Salesforce.comのスルツ執行副社長、元Sun幹部の経験をベンチャーに生かす:Interview
オンデマンドCRMのリーダー、Salesforce.comの年次ユーザーカンファレンスで懐かしい人にインタビューした。今年2月、Sunから同社に電撃移籍したパット・スルツ執行副社長だ。
オンデマンドCRMのリーダー、Salesforce.comは、11月初め、カリフォルニア州サンフランシスコで年次ユーザーカンファレンス「Dreamforce 2004」を開催し、最新バージョン「Winter '05」を発表した。会期中、懐かしい人にインタビューする機会を得た。同社で技術、マーケティング、およびシステムの各部門を統括するパット・スルツ執行副社長だ。
彼女は1999年、IBMからSun Microsystemsに電撃移籍し、業界を驚かせたが、今年2月のSalesforce.com入りはそれを上回る驚きで迎えられた。Sun時代にはソフトウェア部門やサービス部門を統括する執行副社長として腕を振るい、日本のIT業界にもつながりが深い。IBMやSunという大企業の経験を持つスルツ氏がベンチャー企業であるSalesforce.comに何をもたらすのか?
ITmedia あなたはSalesforce.comに来る前は、Sunでプロフェッショナルサービス部門の執行副社長を務めていた。なぜ、このベンチャーへ転身しようと決めたのでしょうか。
スルツ ご存じのとおり、私はSalesforce.comに来る前はSunにいました。その以前はIBMで20年を過ごしており、さらに遡ればAT&Tまで至ります。Sunでの経験は非常に有益でした。これまで規模の大きな会社でビジネス経験を重ねてきたため、新天地として新興企業のSalesforce.comに興味を持つようになりました。Sunは年商36億ドルの大企業ですが、新天地はまだ成長途上の小規模企業です。私の役目は、まだビジネス経験の浅い人たちのお手伝いをすることにあります。
ITmedia あなたは製品からシステムまで、非常に幅広い部門を統括していますが、現在のSalesforce.comはどのような体制で運営されているのか?
スルツ CEOであるマーク・ベニオフの下、CFOのスティーブ・ケイクブレッド、セールスのジム・スティール、そして残りの部門をカバーする私の3人が協力して運営しています。製品に関しては、開発からマーケティング戦略まで、すべて私が管轄しています。特に、オンデマンドコンピューティングを提供するシステム部門は、Sunでの仕事の延長線上にあるといえます。
ITmedia Dreamforce年次ユーザーカンファレンスに初めて参加された印象はどうですか?
スルツ 昨年、初めて開催されたDreamforceの参加者は700人だったのですが、今年は2000人を超え、3倍となっています。ネットワーク管理者のようなITプロフェッショナルが主体だった昨年から、実際にアプリケーションを利用するセールスサイドのユーザーへと参加者の幅が広がったからです。営業の現場の人たちが実際にアプリケーションを活用するコツを理解しようと取り組んでくれています。
ITmedia 今後、どのような領域で機能強化を図っていく計画ですか?
スルツ 無線メール端末として米国市場で人気を得ているBlackBerryのベンダー、Research in Motion(RIM)との提携のように、今後はオンデマンドCRMを無線デバイスへと積極展開していく計画です。日本市場では、欧米と携帯端末の仕様が異なるため、NTTドコモのiモードやFOMAを対象としたビジネスを展開していきます。展開にあたっては、単にインタフェースを携帯端末向けに置き換えるだけではなく、どのようにすればアプリケーションが使いやすくなるかを考慮し、システムを構築していくつもりです。
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