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ボーイングが採用したリアルタイムJavaの理由2005 JavaOne Conference(2/2 ページ)

ゲージ氏からJavaアプリをJVMごと仮想化するというユニークな試みが2005 JavaOneで披露された。ゴスリング氏からは、Javaアプリ事例として海洋水質調査、そしてボーイングが注目したリアルタイムJava(RTSJ)について触れた。

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 デモの最後には、環境はいちど壊れたら戻せないもの、と切な地球環境問題についても語られ、「それでは地球の氷河期を再現してみましょう」などとジョーク混じりに大量の氷を水槽に入れ、水温の変化模様を見せた。


実際に海洋で利用しているセンサーが会場に持ち込まれた。右側には無線のためのケータイが見える

RTSJに注目したボーイング

 次にゴスリング氏から紹介されたのは、同じく2005 DUKE'S CHOICE AWARDSを受賞したボーイングの事例。リアルタイムJava「RTSJ」(Real Time Specification for Java)を応用したものだ(関連記事)

 「ここ2、3年間、リアルタイム処理についてさまざまな試みをしている」とゴスリング氏。

 リアルタイムJavaは、JavaVMを拡張してタスクスケジューラ処理、ガベージコレクションによる影響時間それぞれの規定などを比較的厳密な時間軸で管理させるというもの(関連記事)

 ボーイングからは、Java採用のキーマンが招かれた。

 なぜ採用したのか? とのゴスリング氏の問いに、「例えば、軍では高度なデジタルデバイス持ち歩く必要性がある。情報は刻々と変化、それに伴いディプロイし続ける必要性がある。さらに、さまざまなデバイスを接続することからもオープンであることが重要視され、リアルタイム性のスペックからもRTSJに注目した」という。


ボーイングが採用したRTSJプラットフォーム。さまざまな機関やベンダー開発によって実現した

 また、C++でも開発が可能であったものの、生産性向上や移植性実現を重要視し、開発のマンパワーが目標達成に注力することができたという。


ゴスリング氏らしいコメントとして、壇上に持ち込んだ模型について「本当は、実際に飛ぶものを持ち込ませてほしかった。しかし、会場の安全管理上無理だったのでとても残念だ」とこのカンファレンスで2回も語った

ゴスリング氏は、実際に飛ばしている模様のビデオで我慢した

Javaアプリケーションは、この先端部に内蔵されているという

 基調講演で最後を飾ったのは、お馴染みのTシャツ飛ばしガジェットの登場だ。この日に持ち込まれたのは、とてもシンプルな外観を持つもの。ハンマーで勢いよく叩いてテコの原理で飛ばす。連日で3つ目のガジェットとなったが、いちばん遠くまで飛んでいた。

 ゴスリング氏は、「シンプルな物は良い結果が得られる。プログラミングにも通じるものだ。忘れないでほしい」と語った。

 その後、会場の参加者による拍手によって優勝者を決めた。その際にも、拍手の音をセンサーで拾い音の大きさで判断をするというゴスリング氏らしい判定方法となった。


コンテスト参加の3組全員に賞状が送られた

 なお、国内における「JavaOne Tokyo 2005」は、今回の2005 JavaOne Conferenceの情報が含まれた規模で、11月15〜17日に東京国際フォーラムで開催される(15日からは有料セッションが有り)。Night For Java Technologyも予定されているという。

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