UPSも統合管理する時代――APCが製品計画を紹介:電源障害への配慮を
APCジャパンは、4月以降10〜30kVAの中容量UPSを発売。管理ツール群と組み合わせることでUPSの統合管理が可能になると説明している。
APCジャパンは3月17日、4〜6月期から順次10〜30kVAの中容量UPSを発売する計画を発表した。既存の管理ツール製品群と組み合わせることで、電源障害に対応したUPSの統合管理が可能になるとしている。
4月以降、中規模システム向けUPS「Smart-UPS RT」シリーズに容量10〜20kVAの製品を追加する。また7〜9月期には大規模システムおよびデータセンター向けに容量20〜30kVAの「Smart-UPS RT」を新たに投入する。
新製品投入の背景について、同社ではSANやNASなどの外部ストレージの利用拡大や仮想マシン、ブレードサーバの普及に伴う電源管理の複雑性の増加を挙げている。既存ユーザーの多くは、0.5〜3kVAの小容量UPSを個々に追加することでシステムの拡大に対処しているが、特に電源障害などへの対策が複雑化しつつあるという。
電源障害では、システムを安全に停止させる場合にストレージ・サーバ・ネットワークの順番で終了する(復旧時は逆の順番)ことが必須だが、UPSを個々に管理している場合では手動操作でミスが生じる可能性があり、データの安全な管理が難しくなるなどの課題が生じるとしている。
同社では、電源管理ツールとして設定した時間と手順によって自動的にシャットダウンを行う「PowerChute Network Shutdown」、管理機能に対応した電源タップ「Switched Rack-Mount PDU」を提供。これに中容量のUPSを組み合せることで、UPSの統合と一元管理が可能になるという。PowerChute Network Shutdownは、VMwareおよびMicrosoft Hyper-Vもサポートし、仮想マシンを電源障害から保護する。連携可能なストレージ製品はNetAPPnなど数社になる。
あるユーザー企業では1.5kVAの小容量UPSを10基運用して合計15kVAを確保していたが、UPSを統合したことで7.5kVAに抑制し、電源コストも削減できたという。同社では「ストレージや基幹システムの統合が注目を集める中で、電源システムへの統合にも目を向けてほしい」と説明している。
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