「日本は最重要市場」とSalesforce.comのベニオフCEO:Interview(2/2 ページ)
オンデマンドCRMのリーダー、Salesforce.comは、顧客らの声に耳を傾け、年3回のアップデートでそれにこたえている。現行バージョンの機能強化のうち、実に25%は日本からの要求だとベニオフCEOは話す。
ITmedia Salesforce.comの売り上げ全体に占める日本市場の売り上げ比率は約5%ということですが、この数字に満足していますか?
ベニオフ 日本法人の宇陀(栄次)社長はIBM時代の経験から、日本のIT市場規模は世界の約10%ほどだと話しています。つまり、そこまでは拡大する余地が十分にあるということです。
われわれは、日本市場を非常に重要なターゲットだと考えている。例えば、現行バージョンのSummer '04で行われた機能追加の25%は、日本のユーザーから寄せられたものです。日本市場で受け入れられるよう、今後も市場の違いやユーザーの考え方の違いを踏まえたアプリケーションをリリースしていきます。
カスタマイズが最大の強み
ITmedia 例えば、日本市場には「カスタマイズによる独自システム構築」「業務の外部委託に対する抵抗」「営業マンの秘密主義」といった、さまざまな障壁があると思います。これらをどう払しょくするのか?
ベニオフ それらの問題が存在することは熟知しています。先ず、カスタマイズについては、日本での最も重要な要件だと考えており、今回、Winter '05で組み込んだ「Customforce.com」はまさにそのためのソリューションです。
ただし、カスタマイズにこだわるのは何も日本だけではありません。実は世界中のすべての企業が考えていることです。カスタマイズの柔軟性が、セールスフォース最大の強みだと考えています。
オンデマンド・コンピューティングに対する抵抗ですが、日本ではNTTドコモのiモードに見られるように、世界で最もASP型のサービスインフラが発達していて、利用も進んでいると思います。
SFA(Sales Force Automation)に対してまだ理解が進んでいない点については、これから少しずつ解決していくべきところです。実際に使ってもらい、自身が入力したデータが即座に反映され、リアルタイムで状況を把握できるようになれば、営業マンの意識も変わってくるだろうと信じています。
ITmedia CRM以外の領域に参入する可能性はありますか?
ベニオフ われわれの目標は「best-of-breed」(最高品位)のCRMアプリケーションを提供することであり、そこから動くことはありません。まだまだ拡張が足りない部分もあり、今後2年をかけて順次構築していく計画です。
関連記事
- 元Oracle幹部レイ・レーンがSalesforce.comの構想を後押し
- Salesforce.com、新バージョンでOn-Demand Architecture時代へ
- 大統領選投票日、Salesforce.comはソフトウェアの終焉を宣言
- salesforce.com、カスタマーサービスもオンデマンドに
- salesforce.com、CRMサービスを「Summer '04」にアップグレード
- salesforce.com、IPOの出だし好調
- Salesforce.com、CEOのインタビュー掲載でIPO延期
- セールスフォース、株式公開で最大8500万ドルを調達へ
- CRMベンダーのアップグレード相次ぐ
- salesforce.com、ドラッグ&ドロップ方式のCRMカスタムツール
- ANAラーニング、業務効率アップにオンラインCRM「salesforce.com」導入
- Oracle元社長、「サービスとしてのソフト」の必要性呼び掛け
- Sun幹部、Salesforce.com入り
- セールスフォース、クライアント/サービスコンピューティングの新プラットフォームを発表
- Salesforce.com、銘柄コード「CRM」でIPOへ
- セールスフォース・ドットコム、小規模向けオンラインCRMサービスの価格を改定
- セールスフォース・ドットコム、無料オンラインCRMサービスを提供開始
- ホテル日航東京、サービス向上のためCRMのsalesforce.comを採用
- SiebelによるUpShot買収に、競合が対抗キャンペーン
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.