Windows Server IoT OS搭載HPEサーバで幅広い業界の課題を解決アフターマーケットのメンテナンスまで考慮したサーバ&OS選定のポイント

機器メーカーにおいて装置の利便性やメンテナンスの容易性は重要な差別化要因。だがアプリケーションのリッチ化はハードウェアやOS、運用保守費用などがかさむ要因になる。付加価値の高い製品開発と供給コスト削減を両立させる方法を探る。

» 2024年04月26日 10時00分 公開
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 一昔前の産業用、医療用の装置は、フットプリントの小さな専用装置と専用OSを利用することが多かった。だが現在は高度なアプリケーションを搭載し、より利便性の高い機能を求める声が強く、装置と組み合わせて利用するサーバにも汎用(はんよう)OSを採用するケースが増えてきた。

 一般的に利用されているサーバ製品は新しいアーキテクチャが開発・採用されると新モデルが登場し、OSも最新のものが搭載されるため、自社製品に組み込んで提供する場合は、そのたびにアプリケーション検証が必要になる。最新のOSを採用してユーザーの利便性を高めることは商品の競争力強化にとって重要だが、その対価として原価がかさみ、提供後のサポートにも高いコストが発生するというリスクがある。

 自社製品の付加価値向上と原価の低減、供給後のメンテナンスの軽量化を実現するにはどうしたらよいだろうか。本稿では、メーカーの成功事例とともにハードウェアとOSの組み合わせによって自社製品の競争力を強化するヒントを紹介する。

Windows Server長期保守へのニーズが高まる

菱洋エレクトロ 羽豆秀樹氏 菱洋エレクトロ 羽豆秀樹氏

 菱洋エレクトロの羽豆秀樹氏(ソリューション事業本部 ソリューション第3ビジネスユニット 推進グループ グループリーダー)は次のように語る。

 「多くの企業が産業用装置や医療機器をリプレースせずに長期間利用したいと考えており、装置に組み込むWindows Server製品には長期での利用が求められています。できれば10年以上利用したいというお客さまもいます。しかし、一般的なWindows Server搭載サーバは2〜3年で新しいモデルがリリースされ、それに合わせてOSも最新にアップデートするのが推奨されています」

 OSを変更すると、装置や機器に組み込むアプリケーションの動作確認や修正が必要になり、それに伴う手間とコストが発生する。医療機器や産業用装置はアプリケーションの長期安定稼働が必須でOSの変更による予期せぬ動作の変化は許容されない。

 一般的なWindows Serverを利用した機器を提供する場合は別の課題もある。エンドユーザーがクライアントPCからWindows ServerにアクセスするにはCALのライセンスが必要だが、利用する装置や機器の台数が多くなるとCALのコストがかさむ。SQL Serverなどのミドルウェアにも別途ライセンスコストが発生するため、機器の提供価格が高くなってしまう。

長期供給で低コストのEmbeddedライセンス形態のOS

 このような課題を解決する手段の一つが、Embeddedライセンス形態のOSを搭載したOEMサーバの採用だ。EmbeddedライセンスOSは、特定の機器に組み込むことを目的に設計されたOSだ。

 一般的なWindows Serverと異なり、Embeddedライセンスのサーバ製品は最長10年の長期供給が行われる。一般的なWindows Server OS搭載サーバ機器の場合はハードウェアを更新するたびに自社ソフトウェアをどんどん新しいOSに対応させていく必要があるが、Windows Server IoT OSなら10年間供給継続されるため、機器のライフサイクルに合わせたOSの利用が可能となる。サポート面ではセキュリティパッチが最長10年間提供されるため、OSサポート面でも安心できる。

菱洋エレクトロ 伊藤陽香氏 菱洋エレクトロ 伊藤陽香氏

 ミドルウェアを安く利用できる点も魅力だ。菱洋エレクトロの伊藤陽香氏(ソリューション事業本部 ソリューション第6ビジネスユニット エンベデッドビジネス推進第3グループ)は以下のように説明する。

 「一般的なOpen Valueライセンスと比べて、Embeddedライセンスはコストを大幅に抑えられます。特定用途で使う企業にとっては、かなり投資対効果が高いと言えます。特にEmbeddedライセンスのSQL Serverの価格は安く提供可能で、『Windows Server IoT 2022』『SQL Server IoT 2022 Standard』を導入して、大幅なコストダウンを実現した事例もあります」

 ただし、Embeddedライセンスには制約もある。汎用的な目的には使用できないため、例えば管理部門の業務アプリケーションサーバとして利用できない。特定用途機器を提供するOEMメーカーに許諾されるライセンスであるため、エンドユーザー企業によるインストールも不可だ。また、購入前にMicrosoftとのCLA契約の締結が必須だ。

Embeddedライセンスの用途制限(出典:菱洋エレクトロの提供資料) Embeddedライセンスの用途制限(出典:菱洋エレクトロの提供資料)

 菱洋エレクトロは、EmbeddedライセンスOSを搭載したOEMサーバを提供している。OEMサーバはハードウェアとOSの組み合わせが最適化されているため、安定性と信頼性が高いといった特徴がある。豊富なサービスメニューで、キッティングや事前の動作確認の検証、技術支援などを提供することにより、コストを抑えつつ、最適なシステム構成を実現できる。

 菱洋エレクトロの強みは、自社倉庫にキッティングセンターを持つ点だ。入荷した物品を他に移送せずに初期不良を確認してすぐに出荷できる。移送の回数が減ることは故障リスクの低減につながる。顧客の要望に沿ってOSや各種設定、アプリケーション実装まで実施してOEMサーバを出荷することで、顧客は自社の工数負担を大幅に減らせる。

