「経理部門の属人化排除と業務改善を同時に実現」 BPOは何ができるのかBPOで経理部門の働き方改革

「経理部門の属人化している業務をなくしたい」「月の変わり目の繁忙期を改善し、働き方を改革したい」という目標を実現するなら、BPOに挑戦するといいかもしれない。

» 2023年11月29日 10時00分 公開
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 リテール総合研究所は2023年10月26日、小売り・流通業を対象にしたセミナー「リテールDXカンファレンス2023」を開催した。本稿では、バックオフィス向けクラウドサービスを提供するマネーフォワードの松岡 俊氏(グループ執行役員 経理本部 本部長)が登壇した「経理部門生産性向上のヒントはBPO!」を紹介する。

BPOのメリット2つ

 BPOは企業の「ノンコア」とされる業務を外部企業にアウトソーシングし、コア業務にリソースを集中させることを指す。アウトソーシングを通してバックオフィス全般の業務を効率化することから、働き方改革などの観点で近年注目が集まっている。

マネーフォワードの松岡 俊氏

 松岡氏が経理のBPOの例として挙げたのが「従業員の立替経費精算」だ。経理業務の中で、企業の売上や営業利益に関する業務は社外に出せないコア業務に該当するが、毎月の経費精算業務は伝票量が大量で、比較的金額的重要性が低く、ルールベースでチェック体制構築が可能なためBPOの候補となる。

 BPOには「業務の属人化の排除」「繁忙期の人員の有効活用」などのメリットがある。

 業務の属人化を排除することで、「経理担当によって判断基準が異なる」「特定の人しか把握していないので、その方が休みだと業務が止まる」といったことがなくなり、誰もが一定の基準の下で業務ができるようになる。事業部と経理の間で起こる経費精算に関する論争なども、BPOであればルールに沿って機械的に処理できるため、社内で大きな問題になりにくい。BPOメンバーからの指摘となるため、「顔見知りの従業員にルールに基づいた細かい指摘をするストレス」から経理担当が解放される効果もある。

 松岡氏は「BPOによって、従業員の精神的なストレスを軽減できます」と語る。

 経理部門は月の変わり目に多忙になる傾向があり、この繁忙期に残業が発生しないようにするには多くの従業員を経理作業に充てる必要がある。経費精算や請求書発行などのノンコア業務をBPOすることで、経理部門は売上などの重要性の高い科目や、固定資産減損判定、株式評価といった専門知識を要する業務に集中でき、必要最低限の人員で対応できるようになる。特に、2023年10月から施行されたインボイス制度によって経理業務は煩雑になっており、BPOでコア業務にリソースを集中させるメリットは増している。

BPOを推進するポイント

 BPOを進める上でまず企業が取り組むべきことは「プロセスのペーパーレス化」「従業員の理解促進」だ。

 プロセスのペーパーレス化に関して松岡氏は「電子帳簿保存法によって、文書の電子保存がしやすくなりました。場所に縛られずどこでも柔軟に働くことができれば、BPOを利用するハードルが下がります」と語る。

 従業員の理解促進だが、松岡氏によると経費処理のプロセスなどをBPO先に渡すとなると社内で心理的な抵抗感が出てくるケースが多いという。この問題に対して、経理部門は多分に自部門の業務削減だけを目的としたBPOではないことを丁寧に説明することが重要だ。

 また、BPOには企業が陥りやすい「3つのわな」があり、避ける方法がそれぞれある。

 1つ目のわなは「プロセス全体をBPO先に丸投げし、プロセスオーナーシップを放棄する」というものだ。

 BPOで一部の業務を外部委託しても、「業務のオーナーシップ」は経理部門にある。社内の経費精算ルールはそのときの法規制に合わせてアップデートする必要があり、この判断を下すプロセスオーナーを社内で明確にアサインする必要がある。

 2つ目が「ルール等を文書化せずにあいまいなまま、BPOを利用する」ことだ。

BPOを利用したいプロセスは、誰でも理解できる形で文書化する必要がある。これについて松岡氏は「BPO先のメンバーが自社の従業員と同じ経理知識を持っているとは限らないので、しっかりと文章化することで属人化を排除できます」と指摘する。

 3つ目が「複雑化した社内の現状を、そのままBPO先に渡す」ことだ。

BPO先に業務を渡す前に、複雑なルールや業務を見直してシンプルにすることで自社の業務の効率化につながるのはもちろん、BPO利用時のコスト削減につながる可能性もある。

小さく始めることで大きなメリットを享受

 BPOによるメリットを理解しても、導入工数やコスト面などの問題から取り組みを推進できない企業も多い。松岡氏はそのような企業に向けて「まずは小さく始めてみることが大切」と語る。マネーフォワードのBPOサービスは特定業務に特化しているため、自社に必要な部分だけBPOを利用でき、低コストで始められる。システムも既存の外部ツールを使用するため、クラウドサービス利用に関するBPO先へのトレーニングも不要だ。

一般的なアウトソーシングとクラウドサービス×BPOの違い(出典:マネーフォワード提供資料)

 「『マネーフォワード クラウド』は、経費や請求書、債務支払など個別のサービスを提供しています。まずは1サービスから利用を始めて、メリットを実感してみることが大事です。スモールスタートであれば失敗する可能性も抑えられます」

 マネーフォワードの経理部門も2020年から経費精算にBPOを活用している。以前は管理会計まで含めると約10営業日を要していたが、BPOなどのさまざまな施策によって4営業日に短縮した。月初に集中する業務負荷を軽減することで、経理担当者の働き方改革にもつながっている。

 経理部門の従業員満足度サーベイの結果は、2019年ごろと比較してこの4年で約4割も改善した(リテールDXカンファレンス2023開催時点)。コア業務にフォーカスできることから業務効率も上昇している。以前に比べ、少ない経理の人数で対応が可能になった。

 「近年では電子帳簿保存法の法整備も進み、BPOとの相性が良くなっていますが、インボイス制度では適格事業者登録番号のチェックなど業務負荷が追加されています。このチェックを目視で対応するのは大変なので、『AI-OCR』といったテクノロジーの活用が有効です。ただAI-OCRも完全ではないため、BPOと組み合わせて補完することで効率化が図れます。BPOをうまく活用することで、経理部の働き方改善や属人化排除などを実現できます。まずは小さく始めてメリットを実感してみることが大切です」

BPOで重要なポイントのまとめ(出典:マネーフォワード提供資料)

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