来年の1月スタート、モバイルSuicaで何ができる? :特集:FeliCa携帯、本格始動(2/2 ページ)
2006年1月から、ドコモ、auのおサイフケータイでスタートするモバイルSuica。どのようなサービスイメージになるのか、JR東日本に取材した。
クレジットカード兼用タイプは移行できない
現在JR東日本が発行しているカードタイプのSuicaは、電車に乗れる「Suicaイオカード」、定期券機能を持つ「Suica定期券」、クレジットカードにSuicaの機能を付けた「ビュー・スイカカード」の3種類に大別される。
Suicaイオカード、Suica定期券はモバイルSuicaに移行できるが、2006年1月のサービスイン時点では、ビュー・スイカカードの機能をそのままモバイルSuicaに移すのは難しそうだ。「クレジットカード機能が付いているSuicaカードは、モバイルSuicaには移行できないと思ってください。またモバイルSuicaでは当面、ポイントサービスなどの予定はありません。VIEWカードでSuicaにチャージをすると、ビューサンクスポイント(注:クレジットカードの利用額に応じてたまるポイント)が付くサービスは現在も行っていますし、モバイルSuicaでも継続することになると思いますが、例えばそのビューサンクスポイントがそのままモバイルSuicaのバリューになる、といったサービスは今のところ提供予定はありません」(山田氏)
ビュー・スイカカードにはたくさんの種類があり、アトレ、ルミネといったJR東日本系列の商業施設のポイントサービスと連動したカードもいろいろ発行されている。「店舗のポイントとモバイルSuicaのSFを交換できたらいいだろうとは思いますが、今は検討していません。将来的な課題です。クレジットカードの場合、店舗に置かれた読み取り機が磁気ストライプ対応のものが主流ということもあり、クレジットカードをモバイルSuicaにしてしまうのはすぐには難しいでしょう」(山田氏)
使える場所がさらに増える
JR東日本では、“駅ナカ”のSuica対応を進めている。改札機だけでなく、駅構内の売店、飲食店、自動販売機などのSuica対応も着々と進んでいる。特に大宮駅、品川駅の駅構内に展開している大型商業施設「エキュート」では、全店舗でSuica決済が利用できる。また、磁気式のイオカードは2005年3月31日にすでに販売終了しており、2006年2月10日の終電をもって使用終了になる。
関東エリアに限れば、JR東日本以外の路線の駅でSuicaが使えるようになるのも目前だ。パスネット(関東の私鉄各社で利用できる共通乗車券)と関東各社のバス乗車券もICカード化を予定している。「2006年度中には関東エリアではSuicaとパスネット、バス乗車券が相互利用できるようになります。SuicaもモバイルSuicaも、便利にお使いいただけます」(山田氏)
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