「Notesプラス、Dominoプラスであるべき」とIBM LotusのゴヤールGM:Interview(2/2 ページ)
「Notesはどうなる?」──そんな不安を払拭するのが、今回のLotusphereでIBMに課せられた使命だ。アンブッシュ・ゴヤールGMに話を聞いた。
ゴヤール それは2レーンハイウェーの戦略でした。私は好きではなく、その計画は葬り去りました。「Notesプラス」「Dominoプラス」であるべきだと思います。だれも同じことしかできないのであればアップグレードはしません。新しいバリューやさらなる機能をNotesやDominoに追加したいからそうするのです。
もはや2レーンハイウェーではなく、目的地は共通です。生産性を高めるため、デスクトップからすべての情報にアクセスする必要があり、クライアントサイドにポータルをつくるのです。Notesも要素として入り、Workplace Collaboration ServicesのActivity Explorerも組み込めます、Siebel Systemsもプラグインを提供しようとしています。Dassault Systemesもデザインコラボレーションのソフトウェアを開発しています。パートナーらによってバリューが追加されるのです。われわれは書き換えではなく、価値を高めるのです。
ITmedia IBM Workplace Client Technologyを導入している企業はどれくらいですか。
ゴヤール 1500の顧客を獲得し、エンドユーザーライセンスは200万に達しています。また、120のパートナーがわれわれの製品価値を高めてくれています。
ITmedia IBM Workplace Client TechnologyからDominoにアクセスするとどんなメリットがあるのでしょうか?
ゴヤール 先ず、Dominoはスケーラビリティーが改善され、同じハードウェアでも70〜80%性能が向上しています。さらなるサーバの集約を可能となります。また、Domino Domain Monitoringと呼ばれる管理ツールも搭載し、より管理性が高まっています。さらにWebサービスに対応し、Dominoはどこからでもアクセスできるようになりました。
こうしたDomino自体の改善に加え、IBM Workplace Client Technologyでは、Activity Explorerのような新しい機能とNotesを連携させることもでき、その投資を活用できるようになります。
ITmedia なぜ、IBMはEclipseに投資するのでしょうか。
ゴヤール Eclipseで書かれたアプリケーションは、それがそのままわれわれのインフラであるIBM Workplace Cilent Technologyで動作します。Eclipseはこれまでに4000万のダウンロードがあり、巨大なコミュニティーが形成されています。これを活用できるのです。われわれはAPIをコントロールすべきでないと考えています。したがってだれでもEclipseをベースとしたクライアント環境は開発できるのですが、われわれは戦略の迅速な実行で他社と差別化を図ることができています。
ITmedia IBM Workplace Cilent Technologyは、オープンソース技術をふんだんに活用しています。Notesクライアントのコードはオープンソース化しないのでしょうか。
ゴヤール ご存じのようにオープンソースは、コミュニティーが形成されなければなりません。Notesは20年以上かけて開発されてきたもので、最新の技術がベースとなっていません。パートナーなどから良いアイデアが出てくれば検討したいと思いますが、われわれとしてはEclipseやXML、Webサービスなどにもっと注力したいと考えています。軽量のJavaデータベースであるCloudscapeもオープンソース化したばかりで、こうした貢献は続けたいと思います。それはコミュニティーを形成でき、それによって市場をより良いものにできるからです。
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