「AWS認定資格取得で仕事の幅が広がった」 エンジニアの体験を紹介「資格取得はゴールではない」

資格試験はともすると「取得すること」そのものが目的になりがちだ。しかし、習得した知識を業務に生かせなければ宝の持ち腐れとなる。実際の業務に確実に役立ち、エンジニアとしてのキャリアを大きく変え、仕事の幅を広げるのがAWS認定資格だ。

» 2023年12月27日 10時00分 公開
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 数あるITエンジニア資格の中で近年注目されているのが、クラウド技術に関する資格だ。

 特に、「Amazon Web Services」(以下、AWS)は他のクラウドサービスよりも日本語の情報が充実しており、「これからクラウドを使いたい」「技術を学びたい」というエンジニアにとってキャッチアップしやすい環境が整っている。

 AWSの認定資格取得は、エンジニアやIT部門のマネジャーのキャリアにどのようなインパクトを与えるのか。12のAWS認定資格を持つ、フォージビジョンの山口正徳氏(ソリューションアーキテクト部門責任者)は「エンジニアとしてのキャリアは資格取得によって変わり、仕事の幅も広がった」という。どういうことか、詳細を見ていこう。

エンジニアの「価値」を向上させるAWS認定資格

 今日、システムインフラを設計・構築する上でAWSに関する知識や実務経験を持つエンジニア市場価値が高まっている。

 こうした中、「いずれAWSプロジェクトに参画したい」と考えているエンジニアに勧めたいのが、AWS認定資格への挑戦だ。AWSに携わった経験がないと躊躇(ちゅうちょ)するかもしれないが、IT営業職などの非エンジニアが知識を底上げするために挑戦するケースもあるという「AWS Certified Cloud Practitioner」から始めることもできる。これはクラウド技術やAWSに関する基礎的な知識が問われる初級者向けの資格だ。

フォージビジョンの山口正徳氏 フォージビジョンの山口正徳氏

 山口氏はAWS認定資格を取得したことでキャリアが大きく変わった1人だ。「エンジニアとして重要なのは、やはり自分自身の成長です」と同氏は語る。

 「12個の認定資格があるというのは多く感じますが、それだけAWSがさまざまなサービスを提供しているということだと思います。機能の追加や製品アップデートが日々実施されています。仕事でAWSに触れていても、業務で得られる経験や知識には限界があります。新しいサービスを利用する際にイチから取り組むのではなくあらかじめベースとなる知識を得ることは大切です」

 認定試験を受けなくても知識を学ぶことは可能だが、なぜ山口氏は認定資格の取得を目指したのだろうか。「AWSの認定資格試験はAWSに関する知識だけでなく、いろいろな要素を網羅しています。認定資格の勉強を通して知識と技術を体系的に落とし込み、いざというときに使えるように準備しておくことが重要です。こうすることでエンジニアとしての幅や質を上げられると考えています」

 同氏はUNIXオペレーターやセキュリティエンジニア、インフラエンジニアとしてキャリアを重ねた後、2014年にAWSと出会った。業務上の調査の一環でAWSに触れ、AWSユーザーグループ「JAWS-UG」が主催するイベント「JAWS DAYS」に参加した際はAWSに関する知識を発表している参加者の“熱量”の高さが印象的に残ったという。

 イベント参加を機に「AWSに関わる仕事をしたい」と考えるようになった同氏は、2015年に「AWS Certified Solutions Architect - Associate」を取得した。以来、AWSに関する知識や理解を体系的に深めるために認定資格を次々に取得し、現在ではAWS認定資格12種類全てを取得した。勤務先のフォージビジョンではAWSに関する技術責任者と事業責任者を兼任している。

AWS認定の種類とレベル(出典:AWSの提供資料) AWS認定の種類とレベル(出典:AWSの提供資料)

 山口氏はAWSが定める国際認定「AWS Hero」に認定され、「AWS Samurai」を受賞している。AWSによるとこうした国際認定と受賞歴のあるエンジニアは日本ではまだ数少ない。「もともと私は平凡なエンジニアでしたが、今ではAWS Heroになることができました」

 AWS Heroになった山口氏は現在、顧客企業に指名されるようになった。「AWS認定資格の取得はお客さまにもインパクトがあったようです。1件目のAWSの案件は資格取得によって受注できたと言っても過言ではないと思っています」。案件の中には「AWS認定資格を持っている人がチームに含まれていること」が条件となっているケースもある。山口氏が参加するからという理由で受注した案件もあるという。

「試験を受けて終わり」ではなく、現場部門に“還元”する

 AWS認定資格には、基礎レベルの「Foundational」と一般的なエンジニア知識が求められる「Associate」、より深い知識が求められる「Professional」、専門性が求められる「Specialty」の4段階がある。

 通常業務と並行して学習を進めるのは大きな負荷になるが、山口氏はなぜ12種類の資格取得に挑戦したのか。

 「理由の一つは『知識に自信を持てるようになる』からです。AWSの認定資格は、これを持っていなければAWSの案件に携われないというものではありませんし、資格を取ったからといって稼げるものでもありません。資格は自身の知識やスキルを対外的に示すプロフェッショナルとしてのバッジです。もちろん期待や責任も大きくなりますが、それを乗り越えられる自信が付くことで自分にも所属している企業にも大きな変化が生まれます」

 エンジニアとして実務に携わるだけでなくマネジャーとしての職務も担う山口氏は、マネジメント面でも資格取得のメリットを感じている。「『エンジニアは日々学習が必要』だということを部下に行動で示す必要がありました。クラウドの進化にキャッチアップするための学習の目安として、資格取得は分かりやすいと考えました。部下が同じ資格の取得を目指すことでコミュニケーションが活性化し、組織力の向上に貢献したと考えています」