キッティングでユーザーの負荷を軽減(出典:菱洋エレクトロの提供資料) キッティングでユーザーの負荷を軽減(出典:菱洋エレクトロの提供資料)

 同社はMicrosoft、Intel、NVIDIA、HPなど主要ITメーカーの一次代理店として、業種を問わずさまざまな分野の企業に販売、サービス提供しているという実績を誇る。EmbeddedライセンスOSに関しては30年以上にわたる取り扱い実績がある。専任エンジニアによる導入サポートとアフターフォロー支援を提供している点も強みだ。

製品面や価格面で多様な価値を発揮するHPEのOEMソリューション

HPE 中村隆之氏 HPE 中村隆之氏

 菱洋エレクトロとのパートナーシップの下、EmbeddedライセンスOSを搭載したOEMサーバを提供しているのが日本ヒューレット・パッカード(以下、HPE)だ。HPEの中村隆之氏(パートナーアライアンス営業統括本部 OEM営業部 担当部長)は、OEMソリューションについて次のように説明する。

 「HPEは、お客さまが自社製ソリューションをお持ちであること、ソリューションはHPE製品とセットで販売、もしくはクラウドで提供されること、継続したビジネスであることを条件にOEMソリューションを提供しています。医療機器、製造装置など安定稼働が求められ、取り扱うデータ量の増加が見込まれる業界には当社のOEMソリューションがマッチします」

 HPEのOEMソリューションは、製品や販売支援、保守サポート、グローバル対応、販売後対応の各段階でさまざまなメリットがある。

 製品面では、HPEの全製品をOEMとして利用できる。中でもOEM専用サーバは約5年以上も長期供給されるので、そこが魅力だ。これはCPU2世代分に当たり、CPUメーカーとの強固な関係なくしては実現しない付加価値だ。5年間の無償保証(ワランティー)の長期保証が標準で付帯する。また、長期保守に関しては7年間に加え、8年以上も相談可能だという。

 自社開発ソフトウェアをHPEのサーバに搭載してアプライアンスとして提供する場合、オプションとしてサーバのラベルカラーを変更したり自社のロゴを付けたりするといったカスタマイズも安価に実現する。自社のブランドイメージに沿ったカスタマイズが可能な点は魅力だ。

HPE 後藤貴彦氏 HPE 後藤貴彦氏

 HPEの後藤貴彦氏(パートナーアライアンス営業統括本部 第一営業本部 第四営業部 パートナービジネスマネージャー)は販売支援について以下のように語る。

 「年間の出荷台数に応じたOEM専用価格を設けることで低価格で利用でき、エンジニアによる技術支援、自社製品との組み合わせ評価といった支援も受けられます。日本から海外に輸出した製品のサポートに対応している点は、グローバル企業ならではの特典でしょう」

HPEがOEMサーバを提供することによるビジネス価値(出典:HPEの提供資料) HPEがOEMサーバを提供することによるビジネス価値(出典:HPEの提供資料)

事例:自社製品のサービス品質向上と安定供給を実現

 HPEのOEMソリューションを採用して付加価値の向上を図った企業の事例を紹介しよう。ピー・エム・シーは車両のナンバープレートを自動で認識し、瞬時に顧客情報と結び付ける「車番認識システム」を開発している。同社のシステムはカーディーラーや小売店、商業施設、工場などでの入退場管理などに使われ、顧客体験の向上に役立っているという。

 同社はこの車番認識システムの標準プラットフォームとしてHPE OEMソリューションを導入した。同社の主要顧客であるカーディーラーは、複数年計画でこの車番認識システムを導入し、同一仕様のシステムを導入要件とするケースが多い。HPEのOEMソリューションであれば5年以上にわたって製品を供給するため、そのような要件にも応えられる。5年間の保証が標準で付帯している点も選定のポイントになった。

 もう一つの魅力は「HPE GreenLake for Compute Ops Management」(以下、COM)によって、複数の拠点に置かれたサーバのリモート管理が可能な点だ。COMはHPE ProLiant Gen10サーバ以降で利用できるサーバ管理サービスで、「HPE GreenLake」の一部として提供されている。COMを利用することで、データセンターからエッジまで多拠点あるいは大規模に展開するサーバを一元的に管理できる。

 後藤氏は、菱洋エレクトロとタッグを組んで提供するOEMソリューションについて次のように語る。

 「当社とOEM契約していただいたお客さまには、製品、サービス、オペレーション、技術情報など、通常のお客さまには提供できないレベルのものを提供します。菱洋エレクトロさまのソリューションともコラボレーションしてOEMソリューションを広げることで、自社製ソリューションを開発・販売しているお客さまのビジネス拡大をお手伝いします」

 菱洋エレクトロの羽豆氏も両社のコラボレーションに大きな期待を寄せる。

 「Embedded OSを搭載した機器は、製造・医療分野だけでなく流通や映像関連の業界でも使われています。店舗サーバやPOS、アミューズメント機器、映像配信、デジタルサイネージなど幅広い用途に活用可能です。HPEさまと共に、お客さまの組み込み装置の長期利用とコストダウンをご提案します」

 EmbeddedライセンスOSを搭載したOEMサーバは、長期サポートと供給、高い安定性と信頼性、カスタマイズ性といった特徴を備えており、幅広い業界の課題を解決する有力な手段と言える。

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提供:菱洋エレクトロ株式会社、日本ヒューレット・パッカード合同会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2024年5月25日