2009年のサーバ市場、成長率は過去最大のマイナスに:IDC Japan調べ
2009年1Qのサーバの出荷金額が前年同期に比べて二けた減になった。10%以上の減少は2期連続。景気後退に伴い、サーバの増設や入れ替えが凍結していることなどが響く。
国内における2009年1〜3月(第1四半期:1Q)のサーバ市場は1559億円の規模になり、前年同期より16.6%縮小したことが、調査会社IDC Japanの発表で明らかになった。出荷台数は同14.6%減の14万4000台にとどまった。市場規模、出荷台数とも前年同期に比べて大幅減となった。
2009年1Qのサーバ市場は、出荷金額が前年同期比16.6%減だった。2008年4Qも同18.5%減で、二けた減少が続く。2期続けて10%を超える大幅減となったのは、2003年1Q以来。景気後退により、企業のサーバへの投資意欲が大幅に減少し、サーバの増設を凍結したり、入れ替えを予定していたサーバを延長して稼働したりしているという。
IDC Japanでサーバリサーチマネジャーを務める都築裕之氏は「景気後退により、2009年の国内サーバ市場の成長率は過去最大のマイナスになる」と分析。企業の倒産や事務所の集約などにより、サーバ自体の需要が減っていることも要因に挙がる。
製品別、ベンダー別の動向
2009年1Qの市場動向を製品ごとに見ると、スーパーコンピュータ以外の製品がマイナス成長だった。特にx86サーバ、メインフレーム、UNIXサーバが20%超の減少だった。
ベンダー別の出荷金額では、富士通が3期連続で1位を獲得した。メインフレーム、UNIXサーバ、x86サーバで大型案件を獲得したことが寄与した。2位はNEC。スーパーコンピュータ「地球シミュレーター」の大型案件があったが、ほかの製品が振るわなかった。2008年4Qで2位だった日本IBMは3位に後退。すべての製品分野が大幅なマイナス成長だった。以下、日本HPが4位、日立製作所が5位と続いた。
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