「2025年の崖」を乗り越える“変革のカギ”――クラウド移行を阻む壁とは 移行を成功させるための実践的アプローチ「2025年以降の成長」を支えるマイグレ/モダナイジャーニー「最終解」

ビジネスに一層の俊敏性と変化対応力が求められている今、ITシステムも「変化が激しい経営環境と、自社の目的に最適な仕組み」への変革が迫られている。その最大のカギとなるのがクラウドだ。VMware、Oracle Database、SAP……これらをクラウドに移行する価値とは。価値を最大化する秘訣(ひけつ)とは。マイグレーション/モダナイゼーションジャーニー、最新の勝ち筋をAWSトップアーキテクトに聞く。

PR/ITmedia
» 2025年03月31日 10時00分 公開
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本記事は、アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社の依頼を受けて、同社の広告として掲載しています。


 社会全体でデジタル化が進展し、およそ全てのビジネスをITが支えるようになって久しい。経営環境の変化も激しく、ビジネスとそれを支えるシステムには一層の俊敏性と変化対応力が求められている。一方で、変革を迫っているのは経営環境だけではない。VMware買収に伴う仮想化基盤の見直し、「SAP」の2027年問題、「Oracle Database」をはじめとするデータ活用の合理性追求など、技術的な側面からも変革が迫られている。

 経済産業省の「DXレポート」で指摘された「2025年の崖」(※)が到来し、社会が急速にデジタル化している今、企業は経営環境とツール事情の両面から、自社の目的・状況に即した“各社固有の新しい仕組み”へとアップデートすることが急務になっているといえるだろう。

※経済産業省が2018年に発表した資料「DXレポート」で提示した言葉。複雑化、老朽化、ブラックボックス化した既存のITシステムがDXの足かせになってしまい、2025年以降に大きな損失を生む可能性があると指摘されている。

 こうした中、変革の最大のカギとなるのがクラウドだ。周知の通り、ビジネス展開の俊敏性、拡張性、合理性を高める上で不可欠となっている。特に、一足飛びの変革は非現実的である以上、まずはクラウドへの移行を進めることが変革の第一歩として最も合理的な選択肢の一つとなる。だが、クラウドの必要性やメリットは理解していても、移行に踏み切れない企業は多い。そこにはどのようなハードルがあり、どう解消できるのか。多くの企業のクラウド移行を支援してきたアマゾン ウェブ サービス ジャパン(以下、AWS Japan)の巨勢泰宏氏柳嘉起氏に、移行を成功させる実践的アプローチと、さらに成果を勝ち取るためのジャーニーを聞いた。

photo 左からAWS Japanの巨勢泰宏氏(常務執行役員 技術統括本部長、Director, Head of Japan Solutions Architecture)、柳嘉起氏(技術統括本部 エンタープライズ技術本部 エネルギー&ユーティリティ部 部長、マイグレーション&モダナイゼーションリード)

基幹システムのクラウド移行が増えている3つの理由

アイティメディア 内野 およそ全てのビジネスがデジタル化している今、それを支えるシステムの見直しが急務になっていると思います。変革の最大のカギとなるのはやはりクラウドであり、弊社の読者調査でも導入企業は年々増加しています。AWSとしてはクラウド移行の現状をどうご覧になっていますか。

巨勢氏 国内でのクラウド利用は着実に進んでいます。理由は大きく3つあります。1つ目はビジネスの俊敏性・拡張性を向上できること。2つ目は環境負荷軽減。クラウドはITリソースを最適化できるため、高い稼働率を維持して効率的に活用できます。3つ目はビジネスプラットフォームのグローバル展開。このニーズに対してAWSは世界に展開する36のリージョンで応えています。

 これらの理由から、基幹システムのクラウド移行に着手する企業も増えています。例えばSBI証券は、国内証券の1日2兆円を超えるオンライン取引システムをAWS上で稼働させており、需要の急な高まりにも対応できる仕組みを築いています。NTTドコモは5GネットワークにAWSを活用することを検討しており、事前検証において約70%の電力削減に成功し、環境負荷の低減に期待しています。ビジネスのグローバル展開という意味ではJPモルガン・チェースがよい例です。8200万のユーザーを持つオンラインサービス「Chase.com」をAWSに移行し、3リージョンでアクティブ-アクティブ構成を採り、ビジネス拡大と高度な事業継続性を両立しています。

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セキュリティが不安、コストが高くなる――不安は払拭できるのか

内野 そうしたメリットは広く認知されていますね。ただ、移行に心理的ハードルがある企業もまだまだ多いのが現実です。例えば、読者調査で「パブリッククラウドの課題」を聞くと、セキュリティ、コスト、運用の不安が例年多く挙がります。

