「スパゲティ化するITインフラを最適化」――EMCがコンサルサービス開始:ストレージベンダーからの脱皮図る
企業が抱えるITインフラの課題を割り出し、業種やシステムごとのコンサルティングサービスを提供していく。
EMCジャパンは7月9日、企業のITインフラストラクチャの最適化を進める「情報インフラストラクチャ・コンサルティング・サービス」の提供を開始した。
「ITインフラのスパゲティ化が起こっている」――EMCジャパン執行役員テクノロジーソリューションズ本部長の有安健二氏は言う。企業は、生産管理、販売管理、CRM(顧客関係管理)などの用途に応じてサーバを立て、それにひも付いたアプリケーションやストレージを導入することが多い。
生産管理はA社、販売管理はB社、CRMはC社という形で、各システムインテグレーターが、異なる技術でシステムを構築する。企業はシステムごとの運用管理を強いられる。
情報インフラストラクチャ・コンサルティング・サービスは、別々に構築されたITインフラの全体最適化を進めるもの。企業が抱えるITインフラの現状を把握し、業務やデータに応じたクラス分けをして、ITインフラの課題を割り出す。最適化に必要な要件とサービスレベルを定義し、COBITやITILへの対応を視野に入れた標準化を進める。最終的に投資対効果や予算、スケジュールを考慮した中期移行計画を策定する。
同サービスは6つのメニューからなる。ビジネスプロセスからITインフラのポリシーを策定する「インフラ全体最適化」、非構造データを可視化し管理ポリシーを決める「情報管理最適化」、サーバやストレージの仮想化を進める「仮想化」、データセンターの移転や統合を支援する「データセンター移転/統合」、災害対策システムを扱う「災害対策」、セキュリティ関連を扱う「情報セキュリティ」の6つだ。顧客企業は課題に応じてメニューを選べる。
コンサルティングには、製造、流通、通信、金融、公共などの業種や業務システム、サービスレベルごとに分けたテンプレートを使う。日本版SOX法への対応、データセンターの電力問題、災害対策など、企業の幅広い用途に応じた最適化ができるという。
コンサルティングの期間は約3カ月。現状分析と要件定義に約6週間、論理設計に約6週間を費やす。顧客企業からの希望があれば、策定した計画を基に、具体的なハードウェアの選定や物理設計も請け負う。「一般的なITコンサルティングでは、サーバなどハードウェアの最適化にとどまることが多い。われわれはサーバやストレージなどの仮想化を支援し、セキュリティをITインフラに実装できる」と有安氏。EMC傘下のVMwareやRSAの技術およびサービスを活用することで、全面的なITインフラの最適化を手掛けることができると自信をのぞかせる。
価格は「3000万円程度から」(有安氏)。現在20人のコンサルティング要員を備える。今後3年間で要員を5倍に増やす予定という。
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