NTTソフトがSaaS型EAI Salesforceと基幹システムの連携を低コストで:中堅企業のEAI需要を開拓
高いコストが掛かることから、中堅規模の企業などで導入が進んでいないEAI製品。NTTソフトウェアはEAIの機能をインターネット経由で提供するサービスを10月1日に開始し、EAI市場における新規需要を開拓していく。
NTTソフトウェアとテラスカイは8月28日、企業が保有する基幹システムとCRM(顧客関係管理)アプリケーション「Salesforce」を連携するEAI(企業アプリケーション統合)を、SaaS(サービスとしてのソフトウェア)形式で提供すると発表した。10月1日に発売する。
発売するのはSaaS形式のシステム連携基盤サービス「SkyOnDemand」。これは生産管理/会計/顧客管理システムといった社内のシステムとSalesforceを連携し、マスターデータや各種データの連携、バックアップなど実施できるようにするもの。データの手入力などの手間を省けるほか、ビジネスインテリジェンスツールにデータを移して、経営分析もできるようになる。自社内のネットワークの設定を変更せずに、基幹システムと連携することも可能だ。
一般に、システム連携にEAI製品を取り入れると、連携プログラムの開発や連携サーバの設置など、「数千万円のコストが掛かる」(NTTソフトウェアエンタープライズ・ソリューション事業グループの小泉信義ソリューションSE部門長)。これらのコストを負担できない中堅規模の企業などではEAIによる連携が進んでいない。SaaSとしてEAIを提供することで、「連携コストを10分の1、連携に必要な期間を3分の1程度に減らせる」という。
小泉氏によると、「ASTERIA On Demand」や日立ソフトウェアエンジニアリングの「SaaSWare DataLoader」が競合製品に挙がる。これらの製品に対する優位点を「300社以上にSalesforceの導入支援をしてきたテラスカイのノウハウがあり、SAPやOracleなどの基幹システムと容易に連携できるエンジンを採用している点にある」と説明した。
価格はSalesforce1契約当たり初期費用が30万円、3スクリプト(1つのテーブルを変換し、別のテーブルに更新する処理)当たり月額7万円からとなる。
現在、連携可能なアプリケーションはSalesforceのみ。今後は他社製のグループウェアや会計システムなども連携できるようにしていく。2社で今年度に2億円、2011年度に100億円以上の売り上げを目指す。
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