日立とNTTファシリティーズ、IT機器とファシリティの統合管理システムを開発:JP1で一括制御
日立製作所とNTTファシリティーズは、IT機器とファシリティの運用管理を一括でできるデータセンターの管理基盤システムを開発する。
日立製作所とNTTファシリティーズは7月2日、データセンターの省電力化分野で協業すると発表した。サーバやストレージなどのIT機器と、空調設備や電源といったファシリティを連携して管理し、データセンターの運用を省電力化できる管理基盤システムを開発する。
多くのデータセンターでは、IT機器とファシリティを個別のシステムで運用管理しており、省電力化への取り組みも各部門で別々に行っている。また、無停電電源装置(UPS)の制御などには人手を必要とする。日立製作所 理事 情報・通信グループ CSOの北野昌宏氏は「別々に管理されているこれらのシステムを自動で統合管理する必要がある」と述べる。
2社は、データセンター全体の省電力化を目指し、IT機器とファシリティを統合的に運用管理できる基盤システムの開発を進める。同基盤システムでは、日立の統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」と、NTTファシリティーズの空調機「FMACS-V」およびラック型空調機「FTASCL」の稼働状況を、日立の統合システム運用管理「JP1」で統合的に監視する。IT機器の電源の切り替えや、サーバにかかる負荷の分散、空調機の設定温度の制御などを通じて、データセンター全体を最適化する。
開発したシステムはNTTグループ、日立グループの企業が保有するデータセンターに適用する。これまでのデータセンターの運用管理に比べて、空調機の消費電力を約10%、二酸化炭素(CO2)の排出量を年間約7万トン削減できるという。7万トンのCO2を電力に換算すると約1.2億kWhとなる。これは、約3万4000件の一般世帯が1年間に消費する電力に相当する。
2008年には管理基盤システムのインタフェースを公開し、2009年3月に同システムを用いたデータセンター省電力化サービスを提供する予定という。
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