 ビジネス的な観点でもAWS認定資格を網羅することのメリットを感じているという。「お客さまは認定資格の取得者を“AWSのプロフェッショナル”と見ています。想定していたよりも資格取得によるお客さまからの信頼の向上は大きかったと思います。資格取得後はいろいろな質問を受けるようになりました。こうした質問にきちんとお答えするためにも、認定資格を網羅することは有意義です」

 AWSに関しては日本語で多くの情報が得られるため、「資格試験にチャレンジしなくても詳しくなれるのではないか」と考える人もいるだろう。しかし、山口氏は情報が多いAWSだからこそ資格を取得する意義があると語る。「いろいろな情報があふれている中で、どれが正しい情報なのかと判断に迷うユーザーは多くいます。情報が正しいかどうかを実際に試すのも一つの方法ですが、それが難しいケースもあります。そうした場合に、資格取得者は『この人が持っているAWSに関する情報は信頼できる』と安心感を持ってもらえる。お客さまに信頼していただくために資格取得は大いに役立っています」

 資格取得で変化したのは山口氏のキャリアだけではない。フォージビジョンも大きく変化したという。山口氏が認定資格を初めて取得した2015年当時、同氏以外はAWS認定資格を持っていなかった。山口氏が資格取得に次々と挑戦する中で挑戦する従業員が増えていった。2023年10月時点でフォージビジョンの従業員が取得したAWS認定資格は合計180に上る。

 資格者が増えるにつれて、学習する文化が社内に定着していった。エンジニア養成プログラムにAWS認定資格取得が目標として取り入れられ、勉強会が開催されるようになった。

 勉強会では認定資格取得者が挑戦者を支援し、資格取得のための独自の学習プログラムも生まれた。

 「AWSは『AWS Skill Builder』という学習プログラムを提供していますが、当社はその“フォージビジョン版”を作りました。学習者からフィードバックを受けて、より効果的な学習ができるようにブラッシュアップしています。学習プログラムは知識習得後のアウトプットの場としても利用されています。『試験を受けて終わり』でなく、得た知識を現場部門に“還元”する場となっているのです」

認定取得後も知識を更新

 それでは、AWS認定資格取得に当たって効果的な学習とはどのようなものだろうか。

 山口氏は有償のAWS公式トレーニングの受講を勧める。これは3日間のクラスルームトレーニングで、座学だけでなくラボでのハンズオンやグループワークなども実施する。「中でもグループワークは、他社のエンジニアとディスカッションを重ねながら課題に取り組むため、新しい気付きを得られます。資格取得後に現場で知識を生かす際のトレーニングにもなるので、当社のメンバーに受講を勧めています」

 AWSは、認定資格に挑戦したい人が環境に合わせて学べる選択肢を用意している。オフライン開催される講座への参加が難しい場合は、オンライン講座AWS Skill Builderで学習することも可能だ。

 山口氏は、認定資格を取る順番にはコツがあると語る。まず基礎編のAWS Certified Cloud Practitionerを取得し、次にAWS Certified Solutions Architect - Associateの取得を勧める。「AWSを利用する上でエンジニアが知っておくべき基本が体系的に網羅されているこの2つからスタートするとスムーズです」

 その後は、他のAssociateの資格、あるいは自身の業務に直結するSpecialtyの資格を取得し、「AWS Certified Solutions Architect−Professional」を目指すべきだという。

 「自分の業務に直結する資格のみ習得する」という一見合理的な道ではなく、なぜ他のAssociateの資格やAWS Certified Solutions Architect−Professionalの取得を勧めるのだろうか。

 「『これは自分の仕事とは関係ない』『役に立たない』と判断して勉強しないのは、自分の可能性を捨ててしまうことにつながると思います。AWSの機能は多岐にわたるので自身の業務外の領域はいいやと思いがちですが、全ての領域をカバーするのが後々“効いて”きます」

 なお、AWSの認定資格は3年ごとの更新が必要だ。「クラウドの進化は速いため、3年もたてば“常識”は変わります。資格更新は知識をアップデートする良い機会ですし、認定の価値を保てるという大きなメリットがあります」と、山口氏は評価している。

AWSが推奨する担当業務ごとの認定取得パス(出典:AWSの提供資料) AWSが推奨する担当業務ごとの認定取得パス(出典:AWSの提供資料)

エンジニア自身の価値、そして日本のクラウド活用のレベル向上につながるAWS認定資格

 AWSに限らず、資格取得自体が目的になっている人も多い。ここまで見てきたように、AWS認定資格は「取ったら終わり」ではない。知識の有無よりも得た知識を現場でどう活用するかに重点を置いている。知識を常にアップデートするエンジニアでなければ資格を保持し続けられないのも特徴だ。

 山口氏は「しっかりした知識を持つ人がAWSを活用し、その知見をコミュニティーで講演することで知見が蓄積され、日本のクラウド活用のレベルアップにつながると信じています」と語る。

 「一つ一つの知識や技術は“点”でしかなく、それだけでは活用できません。それらの知識が現場で活用されることでつながって“線”になり、それがさらにつながって“面”になる。面になると、困ったときに応用できるような『血肉』になっているんですね。まずは勉強することで“点”を増やしてください。現場での活用を通じて“線”、そして“面”にすることで、エンジニアとしての活躍の幅や価値が上がります。その自信を背景にプロフェッショナルとして活躍することで、キャリアアップもかなうと思います。ただし、何でもかんでも勉強するのは難しい。AWS認定資格を目指して勉強していくのがいいのではないかと私は考えています」

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