シマンテックは3月30日、世界のデータセンター管理者1600人を対象に実施した調査リポート「2008 State of the Data Center」を発表した。直面する大きな課題として、コスト削減と人的リソースの活用を挙げている。
データセンターの稼働状況では、サーバの稼働率が53%、ストレージの稼働率が50%だった。システム効率化への取り組みでは、サーバ統合(80%)やサーバ仮想化(77%)、ストレージ仮想化(76%)、継続的なデータ保護(71%)、ストレージリソース管理(71%)となった。
データセンターへのニーズでは、「ユーザーの要求が増大」との回答が75%を占め、60%の回答者は「求められるサービスレベルも高まる」と答えた。2009年の主要な目標では「コスト削減」が多数を占めていた。サービスレベル向上に向けた取り組みでは、「定形業務の自動化」(45%)、「業務横断的なトレーニング」(40%)、「(業務などの)複雑性の解消」(35%)だった。
人的リソースでは回答者の36%が「不足」と答え、「余剰」は4%だった。また、43%は条件を満たす人材を獲得できないと答えた。回答者の45%はアウトソーシングも利用していると回答した。利用内容は、「事業継続」(46%)、「バックアップ」(43%)、「ストレージ管理」(39%)などだった。
グリーン化への取り組みでは、「電力消費の削減」(54%)、「冷却コスト削減」(51%)、「地域社会への責任意識」(42%)を挙げていた。
米Syamntecストレージ&アベイラビリティマネジメントグループのロブ・ソダーベリー副社長は、「企業は、長期的な投資対効果(ROI)の向上よりも、短期間でのコスト削減を重視する戦略へシフトしている」とコメントしている。
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