大きな課題になっている。

 「ランサムウェアのようなサイバー攻撃の脅威は身近に存在しています。セキュリティ運用は事業者に任せられますが、その場合もデータのセキュリティは利用者が責任を負います。オンプレミス環境の場合はインフラ整備からデータ保護、バックアップや災害対策も必要であり、そのための人材も確保しなければなりません」(潤田氏)

 データに関するさまざまな課題を解消するために「Data First Modernization」というコンセプトを掲げ、企業のニーズに応えているのが日本ヒューレット・パッカード(以下、HPE)だ。

HPEの山中伸吾氏

 HPEの山中伸吾氏(データサービス事業統括本部 ストレージ製品本部 第二営業部 部長)は「この概念自体は身構えて受け入れる必要があるようなものではありません」と語る。

 例えば、工場の生産ラインにカメラを取り付けて、出荷製品の写真を撮影し、その大量の撮影データを基に生産歩留まりの改善などを行う業務改善はすでに実施している企業は多い。このようにデータを中心にビジネス戦略を変革していくのがData First Modernizationだ。

 部署ごとに業務改善を行う事例は多くなってきたが、部署ごとのデータを統合して全社レベルでの業務改善を行っている企業はまだ少ない。

 データの統合に一つの大きな役割を果たすのがクラウドだ。クラウドはどこからでもアクセス可能なため、全社に散らばったデータを容易に統合可能だ。

 しかし、活用を目的に蓄積されるデータは基本的に増える一方になるため、容量で課金されるクラウドのストレージコストは増大してしまう。山中氏は「クラウドにため込んだデータ量が一定のしきい値を超えたらコストの観点からオンプレミスへのマイグレーションは検討すべきでしょう」と説明する。

エッジ、オンプレミス、クラウドまでを意識せず使うためのHPE GreenLake

 コストだけの問題ではない。例えば機密情報などを含む、社外に出すことが難しいデータを利用する場合、そもそもクラウドに保存すること自体が難しい。全てのデータをクラウドに統合するのではなく、オンプレミスとクラウドのストレージ(データ)を統合して活用するアプローチを取るのが現実的だろう。HPEが提供する「HPE GreenLake」はオンプレミスで利用する機器をあたかもクラウドのシステムのように利用できるサービスだ。

 「HPE GreenLake製品群はオンプレミスの機器をクラウドのコンソールからコントロール可能です。コンソールは別のパブリッククラウドの統合管理も実現しています。加えて、オンプレミスに機材があるにもかかわらず、初期投資不要で利用量に応じた月額課金でシステムの利用が可能です。インストレーションサービスも含めて月額16万円からオンプレミスのストレージを利用できます」(山中氏)

 HPE GreenLakeは、システムを「所有する」のではなく「利用する」にシフトが可能な製品だといえるだろう。現在、HPEはこのラインアップを大きく拡充し、企業のデータドリブンへの変革を支援している。ストレージのみならず、仮想化環境を動作させるために必要なサーバ、ストレージ、ネットワークスイッチの全てを月額払いで利用可能な「HPE GreenLake for Private Cloud Business Edition」も近日中に発表予定だ。

ALTALT HPE GreenLakeの代表的な定型ソリューション一覧とクラウドサービスカタログ(出典:HPE提供資料)

いかに早く「失敗」をすることができるかがDX成功のコツ

 例えば、自社で保有する機密情報や個人情報など社外に出せないデータを使ってデータを分析するサービスを新規に立ち上げようとする場合を想定してみよう。

 外に出せないデータを利用するため、初期投資が不要でスモールスタート可能なクラウドは利用ができない。そのためオンプレミスでのシステム導入を検討することになるが、サービスが本当に成功する確証がない中で、導入のための膨大なコスト(初期投資)に対して経営層から稟議(りんぎ)を取得するのは困難なことがほとんどだろう。こうした場合に、HPE GreenLakeであればオンプレミスのシステムであってもクラウドと同レベルの月額支払いでスモールスタートが可能だ。

 初期投資が大きくなれば失敗時のリスクも大きくなる。スモールスタートであれば過度に「失敗」を恐れることはなくなるだろう。さまざまなデータ分析のためのシステムを迅速に立ち上げ、多くの「失敗」を最小限のコストで短期間に積み上げることができる。DX成功のコツは、さまざまな業務改善チャレンジを短期間で行い、その答えをいち早く見つけることにある。

HPEの江川 学氏

 HPEの江川 学氏(プリセールスエンジニアリング統括本部 ストレージ技術部 シニアテクノロジーアーキテクト)は、現状の分析と解決のアプローチについてこう話す。

 「IT先進国では、クラウド移行に伴ってサイロ化したデータをどう疎結合して使えるようにするかに力を注いでいます。データベースへのマルチアクセスを実現するにはどうするか、どのサービスとどのサービスを組み合わせれば新しいサービスが生まれるかといったことです。対して日本企業の多くはまだ機器をどうリプレースするか、ソフトウェアをどうバージョンアップするかといったことに目が行きがちです。ITの進化に合わせて機器やプラットフォームを変えるのではなく、仕組み自体を変えるという視点を持つことが重要です」

ワンプラットフォームでの運用でも残る課題もワンストップで解決

 HPE GreenLakeの製品群は、クラウドライクなオンプレミスを実現しながらも従来のオンプレミスと同様に企業固有の要望に対応する余地を残している。

 潤田氏は「ハードウェアや故障対応保守はHPEが提供し、システム運用管理をユーザーやわれわれパートナーが担います。インフラの構築やセキュリティ対策、バックアップ、災害対策、データによる価値創造などをパートナーと協業して推進できることは、お客さまにとっての大きなメリットだと思います」と説明する。

 バックアップや運用の設計、データのサイロ化や野良クラウド解消の他、スキル不足や人材不足への対策、IT部門とビジネス部門が一体となったクラウド利用推進など、IT部門のタスクとして残される課題についてはHPEのパートナー企業を介した施策検討が有効だ。

 アセンテックはオンプレミスとクラウドの実績が豊富で支援体制も充実している。従来のオンプレミス環境の構築で培ってきた知見を基にData First Modernizationのアプローチに沿った支援を行っている。

 「お客さまのニーズは多種多様です。だからこそ、クラウドのような画一的なサービスメニューだけでなくわれわれの導入支援を活用して、自社の強みをさらに強化できるデータドリブンな体制を目指していただきたいと思います」(荒田氏)

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提供:アセンテック株式会社、日本ヒューレット・パッカード合同会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2023年11月16日