巨勢氏 そのようなご不安は、コミュニケーションをとる中で払拭(ふっしょく)しています。まずセキュリティはAWSの最優先事項です。チップ開発からデータセンター構築まで、一貫してインフラのセキュリティ対策に取り組んでいることなどをお話しすると安心感を持っていただけます。

 コスト面についても、AWSのマネージドサービスは、「お客さまがやらなくてよい作業をオフロードできるように」というコンセプトで設計しています。ビジネスの差別化要素ではない部分をAWSが請け負うことで、企業は運用コストを削減できるわけです。その上で、柔軟性、拡張性など「クラウドならではのメリットをどう生かすか」という戦略的活用をお勧めしています。

photo アイティメディアの内野宏信(統括編集長)

内野 セキュリティにせよ運用にせよ、全てを自前でやるのは難しい。そこで「本業」以外の部分は社外の専門家に任せて、自社は本業を伸ばすことに集中するという考え方ですよね。ただ、そこまで理解していても「どう移行を進めればいいのか」「何を移行し、何を残すべきか」といった判断でつまずく例もあります。クラウドのメリットを引き出す上で、何が移行のポイントになるとお考えですか。

柳氏 まずはシステムごとに適切な移行方法を選択することが重要です。AWSでは既存システムをそのまま移行する「Relocate」(リロケート)、OSやミドルウェアを移行した上でクラウドの特性を生かした構成に最適化する「Rehost」(リホスト)、OSやミドルウェアを変更/アップグレードして移行する「Replatform」(リプラットフォーム)、アーキテクチャを再設計し、クラウドネイティブに置き換える「Refactor」(リファクター)など、移行方法を7つにまとめた「7R」という考え方を公開しています。

 これを基に移行方法を検討することをお勧めしていますが、ステージ1は「リロケート」、ステージ2は「リホスト」、ステージ3が「クラウドネイティブ」と、大きく3段階に分けて提案するケースが一般的です。

photo 移行におけるクラウド活用のパターン(提供:AWS Japan)

巨勢氏 ただし、重要なのは必ずしも全てのシステムをステージ3まで進める必要はないということです。システムの特性や要件に応じて適切なステージを選択することが大切です。また、期限だけを目標にすると移行が目的化しやすいため、移行をスタート地点として、その後のモダナイゼーションを視野に入れつつ、中長期的に取り組むことがポイントです。

内野 移行ではなく、ビジネス価値の向上を見据えることが重要なのですね。

柳氏 そうですね。その点で経営層の意思決定とそれを実行する推進体制の確立が、やはりポイントになります。特に「Cloud Center of Excellence」(CCoE)と呼ばれるクラウド推進組織の設置が効果的です。技術面では事前の十分なアセスメントが不可欠です。例えば「変更が少なく高度な安定性が求められる」「変更が頻繁にある」など、システムの特性によってクラウドにマッチするかどうか、移行するならどんな設計が最適かなどを判断します。システムはビジネスの特性にひも付いているため、事業部門へのヒアリングも欠かせません。

意思決定のための評価から、移行、運用――IT部門単独では難しい

内野 ただ、ここまで移行のポイントをうかがってきたわけですが、IT部門が経営と分断されており、事業部門や経営層とのコミュニケーションに課題を持つ例も多いのが現実です。IT部門単独でこれらを行うのは確かにハードルが高いかもしれませんね。

巨勢氏 そこでAWSが用意しているのが、クラウド移行を総合的に支援する「ITトランスフォーメーションパッケージ」です。移行の意思決定を行う前段階であるアセスメントから、その結果に基づく意思決定支援、移行パターンの策定、移行実施、運用に至るまで、必要なプログラムをワンパッケージにまとめたものとなります。

 特に重要なのはアセスメントです。相談を受ける際、「○○台のサーバをどう移行するか」など手段の話に閉じてしまうことが多いのですが、大切なのはビジネス価値の向上です。経済合理性の評価、移行方法の検討、スキルギャップ分析などを通じて、真の目的に気付いていただけるよう心掛けています。意思決定後には各種トレーニングメニューなどを用意している他、CCoEの設立、ガイドライン整備、その後の運用まで包括的に支援しています。

photo AWSのトータル支援体制(提供:AWS Japan) なお、「移行パターン」検討に伴う具体的なクラウド環境の設計については、ベストプラクティス集である「AWS Well-Architected Framework」を活用して、AWSのエンジニアやパートナーが伴走支援する。これを利用して自社で設計を検討することも可能だ

