東武鉄道、ビジネスを中断させないストレージ環境を構築:無停止で業務もスッキリ
東武鉄道は、サービス停止を伴わず確実にストレージの増設や移行作業が進められる効率的なファイルストレージ環境を構築した。
東武鉄道が今回の取り組みに活用したのはF5ネットワークスのファイルストレージ仮想化製品ARX。ファイルストレージを仮想化し、ファイルサーバの統合と、統合後の運用負担の軽減を実現したという。
東武鉄道では、運行路線や周辺設備の写真や資料の電子化が進み、ここ数年ファイルデータ量が、増加の一途をたどっていた。対応策として運用管理担当がファイルサーバの増設をするのだが、増設作業のたびにファイルサーバの停止が必要で、関連部署との停止調整、従業員への周知、週末・夜間の作業など、業務負荷と増設コストがかさんでいた。
そこで2009年秋に竣工する新社屋への本社移転をきっかけに、ファイルストレージ環境を刷新・統合するプロジェクトを立ち上げ、従来のファイルサーバにおける課題の解決に取り組んだという。
同社では、今回の刷新でIT管理者が直接アクセスするのはARXだけになり、社屋移転に伴うデータ移行、その後のファイルサーバ増設時において従業員のファイルアクセスに影響なく作業が可能となる。さらにすべてのファイルサーバを統合して効率よく利用できるようになるうえ、ストレージ使用量を全体で把握できるので、増設計画も立案しやすくなる。またストレージ構成が異機種混在環境でも、一元的にリソース管理ができるというのも、魅力だという。
東武鉄道では、F5ネットワークスのアセスメントツール、Data Managerを使って自社のファイルサーバ環境の評価を実行した。その結果、1年以上更新がない、もしくはアクセスがないファイルがかなりの数で存在することが分かり、今後はこうした利用頻度の低いファイルは低コストの2次ストレージに保存するなどストレージの階層管理を取り入れる予定だという。
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