マイクロソフトなど3社、Office製品と業務アプリの相互接続に自信
マイクロソフト、アプレッソ、ソフトブレーンの3社は、Microsoft Office製品と営業支援システム間の相互接続を行うためのモジュールを共同開発した。.NETベースのシステムとJavaベースの業務システムの距離がますます近くなる。
マイクロソフト、アプレッソ、ソフトブレーンの3社は、Microsoft Office製品と営業支援システム(SFA)間の相互接続を行うためのモジュール「PIM Synchronizer(仮称)」を共同開発したことを明らかにした。従来は個別に作り込んむ必要があった相互接続部分の開発工数/コスト削減が期待される。
PIM Synchronizerは、「Microsoft Office SharePoint Server 2007」「Microsoft Exchange Server 2007」と、ソフトブレーンのSFA製品「eセールスマネージャー 7.1」との間で相互接続を行うためのモジュール。一昔前のMicrosoft製品といえば、広くオフィスに普及しているが、そのデータフォーマットやプロトコルの多くはオープンなものではなかったため、こうした相互接続を行うにはソフトウェアの挙動を解析するなどして手探りの開発を行うか、Microsoftとの直接交渉を重ねて技術情報を得る必要があった。
今回の発表では、相互接続/同期を行うデータ内容をスケジュール情報とTo Do情報に絞って開発を進めた。この2つに絞った理由は一元的にスケジュール情報を同期したい」という強い要望に対応するためであるとしている。同期の前処理で必要となるデータ変換はアプレッソのデータ連携ソリューション「Data Spider Servista のコアコンポーネントが用いられているという。
今回の発表では自社2製品とeセールスマネージャーとの限定的な相互接続を実証したマイクロソフト。同社は異種混在環境下における相互運用性の向上を重要な戦略の1つに掲げているため、今後、ほかの業務アプリケーションとさまざまなデータ内容を相互にやり取りできるようにすることが当面の目標となる。上述したPIM Synchronizerは今後、導入を容易にするために単独のコンポーネント化を行い、2009年春に製品化を予定しているが、現時点で仮称となっているのは、2009年春に予定している製品化の前に、さらに広範なデータ内容をサポートするか、あるいはサポートする製品の拡大などが見込まれるためとみられる。
併せて、企業システムで求められる標準フォーマットの策定にも取り組む姿勢を見せている。今回の取り組みで考え出されたスケジュールデータとToDoデータにかんする共通スキーマのドラフトを国内のISVが数多く参加する「Made In Japan Software Consortium」(MIJS)に提案し、標準化を働きかけていく考えだ。MIJSは、ソフトウェア間のデータ標準化を行い、相互連携を行うことが海外展開および国内ビジネス基盤の強化につながると考えており、お互いにとってプラスとなる。
標準化や相互運用性について、ゆっくりとではあるが確実に歩を進めてきたマイクロソフト。.NETベースのシステムとJavaベースの業務システムが2009年はさらに距離を狭めるだろう。
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