柳氏 ちなみに、IT部門の方からは「移行しやすいものは移行済みで、移行難易度が高いものだけが残っている」といった話も聞かれますが、難しいとされてきた基幹システムの移行実績も豊富にあります。意思決定を的確に行うためにも、実現性評価を行った上で、その後の準備から移行実施までをトータルでAWSがご支援させていただくということをお伝えしたいです。また、移行はスタート地点であり、移行後の運用フェーズも継続的に支えさせていただきます。AWSは5つのサポートプランを用意していて、基幹システムなどの重要なシステムには「エンタープライズサポート」をお薦めしています。本プランは、15分以内の緊急対応や専任の「テクニカルアカウントマネージャー(TAM)」による支援を提供しています。TAMは、お客さまの実アプリケーションや実ユースケースに応じたガイダンスに加えて、継続的なコスト最適化も実施します。移行計画時は開発費用のみに目が行きがちですが、一般的に開発フェーズよりも運用フェーズのほうが長く、多くのリソースを必要とします。AWSは、ライフサイクル全体にわたるコスト最適化をご支援いたします。

VMware、Oracle Database、SAP ECC 6.0――AWSへの移行実績が増加中

内野 まさに企業の中に入ってIT部門単独では難しい部分を補完しつつ一緒に進めるイメージですね。

巨勢氏 ただ改めて思うのは、移行の成果を追求する上では経営層のデジタルリテラシーも大切だということです。2021年の「AWS Summit Tokyo」では、数千台のサーバ、ペタバイト(PB)クラスのデータをAWSに移行したDeNAの南場智子会長が登壇し、ご自身の言葉で同社のクラウドジャーニーを語ってくださいました。そうしたリーダーシップも重要だと考えます。

内野 経営とITは一体化しているわけですから、移行支援をきっかけにリーダー層が変わっていくことも期待されますね。一方で、IT部門も主体的に事業に関わるスタンスが求められています。AWSやパートナーとの連携、協働の在り方もポイントになるでしょうね。

巨勢氏 そうですね。大規模なクラウド移行を成功させるには、AWSと移行の専門知識を持つパートナーとの協業が不可欠です。特に「AWS Migration and Modernization Competency」を取得したパートナーは豊富な移行実績を持っており、業種・業務に特化した知見も提供できます。

photo パートナーの支援体制(提供:AWS Japan) 移行する上ではパートナーとの連携もカギになるが、「AWS Migration and Modernization Competency」を取得したパートナーは豊富な実績とノウハウを持ち、業種・業務に特化した知見も提供できる。特に、既存システムの詳細な調査や移行作業など、「個社環境に密着した支援が必要な部分」についてはパートナーが担当し、AWSは最新の技術情報やベストプラクティスを提供することでパートナーをバックアップする体制を採る。これによってきめ細かな支援を実現している

 よって、パートナーとの連携では「どこまでを自社で行い、何をパートナーに任せるか」を最初に見極めることが重要だと思います。その上で、プロに任せた方がよい領域は任せ、「自社エンジニアに利益を生み出す領域」「差別化に資する領域」には進んで関わるのが有効ではないでしょうか。お客さまとAWSとパートナーの3社で最適な移行や運用を議論できると理想的ですね。

柳氏 最近では、VMwareの仮想化基盤、Oracle Database、SAP ERP Central Component 6.0(以下、ECC 6.0)からの移行ニーズが増加しています。前述のように、まずは移行してクラウドのメリットを享受し、その上でAWSのサービスを組み合わせつつビジネス価値創出にシフトしていく。この基本アプローチはこれら全てに共通しています。

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 特に生成AIは自社特化業務への適用も広がっています。データをどう扱うかが活用成功のポイントですが、その点、生成AIと各種システムのデータが同じクラウド上にあることはさまざまな可能性を生み出します。例えばSAPやOracleのデータをクラウド上で扱うことも価値創造につながっていくはずです。

内野 各種メディアでは「モダナイゼーションせよ」といったメッセージが目立ってきましたが、取材などで目にする現実とのギャップは常に気掛かりなものでした。しかし、「アセスメントで現状を把握し、自社に最適な計画に基づいてクラウドに移行し、そのメリットを享受しつつシステムを手の内に収め、さらなる価値創出を狙う」アプローチなら無理がありません。また、最も重要なのは「ビジネス価値向上が真の目的」ということ。期限付きの単発プロジェクトに終わらせず、継続的なアップデートを続けていただきたいですね。

巨勢氏 AWSは、ビジネス価値の向上や創出のための手段にすぎません。ただ、AWSを使えば人材をより創造性の高い仕事へシフトできます。移行すべきシステムはなるべく早く移行し、人材の有効活用とビジネス価値創出に向けて動き出していただきたいですね。マイグレーション、モダナイゼーション、その先のデジタルを活用した新しいビジネス創造までのジャーニーを、ぜひ一緒に歩めればと思います。

photo AWS Japanオフィスのメッセージボード『IT’S STILL DAY ONE』の前にて

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