NEC、基幹システムをクラウド化へ:2010年度から稼働開始
NECは、販売、経理、資材の基幹システムの全面刷新を実施し、ネットワーク経由でシステムの機能が使えるようにする。総コスト2割削減を目指す。
NECは3月2日、自社の基幹システムを全面刷新すると発表した。販売、経理、資材の基幹システムが対象で、2010年から順次稼働させる予定。ネットワーク経由で基幹システムの機能が使える「クラウド指向」のサービス基盤を整備し、総コストを2割以上削減する。
対象となるのは、NECグループの国内外の関係会社を含む、販売、経理、資材の基幹システム。BPR(業務プロセス再設計)で策定したグローバル規模の標準業務プロセスを実装し、国際会計基準への対応や内部統制の強化を図る。業務を効率化することで、対象となる間接部門の費用を2012年度までに2割以上削減する。
グループ全体のサービスを提供する基盤として、国内のデータセンターに新システムを集中的に設置する。社内部門とグループ各社はネットワーク経由でシステムの各機能を利用できる。既存のシステムとはSOA(サービス指向アーキテクチャ)で連携する。
標準システムとして採用するERPは「SAP ERP」。Windows Server 2008、SQL Server 2008、省電力サーバ「Express5800/ECO CENTER」も取り入れてシステムを構築する。また独自技術によるクラウド指向のミドルウェア、仮想化システムを自動で生成する運用管理ミドルウェアを新規で開発する。
2010年4月に経理システム、2011年4月に販売・購買システムの稼働を開始させる。自社システム構築のノウハウを活用し、「クラウドサービス」として展開していく予定もあるという。
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